米国ワシントン:「踏み絵」

「民主主義」国家の結束を促そうとバイデン大統領が呼びかけた民主主義サミットですが、思惑通りの効果が得られるかは不透明です。
バイデン大統領:「第一回民主主義サミットにようこそ」
111の国と地域の首脳が招待された前例のない今回のサミット。

ワシントンの専門家は、その狙いはズバリ中国包囲網だと指摘します。
国際民主主義・選挙支援研究所(IDEA)シルバ・リアンダー氏:「中国を締め出し、孤立させ世界の民主主義国が統一された戦線を作る試みといえる。」
外交筋からは「招待国と排除された国の線引きがあいまい」という声や、北京五輪の外交的ボイコットを「踏み絵」にすれば「かえって敵を作ってしまう可能性がある」との懸念が出ています。

111の国と地域の首脳が招待された民主主義サミット
111の国と地域の首脳が招待された民主主義サミット
この記事の画像(15枚)

中国北京:政治色強める五輪

アメリカやオーストラリアに続きイギリスやカナダが「外交的ボイコット」を表明し、開幕まで2カ月を切った北京オリンピックはにわかに政治色を帯びてきました。中国政府による人権侵害などを理由に、北京オリンピックの「外交的ボイコット」が表明されたことに、開催国の中国は強く反発。
趙立堅 報道官:「アメリカはその間違いの代償を払うことになるだろう」

中国側は「アメリカに断固とした対抗措置をとる」と警告しましたが、2022年秋の党大会で異例の3期目入りを目指す習近平国家主席にとって、オリンピックの成功は絶対です。強気の姿勢の一方で、外交的ボイコットの影響は最小限にしたいのが本音ですが、今後の対応は予断を許しません。

各国の外交的ボイコットに強く反発する中国
各国の外交的ボイコットに強く反発する中国

韓国:「韓国国民が危ない」

韓国では新型コロナウイルスの再拡大に歯止めがかかりません。こちらは韓国の有力紙ですが、これまで文大統領が世界に誇ったK防疫について『崩壊する』と報じるほどです。韓国では新型コロナウイルスの1日の感染者が連日7000人を超え、重症者も過去最多を更新し続けています。オミクロン株への感染者も12月9日までに63人と、市中感染が起きています。

病床は逼迫し、医療体制も崩壊寸前で感染者の死亡率はこの5カ月間で14倍に上昇しています。
「韓国国民が危ない」とメディアが警鐘を鳴らす異常事態。K防疫はまさに「風前のともしび」で先行きが見えない状態が続いています。

K防疫について『崩壊する』と報じる朝鮮日報
K防疫について『崩壊する』と報じる朝鮮日報

米国ハワイ:真珠湾攻撃から80年

式典が行われたのは真珠湾に浮かぶフォード島です。そのすぐ目の前には激しい爆撃で沈没した戦艦アリゾナの記念館が見えます。旧日本軍によるハワイの真珠湾攻撃から80年。現地では日本とアメリカが共同で主催する追悼式典が開かれました。真珠湾攻撃では日米合わせて2500人近くが犠牲となり、5年前から始まった共同の式典では君が代も演奏され、日米双方の犠牲者に祈りが捧げられました。

日米双方の犠牲者に祈りが捧げられた
日米双方の犠牲者に祈りが捧げられた

日系アメリカ人の退役軍人(96):
「日本の若者もアメリカの若者も、世界で何が起きていたか学んで欲しい。恐ろしい戦争を二度と繰り返さないために」)
式典で、在ホノルルの青木総領事は「真珠湾が和解と友情のシンボルとして世界中で記憶されることを祈りたい」と演説し、日米の団結を強調しました。

両親の故郷・沖縄へ派兵された経験を持つ退役軍人は・・・
両親の故郷・沖縄へ派兵された経験を持つ退役軍人は・・・

カザフスタン:「本当に宇宙はあった」

ZOZOの創業者・前澤友作さんたちを乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」の打ち上げが成功しました。ごう音とともに雲を突き抜けるロケット。前澤さんたちがわずか9分で宇宙に到着すると、見学エリアは歓声に包まれました。しかも、風で流れたロケットの煙が偶然、前澤さんのイニシャル「M」と同じ形になる”おまけつき”でした。

風で流れたロケットの煙が偶然「M」に!
風で流れたロケットの煙が偶然「M」に!

見学した子ども:「迫力満点」「エンジンの噴射されているところが(漫画・ドラゴンボールの)かめはめ波みたいでかっこよかった」
ISS=国際宇宙ステーションに到着後、「本当に宇宙はあった」と満面の笑みで無重力空間を楽しむ前澤さん。地球への帰還は12月20日の予定です。

見学した子どもたちは・・・
見学した子どもたちは・・・

米国NY:「先制攻撃」

「オミクロン株」への感染がアメリカでも相次ぐ中、市は全ての民間企業の従業員にワクチン接種を義務づける、全米初の対策に踏み切りました。
NYデブラシオ市長:「これは問題が深刻化する前の先制攻撃で、有効な手段を使う。ワクチンだ」

