バスケットボール女子の「第88回皇后杯全日本バスケットボール選手権大会」は、15日(水)16日(木)に準々決勝、18日(土)に準決勝、19日(日)に決勝戦が行われ、頂点が決まる。
昨年はENEOSサンフラワーズが、大会タイ記録となる8連覇を達成。
今回は16日に行われた準々決勝2試合を詳報する。
12戦全勝のデンソーに挑む日立ハイテク
準々決勝第3試合は、デンソーアイリスvs日立ハイテククーガーズ。

12月4日(土)5日(日)に対戦していて、1週開けての再戦となった。
ここまで12戦全勝と圧倒的な強さを見せるデンソーに、6勝4敗の日立ハイテクが挑む形となったこの試合。Wリーグのレギュラーシーズンでの対戦成績は、デンソーの2勝だ。

立ち上がりはデンソーアイリス、髙田真希選手や本川紗奈生選手を起点に、得点を重ねていく。日立ハイテクは谷村里佳選手や白鞘郁里選手などが何とか繋ぐが、なかなか自分たちの流れに持っていくことができない。
第2クォーターはデンソー篠原華実選手が3ポイントシュートを3本沈め、引き続きリードを奪う。デンソーはこのクォーター23得点とリードを広げ、38-22で前半終了。
後半もなかなか得点に繋げられない日立ハイテク。3ポイントシュートも決まって来ず、この試合25本の試投数に対し、決まったのは1本。

一方のデンソーは、篠原選手の3本を筆頭に計8本を沈めた。日立ハイテクは谷村選手が18得点と健闘したが、デンソーはディフェンスでも強さを見せ、71-43で試合終了となった。
デンソー・髙田が18得点 今年こそ頂点へ
この試合も髙田選手の存在感は光り、16得点とチームを牽引した。東京オリンピック代表メンバーで銀メダル獲得の立役者でもある髙田選手。デンソーアイリスとしての優勝はまだ未経験だ。

今年こそ、という想いはきっと人一倍強いはずである。この試合はベンチスタートとなった渡部友里奈選手が11得点、篠原選手が9得点と奮闘した。
この日はあまり得点が伸びてこなかったが、赤穂さくら選手、ひまわり選手の赤穂姉妹、起点となる本川選手の活躍も、勝ち進むには必要な要素となってくる。今年こそ、今度こそ、デンソーが女王の座を獲得できるか。
デンソーアイリスは18日(土)準決勝の第2試合で富士通レッドウェーブと対戦する。
富士通 勝負どころで五輪代表メンバー躍動

準々決勝第4試合は、トヨタ自動車アンテロープスvs富士通レッドウェーブ。
Wリーグのレギュラーシーズンではいまだ対戦がない両者だが、日本代表メンバーが揃うチーム同士の対決は、混戦が予想された。

12戦全勝の富士通に対し、昨年Wリーグ初制覇を果たしたトヨタ自動車は9勝1敗。また、トヨタ自動車は昨年の皇后杯ではENEOSに決勝で敗け、準優勝。そのリベンジを果たす大会ともなっている。
試合の立ち上がりはトヨタ自動車ペース。長岡萌映子選手の気迫溢れるプレーでリードを奪う。

富士通は最初の10分、町田瑠唯選手の得点、内野智香英選手の3ポイントシュートの5得点にとどまった。第2クォーターに入ると富士通は自分たちのリズムを取り戻し、徐々に追い上げていく。
町田選手が3ポイントシュートを2本沈めるなど、得点を重ねてく一方、トヨタ自動車はディフェンスで粘りを見せるが得点が伸びてこず、30-28で前半終了。

後半に入り、富士通はオコエ桃仁花選手が得点、そして篠崎澪選手のシュートでついに逆転に成功。トヨタ自動車はタイムアウトで修正を図るも、得点には繋がらない。馬瓜エブリン選手がバスケットカウントをねじ込むがこのクォーター、富士通は7得点。
富士通リードの展開で迎えた最終クォーター。ディフェンスでも富士通はトヨタ自動車を圧倒していく。さらに篠崎選手の3ポイントシュートで点差は2桁に。トヨタ自動車は後半のタイムアウトを使い切り、選手の交代も交えながら応戦していくが富士通が62-55とそのまま勝利、準決勝進出を決めた。
世界の町田がチームを勝利へ導く
「アシストだけじゃないというところを見せたい」
Wリーグの開幕会見でこう話した町田選手。

東京オリンピックでアシスト記録を樹立し、その注目が集まる中でのこの発言に、更なる活躍を期待してしまったのは私だけではないだろう。
この日もここぞという時にチームを救ったシュートはしっかり決まって17得点、アシストは6本という活躍だった。

さらには、町田選手と同じく、逆転のシュート、勝負どころでの3ポイントシュートを沈めた篠崎選手は15得点、リングにアタックし続けたオコエ選手も15得点と勝利に貢献した。

東京オリンピック5人制代表の町田選手、オコエ選手、3人制代表の篠崎選手がこの試合の勝利を大きく手繰り寄せた。14大会ぶりの優勝へ向かって進んでいく。
18日(土)の準決勝第2試合は、富士通とデンソーアイリスが対戦する。
(写真提供:JBA)