東地区9位の横浜ビー・コルセアーズは2日、ホームで西地区6位の大阪エヴェッサを92-67で下し、新年を白星スタートとした。

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12月に特別指定選手として加わったばかりの東海大学2年の河村勇輝(20)が4試合目で17得点9アシスト、2スティールと早くも主力級の活躍で今季初となるMVPに選ばれた。

「自分はまだ合流して間もないのでやれることは限られている。アグレッシブにドライブすることだったり、オールコートで相手のガードの選手にプレッシャーをかける、この2つの部分にフォーカスしながらやっていった。そこが今日は良かった」

第1クォーター途中に登場した河村は相手ガードにアグレッシブなディフェンスを展開。チームでも強度の高い守備で大阪をわずか7点に抑え主導権を握った。

オフェンスでの手ごたえも口にする。

「リング付近でのシュートの精度はよくなっているしバリエーションも増えている」

第2クオーター開始早々、美しい放物線を描いたボールがリングに吸い込まれていった。河村が3ポイントシュートを射抜き、この試合最もアリーナを沸かせた。

第4クオーターには、スティールから相手も追うのを諦める速さでレイアップを沈めた。チームの得点源パトリック・アウダとの息の合った華麗なアシストも見せた。

勝負どころでも起用に応え続ける河村、気が付けばプレータイムは今季最長の21分32秒に、昨季は1試合平均6得点だった得点も17点にまで伸びていた。

白星スタートとなった2022年に、「まずは1年間ケガなくやりたい。(昨年末)西地区1位の琉球戦から合流して負けたのが悔しかったがいい負けだった。強豪相手でも勝つことができることを見せていきたい。プロの中でやらせてもらっている以上、1試合でも多く試合に出場してビーコルの勝利に貢献していきたい」と試合後に新年の抱負を口にした。

また、大学での目標については「Bリーグでの経験を東海大でのプレーに還元していきたい」とし、さらに翌2023年のワールドカップに向けても「いち早く日本代表でプレーするのが夢であり目標でもあるので、Bリーグで一つ一つ着実にプレーしながらアピールしていきたい」と夢の代表入りに意欲を見せる。

青木勇人ヘッドコーチ(47)も「これまで培ったバスケットIQとテクニックを発揮してくれている。昨季も特別指定選手として横浜にいたのが大きい。周りのメンバーがプレーしやすい環境を作ってくれている。周りの選手への影響も大きく、チームとして欠かせない存在」と高く評価した。

向かい風を受けても、風を読み帆を操ることでジグザグと前に進む海賊船。

「ここからもう少し勝ち星を積み上げ上位を脅かしチャンピオンシップに絡んでいきたい」と指揮官。

2022年の航海も、河村と少しずつ前に進んでいく。

横浜ビー・コルセアーズ92-67大阪エヴェッサ
(2日・横浜国際プール)

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。