高校生が企画から撮影、編集までを行い、作り上げた動画で生徒自ら学校の魅力を発信する「YouTube甲子園」。3月、全国から参加した162チームの中から日本一が決定した。

YouTube甲子園事務局・井上翔太さん:
動画を作るということが高校生の中で一般的になっている。本当にレベルが高い

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なぜ高校生たちは動画を作るのか?その理由を調査した。

カタカナ禁止、ドローンも 学校の魅力をアピール

まずは銅賞。企画力が評価された東京の「実践学園中学・高等学校」。

生徒たちが、学校内の施設を「カタカナ・英語禁止」で紹介するという内容。

同じく銅賞は、メッセージ性の高い作品を作った「愛媛県立松山北高等学校」。

ドローンを使ったダイナミックな映像からスタート。

次に登場したのは、イギリス出身の外国語指導助手・アビー先生。コロナのため赴任が1年遅れてしまった先生が、学校の魅力を聞いていくという内容だ。

部活に青春…仲良しコンビが気になる疑問に回答

続いて銀賞は、1年生の仲の良さが際立った「東京都立芦花高等学校」の作品。

2人の女子生徒が校内に隠された質問を探し出し、それに答えていくという内容。「バイトはできますか?」など、これから入学する中学生も気になる質問ばかり。

中にはこんな質問も。

――ぶっちゃけ青春ってできますか?

女子生徒:
恋愛に関してはできると思います。よく2人で帰っている子とか見かけるから

なぜ動画を作ったのか?

芦花高校1年・竹内瑚々さん:
コロナ禍で行事もなくて、何か楽しいことをやろうって。それで自分も編集したいなって。学校で何か生かせればなと思って作りました

2年前に誕生「YouTube部」一眼レフと小型カメラで撮影

そして同じく銀賞を受賞したのが、大分県の「日本文理大学付属高校」。

動画を作ったのは2年前に誕生した「YouTube部」のメンバーだ。

一眼レフと小型カメラで撮影し、iPadで編集している。

自然体な姿が評価された彼らの動画がコチラ!

3人の生徒が校内を散策しながら楽しく紹介。生徒のリアルな視点から、学校の魅力をテンポのいい編集で伝えている。

学校のYoTubeチャンネルを見ると、文化祭や体育祭などの様々な行事が並んでいる。その数、46本。

学校の情報発信を動画で、それも生徒自身がやってくれるので、学校にとってもうれしいという。

YouTube部顧問・勝龍三先生:
今までの部活動とは違った新しい部活動で、今となっては学校には欠かせない部活動

交通安全を啓発する、大分県警のYouTube動画を作ったのもYouTube部だ。

部長を務めるのは、2年生の亀井彪斗くん。動画を作る理由は?

YouTube部 部長・亀井彪斗くん:
動画は一回作ればいつまでも残るもので。いまコロナでできない思い出も、少しでも多く残せるのかなと思っています

授業でYouTubeを学び動画制作

こうした中、名古屋市の名古屋経済大学高蔵高校ではこんな取り組みも。

広報・柳井谷真吾先生:
これからの時代、YouTubeを活用する生徒も増えてくるかと思いますので、School YouTube企画というものを取り入れることに決めました

2021年から、YouTubeを学び動画を作る授業を導入。自己PR動画を作るスキルも身につき、実際に動画を大学に提出して合格した生徒もいるという。

そして「YouTube甲子園」で日本一の金賞に輝いたのが…。

YouTube甲子園事務局・井上翔太さん:
大人が関与しているじゃないのかなと、我々事務局も疑うくらい、本当にレベルが高い

プロ顔負けの撮影・編集技術が評価

金賞は「東京都立調布南高等学校」が作った動画。生徒会長が様々な運動部を体験しながら紹介するという内容だ。

目を引くのは、撮影と編集技術の高さ。

ナレーション:
副会長・古川君の容赦ないスマッシュ、これには会長も惨敗

この動画、本当に高校生が作ったのか?制作チームの中心となった、高校2年生の島崎利一くんに聞いた。

調布南高校2年・島崎利一さん:
そこそこ有名なYouTuberさんたちの編集をかわりにやるような、フリーランスでそういう仕事的なのをやっている

実は島崎くんは17歳ながら、有名YouTuberの編集もこなすスーパー高校生。

スーパー高校生と小山内アナが動画制作

そんな島崎くんに、小山内アナウンサーと動画を作ってもらうことに。挑戦するのは「ユニバーサルホッケー」。室内で行うホッケーという珍しい部活を動画で紹介する。

さっそく撮影開始。

調布南高校2年・島崎利一さん:
じゃあいきます、はい

小山内鈴奈アナウンサー:
よろしくお願いします

調布南高校2年・島崎利一さん:
すみません、もうちょい大きい声で

小山内鈴奈アナウンサー:
わかりました、厳しいな~

みっちり撮影すること1時間。編集もしてもらい動画が完成。ご覧頂くのは撮影から編集まで、すべて高校生による動画だ。

3台のカメラで撮影した映像を巧みに編集。テロップもプロ顔負けのレベル。

調布南高校2年・島崎利一さん:
小山内アナウンサーの明るさと、うちの面白い部活をやっていただく、楽しめる動画になっていたと思うので、この上ない満足を得ています

高校に入学するまでは、鉄道で日本を縦断する夢を持っていた島崎くん。

コロナ禍でそれも難しくなり、代わりにのめりこんだのが動画制作だった。

調布南高校2年・島崎利一さん:
やることがないからやってみるか、みたいなところもあったかと思うんですけど、楽しくて。今なんか日本縦断しなくてもいいやと思うくらい(動画制作に)熱中しちゃってます

(「めざましテレビ」3月23日放送分より)