犬の殺処分数はゼロも 飼育放棄や遺棄が深刻化

家族の一員として可愛がられるペットがいる一方、人間の身勝手な都合で捨てられる犬や猫も後を絶たない。長崎市の動物愛護ボランティア団体は「安易な気持ちでペットをプレゼントしないで」と呼びかけている。

2021年の師走の街で道行く人たちに呼びかけるのは、動物愛護ボランティア団体「長崎ライフオブアニマル」。

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長崎ライフオブアニマル・木村愛子代表:
クリスマスやお正月を控えているということで、ペットをプレゼントされる人もいると思う。慎重に考えて贈るのはいいが、ペットを贈ることを安易に考えて、可愛いから、寂しいからとプレゼントしようという人も結構いる。“衝動買い”というのを危惧している

代表の木村さんの元には「手がかかると思わなかった」「手に負えない」という相談も多く、ペットを飼うには「命を迎える」覚悟が必要と訴えている。

長崎市では犬の殺処分数は2014年度からゼロで、猫も年々減少しているが(2020年度の殺処分467匹)、ペットの飼育放棄や遺棄、野良猫の繁殖などの問題が深刻化している。こうした状況の改善を図るため、長崎市は県内初となる「動物愛護条例」の2022年7月の施行を目指している。

顔に毛が覆いかぶさりボロボロ…悪質なブリーダー業者も

長崎ライフオブアニマルが運営する保護施設の「ティアハイム」には現在、約50匹の保護犬がいる。

ボランティアスタッフとともに食事や散歩にブラッシングと、1日が目まぐるしく過ぎていく。

長崎ライフオブアニマル・木村愛子代表:
本当に休みがない。でも、動物を飼うというのはそういうこと。休みはない、なかなか旅行もいけないとか、動物を飼うということはやっぱり覚悟がいる

施設にいるトイプードルのメス「ハニー」は、両目とも見えておらず、音と匂いだけが頼り。ブリーダーの元で子犬を産むために飼われていた「繁殖犬」で、11月に保護された。

トイプードルのメス・ハニー

長崎ライフオブアニマル・木村愛子代表:
ボロボロだった。顔も毛が覆いかぶさっていたし、高齢でもう出産ができないということで保護した。太陽の光を浴びて、匂いをかいで…犬らしい時間というのは、ハニーは初めてではないかな

悪質なブリーダー業者の存在も見え隠れしていて、木村さんは「純血種を望む場合は、親犬や施設の状態をきちんと確認してほしい」と呼びかけている。

保護犬は譲渡後も見届ける「これから幸せになるか私にも責任」

長崎ライフオブアニマルが欠かさないことがある。保護犬を迎える家庭との面談だ。犬の譲渡では必ず2週間のお試し期間を設けて、本当に飼えるのかを確認している。

譲渡先・田口美和子さん:
一緒にベッドで寝たけど夜中にウロウロすることもなく、朝まで私の横でスヤスヤ寝ていたので大丈夫そうだなって

長崎ライフオブアニマル・木村愛子代表:
あら~よかったね~

13年飼っていた犬が2021年8月、天国に旅立ったという長崎市の田口さん。保護犬の存在を知り迎えようと決意した。

田口美和子さん:
今からもっと楽しいことしようね。もっと幸せになろうねという意味で「モア」と名付けました

モアも以前は繁殖犬で、家庭でペットとして飼われるのは初めて。

田口美和子さん:
この子がいるおかげで笑顔になって癒されて、幸せな日々が過ごせたら

長崎ライフオブアニマルは、いったん保護した犬は飼い主に譲渡したあとでも最後まで見届けることにしている。

長崎ライフオブアニマル・木村愛子代表:
その犬がどうしているかな、これから幸せになってくれるかなというのは、私としても責任がある。譲渡したら終わりではなく、末永く付き合って、命が終わる時に幸せだったって思えるように

不幸な犬を少しでも減らしたい。木村さんたちの活動は、これからも休みなく続いていく。

(テレビ長崎)

記事 421 テレビ長崎

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