減らない自転車の交通ルール違反。この状況に歯止めをかけるため、全国の各警察で重点地区・路線を設定して公表。取り締まりを強化を始めた。
警察官にいら立ち スマホ片手に…信号無視も
朝の福岡市。通勤時間帯に警察が自転車の交通違反を取り締まる。
取り締まりを受ける男性：
マジで仕事、遅れるんで
警察官：
急いでしたいけど、私たちも協力してもらえないなら
取り締まりを受ける男性：
早くして！おせえ（遅い）！
警察官：
今回の違反は、一方通行の逆走ということになりますから
職場へと急いでいた男性は取り締まりの警官の指示に従わず、一方通行を逆走して切符を切られた。
取り締まりを受けた男性：
ちょっと、びっくりしましたね。自転車でいつも通ってるんで、違反してる自覚はなかったんですけど。免許を持ってないんで標識とかが…まあ何となくは分るんですけど。自転車も同じ標識を守らないといけないということだったんですけど。ちょっと、よくわかんなかったですね
一方、こちらはある日の通勤時間帯の福岡市の天神。
城谷陽一郎記者：
スマートフォンを見ながら車道を自転車が走行しています。かなり危ないです
城谷陽一郎記者：
こちらの自転車も逆走しています。反対側の車線を横断してしまいました
城谷陽一郎記者：
あっ、信号を無視して自転車が走っていきます
減らない自転車の交通ルール違反。この状況に歯止めをかけるため、警察庁が大号令をかけた。全国の各警察で重点地区・路線を設定して公表し、取り締まりを強化するのだ。
こうした取り組みは初の試みで、対象は通勤通学などで自転車利用が多く、また自転車関連の事故が多発している駅周辺のエリアとなる。福岡県内の公表は5月の予定で、福岡市中央区の天神南交差点から赤坂2丁目の国体道路など、20地区30路線が検討中だという。
「赤切符」は3年以内に2回以上で自費講習
現状はどうなのか？春の交通安全県民運動中の自転車の交通ルールの違反取締を取材した。
福岡市中央区清川の交差点。停止線前での一時停止や、進入禁止標識の無視が多い場所とされている。
福岡県警中央警察署・城戸善宗交通第一課長：
県民の全体の方の自転車マナーの不徹底があるので、指導警告などを第一に考えて、本当な悪質な違反に対しては検挙と措置をします
インタビュー中も…。
警察官：
そこ進入禁止ですよ！こちら進入禁止になります。左側に寄ってもらってもいいですか。一時停止してくださーい。自転車も車なんですよ！一時停止して下さい。今回は警告だけしときますので
警察官が取り出した黄色いカードは、自転車指導警告書。違反に対して注意喚起をしていくものだ。さらに重いのが赤い切符。3年以内に2回以上切られると、6000円を支払って3時間に渡る自転車講習を受けなければならない。
取り締まる警察官：
警察官の注意とか警告を聞かない。あとは悪質と認められたとき、危険性が非常に高いとしたときなど検挙対象となりますね
自転車通勤の男性：
一方通行だから自転車で通っちゃいけない、というのは知らなかった。都合のいい考え方になってたのかもしれませんね
「みんなが走っているから…」意識改革が重要
取り締まり開始から約50分後。警察官2人に囲まれる高齢の女性の姿があった。
警察官：
これはですね、赤切符っていいます。（見ていると）その橋の手前のところから、一方通行路を乗られてた。逆走していた違反になります
女性は進入禁止の走行を注意され、一時は自転車を引いて歩いたものの再び走行したという。
取締りを受けた女性：
うわー、もうみんなが走ってるから。初めてね、チャリに乗ってこういうことって。ショックですね。朝から、ほんと
福岡県警によると、県内の2021年の自転車乗用中の死者数は前年の2倍に。また事故原因のうち約6割が、法令違反を犯している状況だという。
福岡県警中央警察署・城戸善宗交通第一課長：
道路の環境をつくるのも時間がかかりますが、人の気持ちを変えていくのは、時間がかかりますので。この活動を地道に続けて浸透を図っていくことが大事かなと思います
午前9時前、取り締まりは終了した。
城谷陽一郎記者：
警察がいなくなると、標識に気づかず進入禁止に自転車が入ってしまっています
5月から始まる重点地区・路線の取り締まり。一人一人の意識の改革が重要になりそうだ。
（テレビ西日本）
