韓国
「オミクロン株感染者が隔離されずに生活していた」ことが発覚し不安が広がっています。11月24日にナイジェリアから帰国し「オミクロン株」への感染が確認された40代の夫婦。空港から夫婦を車で送迎した知人男性も感染が確認されました。夫婦は保健当局に、空港から自宅まで「隔離対象者専用のタクシーを利用した」と申告していましたが、これが嘘だったことがわかったのです。
濃厚接触者となるべき知人男性は隔離対象にされないまま、6日間で家族や知人などおよそ40人と接触。男性はワクチンも接種していませんでした。保健当局は夫婦を告発することも検討していますが、未知の変異株拡散の懸念に国民は不安を募らせています。
中国・上海
新たな変異株「オミクロン」への警戒が強まる中、中国の習近平国家主席はアフリカ諸国に対し新たに10億回分のワクチンを提供すると表明しました。11月29日に開催された中国アフリカ協力フォーラムの開会式にオンラインで出席し、基調講演を行った習主席。
変異株「オミクロン」の出現で感染拡大が懸念されるアフリカ諸国に対し、新たに10億回分のワクチンを提供すると表明しました。このうち6億回分は無償で、4億回分は中国企業と各国が共同で生産するとしています。また1500人の医療従事者と公衆衛生の専門家をアフリカに派遣するとも表明。「ワクチン外交」を加速しアフリカへの影響力拡大を図る狙いもありそうです。
中国・北京
オミクロン株の脅威が世界各国で強まる中、中国はケニア航空など4社の航空便を運航停止にする措置をとりました。理由は、ケニア航空の「ナイロビー広州便」で、入国時に5人が新型コロナ陽性と確認されたためです。オミクロン株への感染かは不明ですが、中国では、1便に5人以上の感染者が出た場合、その区間のフライトを一時的に止めることができ、水際対策を強化した形です。
一方、2カ月後に迫ったオリンピックへの影響についてはー。
趙立堅報道官:「感染コントロールの面では課題となるだろうが、冬季五輪が期日通り順調に開催されると信じる」
オミクロン封じ込めに自信を示す中国ですが、開催に向けた試練が続きます。
米国・ハワイ
大型連休などで旅行者が急増していたアメリカでも初めてオミクロン株の感染者が確認されました。アメリカ一例目となったのは南アフリカからカリフォルニア州に帰国した旅行者で、ワクチンは接種済みでした。
そんな中、観光地ハワイでも感染者が見つかり、市中感染の拡大が懸念されています。12月からレストランなどの収容人数の制限がなくなり、ホノルルマラソンなどのイベントも復活して、さあこれからというタイミングでした。日本人観光客の本格的な復活を待ち望むハワイですが、日本へ帰国後の隔離措置が再び厳しくなっていて、日本人で賑わう年末年始の定番の光景が戻るにはまだ時間がかかりそうです。
タイ
タイの首都バンコクにあるこちらの日本語学校では、ようやく再開される留学生の送り出しに向け準備を進めていましたが、現在は対応に追われています。オミクロン株の出現を受け日本が外国人の入国を禁止したため、タイでは留学を目前に控えていた学生から戸惑いの声があがっています。日本語を学ぶヴィーさんは日本の大学への留学を1年半以上待ち続け、やっと渡航のメドが立ったところでしたが…。
ヴィーさん:
「また影響を受けてしまうことが理解できません.すぐにでも日本に入れて欲しい」
ジェイエデュケーション 長谷川卓生 社長:
「留学生としては本当に行けるっていう気持ちで待っていたはずなので、すごく残念です」
この日本語学校では12月下旬に68人が日本に留学する予定で、すでに航空券も予約済みだっただけに戸惑いが広がっています。
フランス
郊外にあるワクチンセンターはブースター接種で大変混み合っていますが、オミクロン株が出てきたことで、予約がさらに殺到しそうです。フランスのオミクロン株の感染者は、これまでにインド洋にあるフランス領レユニオン島で3人が確認されています。(日本時間2021年12月3日午前0時現在)
ベラン保健相は「他の感染例も数時間以内に確認される恐れがある」と話し、警戒感が一気に広がっています。政府はEU圏外からの渡航者に対して、ワクチン接種を完了した人も48時間以内の陰性証明の提示を義務付けるなど水際対策を強化しました。
