9日のスノーボード男子ハーフパイプ予選で、平野歩夢選手が見事1位通過。

めざまし8は王者・ショーン・ホワイトとの決戦に挑む平野選手、その4年間の進化に迫りました。

平野1本目“ビッタビタのラン”で余裕あり ホワイトまさかの転倒

男子ハーフパイプ予選。トップバッターとして登場したのは、平昌オリンピックの銀メダリスト、日本のエース・平野歩夢選手。

注目の1本目は。

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実況:
フロントサインのダブルコーク1080!信じられない…キャブのダブルコーク、ここも1080!
1本目はかなり何度を落としてましたが…

解説:
ビタビタのランでしたね。余裕ありましたね。

超大技「トリプルコーク1440」は温存し、それでも全体2位の87.25をたたき出します。

平野歩夢選手:
1本目決まっていたので、できるだけ上の位置をとりたいなと思って、できる限り攻めたという感じです。

そんな平野歩夢選手に立ちはだかる、最大の壁が…

実況:
さあそしてショーン・ホワイトの登場です。最後のオリンピック、最後のコンテストと話しました。

オリンピック3度の金メダル、今大会を最後に現役引退を表明しているアメリカのスーパースター、ショーン・ホワイト選手。

しかし、予選1本目は。

実況:
ドロップインレギュラースタンス。フロントサイドのダブルコーク1080。スイッチ。キャブのダブルコーク1080。

解説:
高さありますね。

実況:
そしてフロントサイドの540は突き上がる。くるか?バックサイド!ダブルマックスツイスト1260!

解説:
惜しかったですね。

まさかの転倒…得点が伸びません。
そしてむかえた2本目。平野選手はさらにギアを上げます。

実況:
フロントサイドダブルコーク。ここで来た!1440!キャブのダブルコーク。ここも1440バックトゥバック。そして、ダブルコークも1260。ちょっとバランス乱した!
バックサイドは、ここもダブルコークの1260で来た!そしてフロントサイドダブルコーク。1080!5つのヒットをすべてダブルコークでもって来ました、平野歩夢!

解説:
すごいですね。高さも非常にあって。安定感もありました。

縦2回転、横4回転の「ダブルコーク1440」。さらに、利き足ではない足を軸に回転する「キャブ・ダブルコーク1440」など難度の高い大技を繰り出します。

予選1位平野 4位のホワイト「歩夢は才能あふれた競争相手」

2本目で1位に躍り出た平野選手。一方、後がなくなったショーン・ホワイト選手の2回目。意地を見せます。

底力を見せつけ、4位に食い込み決勝進出を決めました。
滑り終えた瞬間の雄叫びと、思わず漏れた安堵の声。

ショーン・ホワイト選手:
危なかったね。すこしナーバスになったけど、楽しかったよ。
歩夢は素晴らしい。才能あふれた競争相手だ。彼のキャリアを見てきた。彼と一緒に浮き沈みを乗り越えたり、(彼も僕のことを)良い時も悪い時も見てきた。彼のことは非常に誇りに思う。

平野選手とホワイト選手の絆が見えた瞬間でした。
さらに、試合後の平野選手へのインタビューでは。

ーー3回目のオリンピック。予選が終わりましたが、いかがでしたか?

平野歩夢選手:
1本目を決められてよかったっていう安心感はあったので、2本目をどうするか。できるだけ上の順位を取れるように意識はした。ちょっと着地ミスをして何とかつなげたかな。

ーー金メダル取るには「トリプルコーク」は必要?

平野歩夢選手:
(トリプルコークは)みんなやってくると思うんで、そこの完成度は極めたいと思っています。

平昌五輪ではトップから銀…金メダルへのカギは「トリプルコーク1440」

2人の激闘といえば、記憶に残るのが、4年前の平昌オリンピック。当時19歳の平野選手は、決勝でオリンピック史上初となる連続4回転を完璧に成功させ、トップに。追い詰められた王者ショーン・ホワイト選手は3本目の最終滑走。

「金メダル!ショーン・ホワイト!」

平野選手を最後の最後で上回り、金メダルをもぎ取りました。あれから4年…悲願の金メダルに向け、平野選手は、ある“大きな進化”を遂げていました。

スノーボードジャーナリスト 野上大介さん:
間違いなく平昌(五輪)の時の平野歩夢の滑りよりも、高さは出せている。

そう語るのは、平野選手を10年以上取材しているスノーボードジャーナリスト、野上大介さん。

スノーボードジャーナリスト 野上大介さん:
元々歩夢の真骨頂は、やっぱりエアの高さだと思うので。さらにそれがやっぱり高く、エアが高くなってると思うんですよね。(平昌五輪の時と)同じダブルコーク1440でも、スムーズですし、余裕を感じられますし。(ジャンプの)精度っていうのも間違いなく高まっていると思います。

実際平野選手は地上から5mの高さ、地面(ボトム)からは12m以上の高さまで跳んでいます。さらに、平野選手が去年、公式戦で世界初成功させた大技「トリプルコーク1440」への期待も。

スノーボードジャーナリスト 野上大介さん:
トリプルコークは、やはり滞空時間が相当必要になる技なんですよね。そう考えると、精度っていうのも間違いなく高まっている。トリプルコークは、もう絶対的に出してくると思います。

“難度高い位置に” グラブに進化も

さらに野上さんが指摘したのはこの技だけではこれだけではありません。この4年間で進化したことがもう1つあるといいます。

まずこちらが平昌オリンピック時のシーン。注目なのは手。板の中央を掴んでいます。グラブ(※ジャンプ中に板を掴む動作)して回転。長く掴むことによって得点が沢山もらえます。

しかし、今回の公式練習の映像を見ると、中央ではなく後部を掴んでいます。(※ダブルコーク1440の中でグラブをテール側で行う技)この状況で回転した方が回転しづらいので、より高い得点がもらえます。ですが、9日の予選会ではこの技もトリプルコークもまだ未披露という状況なのです。

いよいよ、11日に行われる決勝。秘策を繰り出し、宿敵・ショーン・ホワイト選手を破り、金メダルの獲得が期待されます。

(めざまし8 2月10日)