「ここ10年で日本の治安は悪化した」と思う人が5割を超えていることが、内閣府の世論調査で明らかになった。
内閣府の世論調査では、「日本は治安がいい」と答えた人が8割を超えたものの、「ここ10年で日本の治安は悪化した」と思う人は54.5%にのぼった。しかし実際には、犯罪の発生件数自体は、長らく減少傾向にある。去年、全国の警察が把握した刑法犯は、およそ56万件。7年連続で戦後最少を更新している。
新型コロナウイルスの拡大やデジタル化の進展などにより社会が変化する中、「被害に遭うかもしれないと不安になる犯罪」についても調べたところ、「特殊詐欺」や「サイバー犯罪」が上位を占めた。犯罪に遭うかもしれないと不安になる場所については、50%以上の人が「インターネット空間」と回答し、「道路上」や「繁華街」を上回った。
また治安に関連して、今の日本社会について、どのように考えているか聞いたところ、6割以上の人が「ニセの情報を含め、様々な情報がインターネットで氾濫し、容易に手に入るようになった」と答えた。
世論調査を通じて、多くの人が、不正アクセスなどのサイバー犯罪や、インターネットを通じて犯罪に巻き込まれることに不安を感じている実態が浮き彫りになった。警察庁は4月からサイバー特別捜査隊を発足し、国際機関と連携して直接捜査に乗り出す。