フランス国内の一日の新規感染者はこの一カ月で急増し5万人に迫る日もあります。政府はブースターの間隔を5カ月に早め、3回目の接種を呼びかけています。
英国
再びマスクの着用が義務化されました。地下鉄に乗る人はみんなマスクをしています。イギリスではオミクロン株への感染が12月1日までに32人と相次いで確認されていて、政府は急きょ公共交通機関などでのマスク着用義務を復活させました。
市民:「(規制強化は)ロンドンではいいことだと思う。ほとんどの人がマスクをしていないからね。地下鉄ではお互いの距離が近いし。」
ジョンソン首相はワクチンのブースター接種を加速させ、2022年1月までに全ての成人に接種を完了させる方針です。日常を取り戻しつつあったイギリスですが、クリスマスを前に再び不安が広がっています。
モスクワ
オミクロン株の拡大で各国が水際対策を強化する中、モスクワの国際空港では今も旅行や仕事で外国に出かける人の姿が目につきます。行き先はロシアで人気があるタイのリゾートなどオミクロン株の未確認地域が中心ですが、韓国など既にオミクロン株の感染者が確認されている国も含まれています。
観光でタイに行く夫婦:「ロシア産ワクチンを(打っているので)大丈夫」「ロシア人は(オミクロン株を)怖がらない」
観光でベラルーシに行く男性:「(オミクロン株は)怖いが自分の行動を制限したくない」
仕事で韓国に行く男性:「仕事を止めるわけにはいかない」
ロシアでは、まだオミクロン株の感染者は確認されていませんが、他国に比べて危機感が薄いのが実情です。このまま人の出入りが続けば、感染の拡大が懸念されます。
米国・ワシントン
アメリカの裏庭ともいわれる南米で中国による資源の爆買いが止まりません。電気自動車やスマホに欠かせないリチウムイオン電池の需要が高まる中、南米では原料となるリチウムの争奪戦が起きています。世界の埋蔵量の58%が眠るとされる「リチウム・トライアングル」。アルゼンチン・ボリビア・チリの国境に広がるこの一帯の開発権を持つ企業を、中国資本が次々と買収しています。
専門家はこの動きに警鐘を鳴らします。
インターアメリカン・ダイアログ マイヤーズ氏:「中国企業が南米市場で独占的な影響力を持てば、政治的な目的達成に利用される可能性もある」
日本はリチウム資源を100%輸入に依存していて、調達先の新規開拓などリチウムの安定確保に向けた対策が急がれています。
米国・ニューヨーク
ロックフェラーセンターのツリーも点灯し、街はクリスマスムード一色ですが、そのツリーに大きな異変が起きているんです。路上のいたるところで販売されるツリーはニューヨークの冬の風物詩。しかし、店の数は2020年に比べ大幅に減少しました。理由は「もみの木不足」です。コロナ禍で自宅でクリスマスをすごす家族からの需要が増え、前の年に伐採し過ぎたことなどが原因です。
ツリー販売店オーナー:「2020年コロナ禍の“巣ごもり需要”で注文が増えたため、2021年の分まで伐採されたんだ。だからツリーが不足しているんだ。25年間この仕事をしているが、今回が最悪のクリスマスだよ」
この店では、価格が前年の2倍に跳ね上がる種類もある中、ツリーを求める客が次々と訪れていました。クリスマスツリー“争奪戦”は今後も続きそうです。
トルコ
2日間に渡って強風が吹き続けている影響で、ボスポラス海峡ではご覧のように波が激しく打ち寄せていて、一部のフェリーの運航が停止するなど、市民生活に大きな影響が出ています。11月末に風速36メートルという、大型台風並の強風に見舞われたイスタンブール。高速道路では風にあおられたトレーラーが横転。
町中では店の看板が剥がれて、危うく通行人にぶつかりそうになります。建物の上からはコンクリートの破片が落下し、屋根が剥がれて空高く舞いあがる様子も確認できます。強風の威力はすさまじく、ついに時計台まで倒れてしまいました。この突風により5人が死亡、60人以上が負傷し、小・中・高校のすべてが一日休校となりました。
【取材:FNN海外特派員取材班】