鉄道利用の安心安全につなげるため、広島県内で初めてとなる施設が完成した。鉄道ファンの野川諭生アナウンサーが潜入取材。

入社5年目までの若手に定期研修を

野川諭生アナウンサー:
江田島市は鉄道が走っていないはずなのですが、踏切が見えますね。人の姿も見えます

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江田島市に完成した広島県内で初めての施設。

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
旧切串中学校を活用させていただいておりまして

2020年9月に江田島市から中学校の土地と校舎を買い取り、その形を維持したまま3階建ての研修施設にリニューアル。

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
この階段も中学校で使われていたもの。構造はそのまま

野川諭生アナウンサー:
中で研修を受けていますね

JR西日本のグループ会社として、広島駅南口再開発や宮島口旅客ターミナル、災害復旧など、様々な工事を手掛けている広成建設。「土木」「建築」「線路」の3つの部門で技術者が力を発揮しているが、この施設では入社5年目までの若手社員を対象に定期的な研修を行うという。

現場監督として統括する上で豊富な知識を身に着けるために…。約1万3000平方メートルの敷地内には、実際の現場が再現されている。

在来線を再現したエリア
在来線を再現したエリア

トンネルや新幹線の分岐器も

野川諭生アナウンサー:
あっ!後ろに海が抜けている所には、アンバランスな感じもするホームもありますし、トンネルもありますね

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
こうした狭隘な作業環境を再現して、限られた環境での作業の計画や列車が来た時の退避の訓練を行う

この傾斜をロープで降りたり、線路を解体して再び組み上げる研修を重ねるという。

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
現場を再現することで、研修生に失敗を経験させることが一番の目的。実際の線路では失敗は絶対にできませんので

そしてこちらは、新幹線の現場を再現したエリア。

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
こちらは新幹線の分岐器。一般の線路より分岐器は関連する部材は多い。手順もより複雑になるので、そういった理解をしっかりとこの場で学んで現場に持ち帰る

このほかにも新幹線の模擬トンネルや電柱、架線設備、多様な線路構造が設けられている。さらに、近年多発している災害への対応力をつける場所も。

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
これは盛土を作製していて、土嚢を作ったり斜面の修繕の研修を行う

鉄道利用者の安心安全のために

しかし、なぜ江田島市を研修拠点に選んだのか?

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
鉄道施設を製作しようとすると、かなり大きな敷地が必要になる。交通の利便性もいいのでこちらを選定した

広成建設 施工本部 施工統括部・藤原太千事務主任:
鉄道の工事がしっかりとした設備、研修のもと行われているということを(利用者にも)ご理解いただければ、より安心してご利用いただけると思うのでここで、しっかり学べればと

泊まりでの研修では市内の宿泊施設が活用されるということで、地域の活性化も期待される。

(テレビ新広島)

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