ロシア国内では、侵攻に反対する人たちへの風当たりが強まっています。中には玄関のドアが破壊され、落書きの被害に遭っている住民も。その背景には何があるのでしょうか。

「Z文字」ドアに落書き 反戦を訴える大学生の“悲痛の声”

マンションの扉に白い文字で大きく書かれた落書き。ロシア軍を示す「Z」のマークと「祖国を裏切るな」という内容。何者かによる嫌がらせだといいます。被害に遭ったロシアに住む大学生が、3月30日に「めざまし8」の取材に応じました。

ロシア在住 大学生:
私にとって(戦争は)ショックでした。戦争反対の声を上げ、SNSで戦争について公共向けに書き、10日間の反戦集会に参加しました。それを継続することは重要だと考えています。

彼は、プーチン大統領が始めた軍事侵攻に反対し、集会などに参加しています。そのきっかけとなったのは…

ロシア在住 大学生:
私はキエフが爆撃されると考えていませんでした。もちろん、私はそのニュースを聞いたとき、全面的にショックを受けて落ち込んでいました。

ロシア軍によるキエフに対する攻撃。彼は、当初ロシア軍が市民を攻撃しているとは知らなかったと言います。一方、ロシア国内でも市民の暮らしが日々苦しくなっていることに怒りが…

ロシア在住 大学生:
戦争の1ヶ月の間、一般的にロシアでの生活はより困難になっています。経済的な意味では制裁がロシア経済に深刻な影響を与えているということが明らかになりました。通貨の交換比率は下落しました。

彼のようにロシア国内で侵攻に反対する人や疑問を感じている人に対して、今、嫌がらせが相次いでいるというのです。

張り紙や不気味な「豚の頭部」まで…プーチン大統領の“批判発言”が要因か

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これは、ロシアに住む活動家、ダーリャ・ケイキネンさんの自宅玄関の写真。ドアには塗料のかかった6枚の張り紙にこのような言葉が書き殴られていました。「裏切り者」「おまえがやったことはわかっている」。

さらに足下には、大量の肥料がまかれていました。

そして、こちらの写真は、アレクセイ・ヴェネディクトフさんの自宅です。

そこには白い髪のカツラを被った不気味な豚の頭部が置かれています。ヴェネディクトフさんは、ロシアの独立系ラジオ局で長年報道を担当。ラジオ局は、政権の圧力を受けて、3月1日以降、放送休止を余儀なくされています。一体、何者の仕業なのでしょうか。

ロシアに住む大学生のケースでは、被害を受けたのが、3月16日。この日、プーチン大統領は、戦争に反対する人たちを「裏切り者」と痛烈に批判していました。

ロシア プーチン大統領:
どんな人でも、それ以上にロシア人は、真の愛国者とくずや裏切り者を区別できる、口に誤って飛んできたハエのように裏切り者を吐き出すことができる。

こうしたメッセージが発せられる中で、行われた犯行。ロシアに住む大学生は、犯人の姿を目撃していました。

ロシア在住 大学生:
見知らぬ人々がここに来ました。私は正確には誰がここに落書きをしたのか知らないのです。

落書きを行ったのは見知らぬ集団。その正体はいまだに分からないままです。

(「めざまし8」3月31日放送分)