お菓子を作れば即完売。リピーターが続出する大人気スイーツを生み出す、25歳のパティシエの菓子作りへの情熱とは。

即完売のお菓子を生み出すパティシエ

パティシエ・青木理花さん(25)。独自のスタイルで、作れば即完売のお菓子を生み出している。

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これまでに手掛けたお菓子は50種類以上。かわいいデザインと優しい味が、多くの人を魅了している。

客:
「飽きがこない」味。何回も食べたくなる

客:
もう7~8回は買っている

佐賀市にある、3坪ほどの小さな店。

平日の昼間でも長い行列ができる。

(Q.何時間前に並んだ?)
客:
1時間半前。じゃないと売り切れちゃうので

客:
本当は夜勤前で寝ておきたいけど…絶対ほしいと思って並んだ

あまりの人気に、一番驚いているのは本人だった。

青木理花さん:
いやー全然予想してなくて…作っても、作っても足りない状態

客のお目当ては自動販売機。1人で店を経営する青木さんが、少しでも多くお菓子を作るために考案した販売方法。

この日に用意したプリンとクッキー缶あわせて130個は、約1時間で完売した。

青木理花さん:
並んで買えなかったお客さんがいたときは本当に申し訳なくて…ありがたい気持ちでいっぱいです

幼いときからお菓子作りが大好き。高校生でパティシエを志し、専門学校へ。4年間の下積みを経て、2020年10月に「おやつやみみ」をオープンした。

こだわりの「プリン」…固めの食感ながら滑らかな舌触り

お菓子の材料には、強いこだわりがある。中でも「卵」は、仕入れ先の養鶏場まで自ら足を運ぶ。

青木理花さん:
すごく濃厚でおいしかった。(色が)すごく濃い。見てわかります

ビタミンとミネラルが豊富な濃いオレンジの卵。その味が最大限生きるのが、看板メニューの「プリン」。

青木理花さん:
プリンは世の中にいっぱいあるからこそ、『ここがおいしい』って言われたら本当にうれしい。試行錯誤して出来たレシピなので、今は自信持って出しています

最も悩んだのが「卵黄の量」。グラム単位で何度も微調整を重ね、たどり着いた配合。固めの食感ながら、滑らかな舌触り。卵の甘さとほろ苦いカラメルの相性は抜群。

予約の通知が鳴りやまない…1分で30人分「完売」

SNSを使い、店頭での予約販売もしている。アクセスの集中を避けるために、予約の開始時刻は「午後7時から9時の間」と正確には知らせていない。鳴りやまない予約の通知。1分間で30人分が完売した。

青木理花さん:
皆さんずっと(携帯を)見てくれていたんだなと思って…感謝の気持ちでいっぱいです

翌日の店頭販売。運良く予約できた客が続々と訪れた。

客:
きのうは(予約開始の)時間が決まってなかったので、5分おきぐらいにチェックしていた

客:
(予約できた時は)うれしくて飛び跳ねていた。子どもたちもプリンは一気に食べちゃう。くどくなくて何個でもいける

1人で店を切り盛りする青木さんだが、従業員を雇ったり、店の規模を大きくしたりする考えはない。

青木理花さん:
この業界は辞めていく人もすごく多い。その中でいかに楽しくお菓子を作り続けられるか。お菓子にもその気持ちが伝わると思うので

夢の実現のため…休日もケーキ屋めぐり

たまの休日は、ケーキ屋やカフェをめぐるのが何よりの楽しみ。

(Q.普段お菓子やケーキを作っているが飽きはしない?)
青木理花さん:

全然飽きない。ケーキ屋によっていろいろな味や食感が違って、すごく勉強になる

半分ほど食べ終えると、紙とペンを取り出した青木さん。

勉強熱心な裏には、まだ叶わない夢があった。

青木理花さん:
元々は“カフェ”を開こうと思って、いろいろ考えていたんですけど。コロナもあって、イートインよりテイクアウトで購入できる方がいいのかなと

一度は断念したものの、将来は自分のカフェを開業させたいと考えている。その夢を見据え、青木さんはすでに動き出している。地元のショップに依頼し、お菓子に合う独自のコーヒーも開発した。

青木理花さん:
自分がやれるペースで楽しく仕事できるように。自分のペースでお菓子作りしたい

あくまで、楽しくマイペースに。25歳のパティシエが描く次のステージを、誰もが待ち焦がれている。

(サガテレビ)

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