ロシア・プーチン大統領が核使用をちらつかせるなど緊迫するウクライナ情勢。フジテレビ政治部 防衛省担当の伊藤慎祐記者が「ウクライナ侵攻で危機感 日本でも核の議論」について伝える。

今回のロシアのやり方がまかり通れば中国も…

フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
現在、ロシアがウクライナ侵攻をして、プーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせているという状況で、日本の防衛省も非常に高い関心を持って、この戦況を見つめています

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フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
日本の周辺でも心配なことがたくさん起きています。例えば北朝鮮は今年に入って既に8回ミサイルの発射を繰り返しています。中国もウクライナ侵攻が始まった翌日の2月25日に沖縄の尖閣諸島の周辺で中国当局の船が4隻が領海に侵入しました。そしてロシアは2月に日本海とオホーツク海で海軍の艦艇なんと24隻による大規模演習が確認され、岸防衛相は「これはウクライナ周辺のロシア軍の動きと呼応する動きだ」と分析しています

フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
また防衛省関係者からは、今回のロシアのやり方がまかり通ってしまえば、現在南シナ海や東シナ海で軍事力を拡大している「中国に“こういう方法でもいけるんだ”と思わせてしまう」と指摘しています。ウクライナ侵攻は、日本にとっても対岸の火事とは言っていられない状況です

安倍元首相が核共有について注目発言

今のままで本当に日本を守ることができるのか?議論の口火を切ったのは、2月27日「日曜報道 THE PRIME」に出演した安倍晋三元首相の発言だった。

安倍晋三元首相
自分の国をやはり自分で守るという決意と防衛力の強化を常にしないといけない。ドイツベルギーオランダイタリアもですね。核シェアリング(核共有)をしているんですね。日本は非核三原則がありますが、この世界はどのように安全が守られているのかという現実について議論していくことをタブー視してはならないと…

フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
この安倍さんの言う核シェアリング(核共有)がどういうものかと言いますと、アメリカ軍の管理下の元で日本国内にアメリカの核兵器を配備して、共同で運用するものなんですが、効果としては日本に核兵器があるということを示すことで、他の国に日本を攻めたら核で反撃されるから攻めるのをやめておこうと思わせる、いわゆる「抑止力」を高める効果があります

フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
この「核共有議論をタブー視すべきではない」とする安倍元首相の発言に対して、岸田文雄首相は「核共有について政府として議論することは考えていない」と否定しました。と言うのも日本は核兵器について「持たず」「作らず」「持ち込ませず」の非核三原則を掲げていまして、「核共有」は、非核三原則に反するということなんです

フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
岸田首相の慎重論に対し、推進派の日本維新の会の松井代表は「おかしい。昭和のままの価値観で令和もいくのか」と批判しています。一方、反対派の共産党の志位委員長は安倍元首相や維新の発言に対して「日本を核戦争に導く危険な提言」だと批判合戦になっているんです

フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
このように岸田首相は核共有については否定的なんですけども、一方で前向きに推進しているのが「敵基地攻撃能力」です。敵基地攻撃能力とは、これは例えばですが、北朝鮮がミサイルを発射するということが明らかになった場合には、自衛のために敵基地を攻撃できるという能力のことです。政府はこの敵基地攻撃能力の保有なども含めて、年内に外交や安全保障の長期指針を決めていく方針です

フジテレビ防衛省担当・伊藤慎祐記者
こうした外国の侵略の可能性から日本を守っていくためには、どうあるべきなのか?ウクライナ侵攻をきっかけにますます議論が活発になりそうです

現実が変化しているのに議論すらしないのは…

フジテレビ「イット!」ではコメンテーターで明治大学教授の齋藤孝さんに話を聞いた。

加藤綾子キャスター
何が防衛なのか難しいんですけれども、日本は唯一の被爆国だからこそ何ができるのか、各国にどんな働きかけができるのか議論してもいい気もするんですけれども、いかがですか?

明治大学教授・齋藤孝さん
私は核の共有については議論すべきだと思いますね。もう現実が変わってきているということです。核を持った国が核を持たない国を踏みにじっていく中で、日本が核を持つかどうか議論すらしないというのは、日本はつけ込みやすい国だというメッセージになってしまうと思うんです。現実を見据えながら、その都度ちゃんと議論をしていくことが必要だと思います

明治大学教授・齋藤孝さん
(核兵器を)シェアするという議論は、現実的でありますし、議論自体が抑止力になるということもあるわけなんですね。日米安保条約があるからと言ってアメリカが全面的に守ってくれると期待するのは期待しすぎ。まずは自分の力で自分の国を守れるようにしないといけないというのは、今回のウクライナ情勢を見て、多くの日本人が感じたところじゃないでしょうか

(イット!3月4日放送より)

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