医療従事者だけでなく、一般の人達を含めて濃厚接触者の“待機期間の短縮”について政府でも検討が進められています。めざまし8では、新型コロナウイルス分科会のメンバーや専門家とどのように社会活動を維持しながら感染抑止をするか議論しました。

過去にはインフラに影響も… 沖縄県 “毎日検査”で勤務可能に

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2020年の12月、地下鉄都営大江戸線の運転士がコロナに感染し、濃厚接触者を含め21人が欠勤。その影響で通常の7割程度の運行になり、インフラへの影響が生じました。そして現在、沖縄県では600人以上の医療従事者が欠勤を余儀なくされる事態となっています。

コロナ感染や濃厚接触などを理由に欠勤している医療従事者は、1月6日に220人であったのが、12日には628人に。3倍弱の数字になっており、かなり増加しています。

こうした状況を鑑みて後藤厚生労働大臣は、「濃厚接触で医療現場の維持が大変難しくなっている。沖縄の要請もあり毎日検査を行うことで、勤務可能になる」と発言しました。

さらに、濃厚接触者の隔離期間短縮を、一般の方にも当てはめることができるのか。実際にどれくらい緩和するべきなのか。新型コロナ分科会メンバーである小林慶一郎氏に話を聞くと…

テレワーク徹底の必要性…「人員補充を早い段階から決めて」

新型コロナ分科会メンバー 小林慶一郎氏:
政府の中でも検討されているように、隔離期間を半分くらい、5日間とか7日間程度。あるいは検査を毎日すれば、隔離しなくても働いていいといような措置をするべきなのではないかなと私も思っています。また、一般の事業者について言うと、濃厚接触者の問題以前に、テレワークの徹底というものをもっとしていくことが必要だろうと思います。
また、欠勤が沢山出るということを想定して、いまの段階から事業継続計画、欠勤者が出た時にどうやって人員を補充していくのかと人を補充するための計画を、早い段階で立てておく必要があると、そういう状況なのだと思います。

新型コロナ分科会メンバー 小林慶一郎氏:
いずれにしても、3月になれば状況は変わると思います。ようするにワクチン接種の分散接種が進みますし、3月にはファイザーの治療薬、飲み薬の普及も進んでくると思いますので、とりあえず1月2月をどうやって乗り切るのかということに、我々は注力しなければいけないということだと思います。

さらに、濃厚接触者だけではなくて、陽性者で症状がおさまった人への隔離期間短縮の検討はされているのかという疑問に対しては…

新型コロナ分科会メンバー 小林慶一郎氏:
ウイルスがなくなるまでの期間が非常に早いです。いままでのものだと8日間くらいかかったものが、オミクロン株だと5日間というふうに短くなっているはずですので、早めに症状がなくなって改善すれば職場復帰するという体制も作れるのではないかというように思います。

そして、昭和大学医学部客員教授の二木芳人氏は“隔離期間短縮”についてこのような見解を示します。

無症状者の存在から“検査の重要性” 医療ひっ迫の回避は?

昭和大学医学部客員教授 二木芳人氏:
まず1つだけは言っておきたいことは、やはり感染者数の急激な増加っていうのは、医療現場に対する影響も大きいですので、ある程度感染者数を急激に増やさないというような努力も必要であろうというように思います。それから、いまの隔離期間ですけど、14日間というのは、確かに長すぎるような気がします。ですが、潜伏期間が3日、ウイルスが5日ということで、そこで切ってしまうというのは、非常に短絡的だと思いまして、まだまだエビデンスとして不十分です。ですから、もし短縮化していくのであれば、必ず検査を併用して検査で陰性を確認した上で、そういうような形で隔離解除していくと。

昭和大学医学部客員教授 二木芳人氏:
それから、潜伏期間3日、もし発症する人はそれで発症するしないわかるんですけども、発症しないひと沢山居る訳です。そうすると、そういう人たちは潜伏期間3日だけみても分からない訳ですから。やはり検査が必要になります。ですから、5日で切るか7日で切るか、そこのきちんとした根拠を出すためにも検査をしっかりして確認した上で少しずつ短くしていくってことは、わたくしもそれは否定しません。

“感染者増加の抑制”、“検査の重要性”を訴えました。
小林氏も「自発的な情報効果」という言葉を用いて、行動変容の重要性を解説します。

新型コロナ分科会メンバー 小林慶一郎氏:
医療のひっ迫をどうやって避けるかというのが大事なテーマなのです。
その時に我々、特に経済学者のメンバーが考えているのは、医療ひっ迫のスピードがどうなっていくのかということを正しく国民に伝えることによって、国民が自発的に行動を変えていくという、自発的な情報効果というように我々呼んでいますけども、それが重要だと。ですから、飲食店に対する制限を強化するというよりも、むしろ人々に正しい情報を伝えることによって、そして行動を変えてもらうという情報効果を重視するべきじゃないかといいうことを我々は主張しているところであります。

国民に正しい情報を伝えて、国民が自発的に行動を変化させるようにすることが大事であると強調しました。

(めざまし8 1月13日)