2017年「君の膵臓をたべたい」で数々の映画賞を受賞し、高校卒業後はドラマ7本・映画5本で主演するなど大活躍の女優・浜辺美波、21歳。

2021年12月には「VOCE」の最も美しい人に選ばれました。今回の「エンタメ社会学」では、世間が注目する人気女優・浜辺美波の魅力と知られざる素顔に社会学者・古市憲寿が迫ります。

順風満帆ではない!? 浜辺美波の役者人生に迫る

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古市憲寿:
自分の俳優としての強みって何だと思いますか?

浜辺美波さん:
顔に特徴が無いので、メイクや髪形とかで大きく変化するため、ほんとにいろんな作品ができるなって思います。

古市憲寿:
じゃあ演技で苦労はしないタイプですか?

浜辺美波さん:
すごく不器用なので、こういう役でこういう設定でっていうのをとにかく染み込ませて、なんでも気合だと思っています。

メイクや髪形で印象をガラリと変え、様々な作品で輝きを放つ浜辺さん。世間が注目する人気女優の魅力に迫ると、知られざる素顔が見えてきました。

2011年、浜辺さんは10歳のときに「東宝シンデレラ」オーディションに参加。

浜辺美波さん:
質疑応答とかがまず苦手でしたし、特技披露して下さいとかも特技なかったから…。

古市憲寿:
特技、その時はなんて言ったんですか?

浜辺美波さん:
みんな歌を歌ったり、ダンスしたり、朗読したりとかしてたんですけど。「無いです。見せられるものなんて無いです」って言って、一切やりませんでした。

それでも、そのオーディションでニュージェネレーション賞を受賞し、芸能界入り。

古市憲寿:
オーディション後はでも、トントン拍子だったんですか?

浜辺美波さん:
いや、大きい声出すのも苦手だし、笑うのも苦手だったんで、なかなか苦戦しましたね。結局、1個とか2個しかオーディション受かってないと思います。

意外にも浜辺さんの役者人生は順風満帆ではなかったのです。

女優人生の転機は「賭ケグルイ」 監督が明かす意外な秘話

そんな浜辺さん自身が「転機になった」と話すのが、ギャンブルにとりつかれた女子高校生役を演じ、振りきった演技が話題になった「賭ケグルイ」。

古市憲寿:
賭ケグルイの英勉監督に話を聞いてきたんですけど。ドラマ「賭ケグルイ」の撮影前に初めて会った時に「どこまでやれますか?」と聞いたら、「どこまででもです」って答えたっていう。「どこまででもです」って、ちょっと言いにくくないですか?

浜辺美波さん:
英さんがすごい試すような口調で言うんですよ。「お前どこまでやれるん?」みたいな感じで。どこまでやれるん?夢子(役名)。みんなやるけど「どこまでやれるん?」って感じで言うんで、頑張んなきゃなっていう意味で「どこまでもです」と答えました。その時はもう気合い十分でした。

古市憲寿:
賭ケグルイの現場(のこと)で英さんからお話聞いたのは、犬がおなかを壊してて、だから今日の撮影早く終わりたいんですって浜辺さんが言ったと。

浜辺美波さん:
ちょっと待って!英さん本当にもう…冗談ですよ?あの賭ケグルイの現場ってすごく仲が良くて、そういうのも言えちゃうんですよね。別にそんなたいしたあれじゃないんですけど、ちょっと緩いから心配なんですよ。今日早く終わったらいいですねーって軽口を叩けるぐらい、チームワークが良いって事です。

また、浜辺さんがこの役を受けたのには、意外な理由がありました。

「作品の幅を広げるため」戦略的な一面も

古市憲寿:
でもキャラクターとしては、結構なエキセントリックっていうか、なかなかのキャラクターじゃないですか…。そういう事をやるのは抵抗感なかったんですか?

浜辺美波さん:
そうですね。病気の役をやった後でその印象が強かったので、ここをやりきることでこれからの私の頂ける作品の幅が決まってくると思って賭けてたので。私もむしろ是非っていう感じでした。

古市憲寿:
そういう結構、冷静な計算があったんですね

浜辺美波さん:
なるべく被らないように作品は選んでいます。これからもっともっと広げていきたいので、これからも考えて選んでいけたらなと思っています。

そんな浜辺さん、ドラマや映画の撮影に入ると、ある変化が起こるそうです。

古市憲寿:
じゃあ撮影期間中って結構その役に入り込んじゃうっていうか、影響される方ですか?

浜辺美波さん:
現場じゃないときはあんまり引きずることはないんですけど、表情であったりとか人との距離感とかは結構、ずーっと影響されちゃって。顔の作りとか輪郭とか目の吊り具合とか変わるなって、自分でもそこは思います。賭ケグルイの時、目すごく吊るんですよ。

古市憲寿:
面白いですね。じゃあ今はドクターホワイト中だから、ちょっと何無機質な感じ?

浜辺美波さん:
そうです。まさに無機質で、ある意味子どもっぽい感じに出来上がってるなって思います。幼い感じだと思います。

浜辺さんが「ドクターホワイト」で演じているのは、記憶が無く、正体不明ながらも医療知識は豊富という役どころ。

古市憲寿:
病気の名前とか結構、台詞が長いじゃないですか?あれはもうすんなり覚えられるんですか?

浜辺美波さん:
すごく台詞覚えが遅いわけではないんですけど、医療用語であったりとか、推理台詞とかっていうのは毎回書いて覚えてます。やっぱり最初にこれ言って説明して、最後まとめみたいな。その構成で覚えるとすごく覚えやすくて。

浜辺美波が古市を観察!お互いの印象は?

古市憲寿:
もしもこの仕事をやってなかったらこういう仕事とか、こういう事やりたかったなみたいな事って何かあるんですか?

浜辺美波さん:
本当は少しだけ大学。キャンパスライフっていうものに憧れました。心理学とかちょっとふんわり興味があります。

古市憲寿:
結構人の事を観察しちゃってますか?

浜辺美波さん:
うーん、対人だと。敏感になりすぎるとね、この方体調良くないな?とか思っちゃうと疲れちゃうので。

古市憲寿:
心配してあげる方で?

浜辺美波さん:
そうなんです、そうなんです。今日あんまりちょっとご機嫌よろしくないかしら?とか思うとちょっと自分が左右されちゃうので、ある意味で鈍感なんですけど。1対1で話すと、ちょっと見るようにはしてますね。

意外にもたくさん話してくれた浜辺さんに、古市を間近で観察してみての印象を聞いてみました。

浜辺美波さん:
最初、遠くから見た時は穏やかそうな方だったんですけど、カメラが回り始めるとちょっとだけ目が真剣になって、本当に笑うときと笑ってないときの…口角上げてるだけの時があるから。でもそんなに、動画とかで見るよりすごく、全体的にすごく優しい質問でした。

一方、古市に浜辺さんの印象を聞いてみると「ちゃんと考えていて知的で賢い人。あざとくも一切見えないから、心根が優しい人だと思った」と話していました。

(めざまし8 「エンタメ社会学」1月27日放送より)