次世代を担う力士が次々と登場する相撲界。

3月6日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)に、大関昇進が決まった御嶽海をはじめ、阿炎、宇良、大栄翔、豊昇龍、若隆景、若元春ら7人の若手力士が登壇。それぞれの家庭事情や意外な素顔に迫った。

母・マルゲリータさんの熱い応援が話題に

番組MC・浜田雅功さんからは「大関昇進して、優勝して結婚して何ですか?」とツッコまれると、御嶽海は「狙ってみました」とドヤ顔に。

お祝い事が続いた中でも、御嶽海の一番は大関昇進。令和4年の初場所で、長野県出身の力士としては227年ぶりとなる大関昇進を果たした。

御嶽海
御嶽海
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初場所は13勝以上をあげると悲願の大関とりが見える関脇・御嶽海と横綱昇進後3場所連続優勝という103年ぶりの快挙を狙う照ノ富士に注目が集まった。

12日目を終えた段階で優勝争いのトップは、10勝2敗の照ノ富士、御嶽海、阿炎。13日目は2敗同士の御嶽海と阿炎が直接対決した。

そのとき、御嶽海の地元である長野県・木曽郡上松町では、母・マルガリータさんが経営するスナックが熱い盛り上がりを見せていた。

14日目の御嶽海は前日の勢いそのままに、宝富士を下し2敗をキープ。阿炎が照ノ富士に勝利したことで2敗の御嶽海、3敗の照ノ富士、阿炎、琴ノ若に優勝の可能性が残った。

このときのことを御嶽海は「阿炎が良い仕事をしてくれたなって。あそこで横綱(照ノ富士)に勝ってくれないと僕もドキドキしていたので、気持ちに余裕が生まれました」と振り返る。

そして千秋楽、優勝の可能性を残す阿炎の家族は、テレビの前で応援。見事勝利し、優勝の可能性をつなげると、母や姉は涙を流して喜ぶ。その姿に「この号泣はほぼ毎日ですから」と冷静な兄。

結びの一番は、照ノ富士対御嶽海。照ノ富士が勝てば3人が3敗で並び、三つ巴の優勝決定戦に。阿炎の家族は照ノ富士の勝利を願っていたが、御嶽海が盤石の相撲で3度目の優勝を決め、大関昇進を確実にした。

御嶽海は、この時に母・マルガリータさんに嫉妬したと明かす。理由は、母親がTwitterでトレンド入りしたほど注目を集めたこと。御嶽海は「僕より検索数が多いんですよ!」とグチをこぼした。

また、御嶽海は猟師の父親に連れられて猟犬をしたことも明かした。その父親もまた、朝青龍がTwitterで「かっこいい昭和のダンディー」だとツイートしたことで、モンゴルで話題になったという。

叔父・朝青龍の“しゃべりすぎ”においっ子クレーム

数々の伝説をつくった横綱・朝青龍。そのおいっ子の豊昇龍も朝青龍譲りのキレキレの相撲をとる。

令和3年の九月場所、若隆景との一番で豊昇龍は土俵際に追い詰められたが、一本背負いで豪快に投げ飛ばし、逆転勝利を飾った。

若隆景は「気づいたら宙を舞っていました」と当時を振り返り、笑う。

さらに令和4年初場所14日目、大関・正代との一番でも豊昇龍の驚異の粘りが発揮される。大関に攻め込まれ不利な体勢だったが、決して手はつかず顔面から土俵に着地。協議の結果、同体と見なされ取り直しに。おでこに血がにじんだ状態で臨んだ取り直しの一番で、豊昇龍は執念で白星をもぎとった。

元力士で第66代横綱若乃花の花田虎上さんは「ちゃんと相手を見ていて、手をつく、ちょんまげつくと負けるのがわかっている」と評価する。

まだ額に傷跡を残す豊昇龍も「手がつきそうになったので自分は引いて、落ちそうになったから相手の首の後ろをポンっとたたいた。取り直しになってうれしかった」と笑う。

その笑顔に浜田さんは「ほんまそっくりやな」と叔父・朝青龍とそっくりだと指摘。

豊昇龍
豊昇龍

このときの一番を朝青龍から褒められたという豊昇龍。「その日、部屋に帰ったら親方が誰かと電話していて、変わったらおじさんで。『顔から落ちてよかったな』って褒めてもらいました」とうれしそうにする。

朝青龍は相撲に関しては厳しく、「幕下の時、めちゃくちゃ怒られたり、プレッシャーかけられたりして、連絡先全部ブロックしちゃった…怖いんで」と告白。

相撲ファンの間では豊昇龍に対して、朝青龍がTwitter上で“公開説教”をするのが名物になっているという。その説教が実は効果てきめんのようで、“公開説教”を受けた後は、成績がよくなっていると明かした。

そんな朝青龍と豊昇龍は数日前に久しぶりに再会。しかし、「3時に会ったのに7時までずっとしゃべってるんです。自分は4時間も『はい、はい』って言っていました」と愚痴る。

すると、これまでの収録をこっそり見ていた朝青龍がオンラインで登場。おいっ子のグチに「久々の再会だったのに3、4時間で嫌だと言われたから、今度は2週間くらいガッチリ稽古させる」と仕返し。

さらに、連絡先がブロックされていることに触れると、「馬鹿野郎、このやろうって感じです」とチクリ。

幼い頃の豊昇龍について朝青龍は「周りの子供の中でも彼が一番輝いていた。(自分が)新横綱に上がったときもお相撲さんの丁髷の大銀杏が結ってあるかつらをあげたり」と目をかけていたという。だからこそ、「豊昇龍といえば、朝青龍がついてくるから、しっかり相撲を取らないといけない。お前は絶対に強くなるから」と断言し、おいっ子の背中を押した。

御嶽海もアドバイスをもらいたいということで、「今度3時間一緒にしゃべりましょう!」と促すと、朝青龍は「お前がしゃべりすぎだよ」とツッコむ。「今、時代が変わってみんな幸せですね。私はサッカーやったから、やられたからね」と過去に問題になったことを持ち出すと、御嶽海は「あんま、笑えないです」と苦笑した。

宇良にアドバイスする“握力王”って?