アメリカでは従業員100人以上の企業にはワクチン接種義務がありますが、ニューヨーク市は12月27日から、対象を全ての民間企業に拡大すると発表。これを受け「駆け込み接種」をする人が増えています。
市民:「接種を求められ、タイミングを図っていたが、今だと思って来た」

また、14日からは屋内施設を利用する際の接種証明が5歳以上にも求められます。「不意打ちだ」との反発もある中、市長は「コロナとの闘いにおける中心兵器はワクチンだ」と強調しています。

先制攻撃だと話すNYデブラシオ市長
先制攻撃だと話すNYデブラシオ市長

トルコ:リラの暴落

こちら、トルコの最高額紙幣、200リラです。2009年1月に発行された際、日本円で1万2000円ほどでしたが、現在、およそ1600円まで下落しています。リラはドルに対しても年初から4割以上急落して史上最安値を更新し、物価上昇率は20%を超えました。

かねてから金利を「邪悪」とみなし、中央銀行に利下げ圧力をかけ続けてきたエルドアン大統領。過去2年半で3人の中銀総裁が解任され、12月に入ると財務相が辞任するなど混乱が続いています。国内では抗議デモが散発し、市民の怒りは高まる一方です。2023年の再選に向け、難局を乗り切ることができるのか、エルドアン大統領の手腕が問われています。

市民の怒りが高まり抗議デモが散発
市民の怒りが高まり抗議デモが散発

英国:ロブスターにも痛覚?!

ロブスターを生きたまま茹でるのはダメになる?イギリス政府が発表した報告書が波紋を呼んでいます。政府は11月、専門家に委託した研究で甲殻類や軟体動物にも人間と同じように痛みや苦しみを感じる知覚があることが確認された、と発表しました。動物福祉の担当相はこれらの生き物も動物福祉法の対象に含めるべきだと述べ、生きたままゆでたり、バラバラにする調理法が禁止される可能性が出ています。

市民:「私は全ての生き物が感覚を持っていると思う。不必要に残酷な調理をされるべきではないわ。」
クリスマスのディナーとしても人気の高いシーフード料理。今後、イギリスで調理法が変わるかもしれません。

カニも「痛い」んです・・・
カニも「痛い」んです・・・

フランス:人権尊重

フランスのスーパーでは、生産者の人権に配慮して作られた商品が並べられています。フランスでは、一定規模の企業に対し、調達から製造、流通の段階で強制労働などといった人権侵害がないかを調べ、防止するよう法律で義務づけられています。このチョコレートは「公正な取引」を表すラベルが貼られ、値段は他のチョコレートの倍以上ですが、買う人は増えているといいます。

「公正な取引」を表すラベルが貼られたチョコレート
「公正な取引」を表すラベルが貼られたチョコレート

スーパーマーケット店長:
「売れ行きは良くなっています。消費者は品質の良いものに対してなら出費は惜しみません」
企業に人権尊重を求める法律は欧米で導入や制定の動きが広がっていて、日本企業も人権問題への対応が無視できない状況になっています。

人権に配慮した商品について店長は・・・
人権に配慮した商品について店長は・・・

タイ:焼き芋ブーム

タイではいま、日本でお馴染みの焼き芋ブームが起きていて、思わぬヒットに沸いています。タイ国内の多くのスーパーやモールにはサツマイモや焼き芋の販売コーナーが設けられ、週末ともなると次々と買い物客が訪れ、購入していきます。この売り場では2本でおよそ1000円と決して安くない値段で売られているものの、1日100本以上売れる人気ぶりです。

購入者男性:「妻に子供たちのために買ってきてと頼まれた。月に4回くらい買いに来てるよ」
女性:「タイのサツマイモよりも本当に滑らかでおいしい」

ねっとりとした食感と甘みがタイの人たちにも受け入れられ、サツマイモの日本からタイへの輸出額も2016年からの5年で5倍に急増。常夏のタイで冬の味覚、熱々の焼き芋のヒットに、関係者もホクホク顔となっています。

焼き芋ブームに沸くタイ
焼き芋ブームに沸くタイ

中国上海:ドローンで配達

600億円近くを投じて進められているドローンの活用推進プロジェクト。その一つがドローンによる配達サービスです。現在テスト中のこのサービスではアプリで注文された商品が配達員により所定の場所まで運ばれ、ドローンに積み込まれます。後はドローンが受け取り用のデリバリーステーションまで配達し、商品は自動的に収納。

顧客はQRコードをスキャンすれば商品が受け取とれる仕組みで、上海の一部の地域では2022年前半にも常設の配達ルートが設けられ、本格的なサービスが始まる予定です。デリバリー全盛の中国で配達員の負担軽減だけでなく、接触頻度を減らす感染対策としても一役買いそうです。

上海の一部の地域では2022年前半にも常設の配達ルートが設けられ本格的なサービスが始まる予定
上海の一部の地域では2022年前半にも常設の配達ルートが設けられ本格的なサービスが始まる予定

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
国際取材部



世界では今何が起きているのか――ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、モスクワ、イスタンブール、北京、上海、ソウル、バンコクのFNN11支局を拠点に、国際情勢や各国の事件・事故、政治、経済、社会問題から文化・エンタメまで海外の最新ニュースをお届けします。