2月23日、62歳のお誕生日を迎えられた天皇陛下。
会見では、愛子さまのご成長への喜び、そして悠仁さまのご進学や、小室眞子さんの結婚をめぐる思いなどについても述べられました。
陛下が多くの時間を割いて語られたのは、どんな内容だったのでしょうか。

コロナ禍のオリンピック 選手同士の交流「心が温まった」

天皇陛下 誕生日会見:
この度の北京での冬季オリンピックでも、選手同士の心温まる交流を目にしましたが、そのような光景を見ながら、私は50年前の札幌冬季オリンピックでの70メートル級スキージャンプで金メダルを取った笠谷幸生選手の健闘をたたえて、笠谷選手を肩車したノルウェーのインゴルフ・モルク選手の姿を懐かしく思い出しました。
国と国との間では様々な緊張関係が今も存在しますが、人と人との交流、国や地域の境界を越えて、お互いを認め合う平和な世界につながってほしいと願っております。

世界のトップアスリートの活躍に沸いた北京オリンピック。
また、2021年夏の東京オリンピック・パラリンピックについても言及されました。

天皇陛下 誕生日会見:
参加した選手一人一人が力を尽くして競技に臨む姿から、新たな希望と勇気を見いだされた方も少なくなかったのではないかと思います。
また、参加国の選手同士がお互いの健闘をたたえ合う姿や、例えば女子バスケットボールの表彰式の後で、日米仏3か国の選手全員が自然に記念撮影に臨む姿など、国境を越えた選手同士の交流が各所で見られたことにも感慨を覚えました。

そして、陛下が多くの時間を割いて述べられたのが、2021年12月に成年皇族としての行事を終えられた長女・愛子さまについてです。

愛子さま成年皇族に 天皇陛下「感慨深く」

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天皇陛下 誕生日会見:
愛子は2021年12月に成年を迎えました。
成年に当たっての感想の発表や成年の行事に臨むに当たり、緊張もあったと思いますが、何とか無事に諸行事を終えることができ、私たちも安堵しました。
また、いつの間にか二十歳という年齢を迎え、大人の仲間入りをすることになったことを感慨深く思いました。
日頃から多くの人々に助けられ、支えられているということに愛子が感謝の気持ちを持っていることを親としてもうれしく思っています。

「親としてうれしく思う」と述べられたのは、愛子さまが持たれているという、周囲への感謝の気持ち。

2022年1月、成年皇族として初めての公務となる「新年祝賀の儀」に臨まれた愛子さま。
多くの国民がコロナ禍で厳しい状況にあることをふまえ、ティアラの着用は控えられました。

2020年4月、学習院大学に入学された愛子さま。
陛下は愛子さまの学生生活について、こう述べられました。

天皇陛下 誕生日会見:
愛子は、2020年、大学生になりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、授業にはオンラインでの出席が続いています。
2年生になり、演習の授業での発表があったり、課題の提出などで忙しい毎日ですが、大学での勉学に一生懸命に取り組んでいます。
私自身の大学生活を振り返ってみますと、気が付けばもう40年くらいも前になりますが、大学では様々な人たちと顔を合わせて授業を受けたり、放課後の部活動で一緒に参加したり、見ず知らずの人と学生食堂で隣り合ったり、新しい発見と経験の連続であったように思います。

自身の大学生活を振り返りつつ、愛子さまもキャンパスライフを楽しめる日が来て欲しいと述べられた陛下。

さらに、4月から筑波大学附属高校に進学される秋篠宮家の長男、悠仁さまについてもこう述べられました。

天皇陛下 誕生日会見:
本当に高校時代の3年間はいろいろな人と出会い、友達もできて、そしてまた いろいろな活動に取り組むことができた、そのような点で、ある意味では非常に充実した3年間を送ることができたというようなことを今でも懐かしく思い出しております。
先日、悠仁親王の高等学校の進学先が決まったという報告を受けましたが、やはり是非、実り多い高校生活を送ってほしいというように心から願っております。

愛子さまや悠仁さまの充実した学校生活を願うお言葉。
そして、雅子さまの最近の状況についても述べられました。

皇后・雅子さま“ご体調”「いまだ快復の途上」も支えたい

天皇陛下 誕生日会見:
雅子は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による活動への制約などから、体調を整えにくくなっている面はありますが、種々の工夫や努力を重ねながら、幸いにして都内での式典やオンラインによる各地への訪問、新年ビデオメッセージなどに一緒に臨むことができました。
養蚕については、昨年より多くの作業に取り組むことができ、楽しみながら作業をしている様子を見て、私も嬉しく思いました。
また、皇居への移転に伴い、生活環境が大きく変わる中で自分なりに公務と生活のリズムを整えようと懸命に努力していると思います。
しかしながら、いまだ快復の途上で体調には波があり、大きな行事の後には疲れがしばらく残る傾向にあります。
これからも無理をせずに、できることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしいと思います。
雅子は、また、私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手になってくれています。
私も今後ともできる限り力になり、支えていきたいと思っております。

2022年の6月で結婚30年目の節目を迎えられる天皇皇后両陛下。
互いにサポートし合っていることを明かされました。

一方、陛下は姪である小室眞子さんの結婚についても述べられました。

「朝見の儀」自らの判断で見送りも「幸せに」

天皇陛下 誕生日会見:
2021年秋、結婚により皇室を離れるまで、様々な公的な活動に真摯に取り組んでいたことを深く多といたします。
結婚について様々な意見があるなど、結婚に至るまでの状況を踏まえ、納采の儀などは秋篠宮家の判断で、また、朝見の儀などについては、私の判断で執り行わないこととなりました。今後、幸せな人生を歩んでいってほしいと思いますが、同時に、この間、多くの方に心配をお掛けすることになったことを心苦しく思っています。

「朝見の儀」などは、自らの判断で行わないことを決めたと語られた陛下。
さらに、多くの人に心配をかけたことを心苦しく思うとも、述べられました。
2021年の誕生日会見では、2人の結婚の話題について多くは述べられませんでしたが、今年は時間を割かれました。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
今回はもう結婚したという事実ははっきりあるわけで、その結婚に対して陛下がお気持ちを述べられている。とにかく幸せになって欲しい。
異例な結婚ではあったけれども、二人には幸せになって欲しいというお気持ちだけを、陛下はお伝えになられたということだと思います。

さらに、小室さん夫妻の結婚をめぐっては、陛下は「情報発信のあり方」についても言及されました。

天皇陛下 誕生日会見:
週刊誌報道やインターネット上の書き込みについては、人々が自分の意見や考えを自由に表現できる権利は、憲法が保障する基本的人権として、誰もが尊重すべきものですし、人々が自由で多様な意見を述べる社会をつくっていくことは大切なことと思います。
その中にあって、一般論になりますが、他者に対して意見を表明する際には、時に、その人の心や立場を傷つけることもあるということを常に心にとどめておく必要があると思います。
他者の置かれた状況にも想像力を働かせ、異なる立場にあったり、異なる考えを持つ人々にも配慮し、尊重し合える寛容な社会が築かれていくことを願っております。

異なる立場や考えを持った人への配慮と尊重を求められました。

(「めざまし8」2月23日放送)