12月15日(水)に始まった「第88回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」のファイナルラウンド。ベスト4が出揃い、決勝戦に駒を進める2チームを決める準決勝が「バスケの聖地」国立競技場第二体育館で18日に行われた。

チーム史上初のベスト4進出を果たした、トヨタ紡織サンシャインラビッツ。皇后杯では前人未到の9連覇を目指すENEOSサンフラワーズ。悲願の初優勝なるかデンソーアイリス。14大会ぶりの優勝を目指す富士通レッドウェーブ。今年はこの4チームが残った。

トヨタ紡織vsENEOSの結果は…

皇后杯史上初ベスト4に進出を果たしたトヨタ紡織
皇后杯史上初ベスト4に進出を果たしたトヨタ紡織
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準決勝第1試合は、トヨタ紡織vsENEOS。Wリーグのレギュラーシーズンでの対戦成績は、ENEOSの2勝。今シーズン3回目の対戦が、皇后杯準決勝の舞台となった。

皇后杯前人未踏の9連覇を目指すENEOS
皇后杯前人未踏の9連覇を目指すENEOS

試合は立ち上がりからENEOSがリード。全員が9連覇への気持ちを全面に出す展開となった。

対するトヨタ紡織は早めのタイムアウトで修正を図るが、エース東藤なな子選手が最初の10分で個人ファウル3つ。トヨタ紡織は、昨年の新人王・平末明日香選手が連続得点で繋いでいくもののENEOSペースは変わらず。渡嘉敷来夢選手、岡本彩也花選手と連続で3ポイントシュートを決めるなど、トヨタ紡織を突き放しにかかる。

果敢に攻めた東藤なな子選手
果敢に攻めた東藤なな子選手

ここで東藤選手が個人ファウル4つとなり、攻守で活躍をみせていた加藤優希選手も4つと、トヨタ紡織はファウルトラブルにも見舞われた。前半の最後はENEOS・高田静選手が決めて、43-28とリードを広げて終える。

昨年の新人王・平松明日香選手
昨年の新人王・平松明日香選手

後半もENEOSはエナジー全開。

準々決勝から強さを見せる渡嘉敷来夢選手
準々決勝から強さを見せる渡嘉敷来夢選手
リードを広げるENEOSのキャプテン・岡本彩也花選手
リードを広げるENEOSのキャプテン・岡本彩也花選手

林咲希選手の“落ちない”3ポイントシュートは見事で、この試合4本打って4本、100パーセントの確率で沈めている。トヨタ紡織は平末選手が繋ぎ、流れを引き寄せたいところで、ENEOSはスタートの5人にメンバーを戻し、しっかりペースを保った。そのまま最後までしっかり集中して79-62で勝利、前人未到の9連覇へあとひとつとした。

3pt4本 100%の確率で沈めたENEOS・林選手

4本中4本、100%の確率で3ポイントシュートを決めた林咲希選手
4本中4本、100%の確率で3ポイントシュートを決めた林咲希選手

この試合16得点の林咲希選手は、4本の3ポイントシュートを100パーセントの確率で沈めている。渡嘉敷選手や梅沢カディシャ樹奈選手のインサイドにディフェンスが寄ったところを、外のシュートを決め切った。

東京オリンピックの準々決勝ベルギー戦、試合終了間際に決めた逆転の3ポイントシュートで日本を勝利に導いたその武器で、今度はチームを頂点へと押し上げていく。

デンソーアイリス悲願の初優勝へあと1勝

悲願の初優勝を目指すデンソー
悲願の初優勝を目指すデンソー

準決勝第2試合はデンソーvs富士通。今年のWリーグ、レギュラーシーズンでの対戦はないが、両者ともいまだ負けなし、12戦全勝同士の注目の一戦となった。

立ち上がりで得点を重ねた宮澤夕貴選手
立ち上がりで得点を重ねた宮澤夕貴選手

立ち上がりは拮抗した展開に。デンソー本川紗奈生選手が3ポイントシュート、さらにはスティールから速攻と得点を重ねると、富士通宮澤夕貴選手も決め返すなど、集中力の高さが伺えた。第1クォーターは16-13とデンソーがリードして終えた。

第2クォーターの入りは徐々にデンソーがペースを掴んでいく。しかし残り5分あたりで、富士通もオコエ桃仁花選手、内尾聡菜選手と得点を重ね、2点差にして、デンソーのタイムアウトを誘う。しかしデンソーが再び突き放し、33-24で前半終了。

第4クォーターで点差を縮めた岡田英里選手(12月16日、トヨタ自動車戦より)
第4クォーターで点差を縮めた岡田英里選手(12月16日、トヨタ自動車戦より)

後半は富士通も点差を縮めていくが、デンソーはリードを渡さない。富士通はオコエ選手が個人ファウル4つとしながらも奮闘する。

第4クォーターに入り富士通、岡田英里選手がバスケットカウントを沈め5点差になるも、赤穂ひまわり選手が3ポイントシュート、髙田真希選手がシュートを決め再び10点差。稲井桃子選手がダメ押しの3ポイントシュートを沈め、58-45。

ここからもデンソーはしっかりと得点を重ね、ディフェンスでも強さを見せる。最終スコアは70-53。デンソーアイリスが悲願の初優勝へ王手をかけた。

ひとつのスティールが大きなポイントに

チームに勢いを与えた本川紗奈生選手(12月16日、日立ハイテク戦より)
チームに勢いを与えた本川紗奈生選手(12月16日、日立ハイテク戦より)

インパクトが大きかったのは序盤の1プレー。試合の立ち上がり拮抗した展開の中、デンソー本川選手のスティールから得点へと繋げたこのプレーはチームに勢いをもたらした。さらには3ポイントシュート4本を含む18得点と勝利に大きく貢献。

安定した活躍を見せた髙田真希選手
安定した活躍を見せた髙田真希選手

また、髙田選手も安定した活躍を見せ、16得点。ENEOSの9連覇を阻止、そしてデンソーアイリス悲願の初優勝となるか注目が集まる。

前人未到の9連覇を目指すENEOSサンフラワーズと、初優勝をかけて戦うデンソーアイリスの対戦は19日15時から始まる。

(写真提供:JBA)

船岡未沙希
船岡未沙希

東京フイルム・メート フリーランス 実況 インタビュー newsアナ
唐津生まれ魚育ち🐟
バスケと浜田省吾さんをこよなく愛しています✌︎
両膝前十字靭帯断裂→明治大学男子バスケ部主務🏀
スポーツと虎と料理と読書とHUMMERが好き
今年の目標は船舶免許を取ること⛴
私は本物になりたい◎
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