相撲好きで知られる女優の紺野美沙子さんは、今“スー女”に大人気の宇良のアクロバティック相撲を推す。

宇良
宇良

宇良の代名詞「居反り」は、体が柔らかいため、「狙ってないですけど、体が勝手に動く」と話す。

「宇良が入ってくると相手が怖がるので腰を引くとやられる」と花田さん。はなわさんも「宇良関は体が小さいけれど、各界一の握力の強さ。計測したら119キロ。普通は45キロとかですよ」と話す。

100キロを超える握力は宇良いわく“有名な握力王”にアドバイスをもらっているという。浜田さんが「そんな人いるの?」と聞くが、「握力で生活している人がいる」との返答で話が進まない。

127キロのグリッパーを握る宇良
127キロのグリッパーを握る宇良

機器の握り方やトレーニング方法などもその“握力王”に教えられたと話す。そんな宇良が日々使っているのが世界一の握力トレーニング器具と呼ばれる「キャプテン オブ クラッシュグリッパー」。これで鍛えまくって、驚異の握力を手に入れた。

スタジオに持ってきた中で一番軽い88キロを浜田さんが握ってみるが、全く動かない。宇良は普段使いの127キロを気合入れて握ると「これ握ると認定書もらえるんです」と話す。

御嶽海も挑戦するが…
御嶽海も挑戦するが…

すると御嶽海が「俺もほしい」と127キロに挑戦するが、「手がいかれちゃいます」と降参。浜田さんも「全然、無理やんな」とうなずいた。

不祥事から復活を遂げた阿炎

各界を騒がせた不祥事から見事復帰を果たし、新関脇となった阿炎。

建築業を営む父と看護師の母という家庭の4人きょうだいの末っ子として生まれた。

小学3年生から相撲をはじめ、中学でやんちゃな学生生活を送りながらも、相撲は真面目に続け、高校卒業後に錣山部屋に入門。

初土俵から約5年で幕内へ上がり、一時は三役を務めるまでに。2020年には3歳年下の女性と結婚し、第1子も誕生した。

すべてが順調の中、コロナ禍に接待を伴う飲食店に出入りしていたことが発覚し、進退問題に発展。これによって阿炎は3場所、半年にわたる出場停止となった。

阿炎
阿炎

番付も幕下へ陥落し、このまま消えていくのかと思いきや、錣山親方は「もう一回立ち向かわせなきゃだめだ」と阿炎を激励した。

すると人が変わったように相撲に取り組むようになり、処分が解けて復帰すると怒濤(どとう)の勢いで番付を駆け上がった。

不祥事を起こした際は、「ばかなやつだ」「なめんじゃねえ」と阿炎を非難したが、心を入れ替えた阿炎を家族も見守った。

幕内に復帰すると2場所連続で優勝争いに加わり大活躍。阿炎の母は「つらかっただろうし、大変だったと思う。いくら自分がしでかしたこととは言え、私たちは何もしてあげられない。一人で考えたんだろうね」と息子を思った。

「ここからが大事」と話す錣山親方は「一回、お客さんの期待を裏切ったので、信頼はまだ取り戻せていない。信頼を取り戻して、それ以上のものを積み上げて、“どんどん勝て”とお客さんに期待される力士になってほしい」と語った。

阿炎は「いろいろな人の支えで変われたと思いますし、謹慎中にいろいろ考えて、体が基本なのでまずは睡眠からと思って、寝具とかを改めてちゃんと買ってみたりした」と話す。

御嶽海も阿炎の変わりように驚き、「今まで何度か対戦しましたけど、一番強かった」と評価しながらも「それでも勝たせてもらいましたが」としたり顔をした。

3兄弟同時幕内力士を目指す

強烈なおっつけを武器に大きな相手をスピードで翻弄する若隆景。

若隆景
若隆景

3兄弟力士の三男で、長男は若隆元、次男は4つ相撲からの豪快な投げが持ち味の若元春。来場所に長男が勝ち越しを決めれば、史上初これまで誰もなし得なかった3兄弟同時幕内力士の可能性も出ている。

若元春
若元春

そんな3兄弟を生み出した大波家は、父も祖父も元力士。福島にある実家は、祖父のしこ名をつけたちゃんこ料理店「若葉山」を両親が経営している。

大波家では毎日、息子の取組の時間になると、仕込みの手を止めてテレビの前で観戦。
父親は毎日欠かさずアドバイスを送っているというが、誰からも返事がないと嘆いた。

とにかく昔からけんかが絶えなかったという3兄弟。浜田さんから「今は仲が良い?」と聞かれるが若元春、若隆景も微妙な表情に。

しかし、2人の妻同士が仲いいようで、浜田さんは「兄弟は仲良くないとダメですよ」と花田さんの方を向いて発言。花田さんも「本当そうですよ」と苦笑した。

まもなく三月場所。注目力士たちの活躍に期待したい。

(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)