米国・ワシントン
竹島問題が日米韓の連携に影を落とすことになりました。17日にワシントンで開かれた日米韓3カ国の外務次官協議で、予定されていた共同記者会見が急遽中止となりました。島根県の竹島に韓国警察庁のトップが上陸したことを巡り日本政府が「共同記者会見は適当ではない」と判断したためです。
記者:「急遽キャンセルされたということなんですが、どのようなことがあったのでしょうか」
森外務次官は会談後、韓国の崔外務第一次官を訪ね厳重に抗議しました。日本政府代表の宿泊先のすぐ向かいに韓国政府代表が滞在するホテルがあり、17日は深夜まで両国の関係者が行き来していました。「このタイミングになぜ?」韓国側の動きに困惑が広がる中、対中国で日米韓の連携を示したいアメリカの狙いはぶち壊しとなってしまいました。

韓国
11月から始まった韓国の『ウィズコロナ』は、感染状況の急激な悪化で、早くも正念場を迎えています。韓国では1日の新規感染者が3千人を超え過去最多を更新。飲食店の営業制限撤廃など防疫措置を緩和したため、一定の感染拡大は織り込み済みですが、想定外だったのは重症者の急増です。すでに医療体制を維持できる上限の500人を超えています。
背景には、早期にワクチン接種を終え、免疫効果の低下した高齢者の感染があるとみられています。韓国政府は急遽、高齢者に対する追加接種の前倒しを決定。12月以降は屋外での『ノーマスク』も視野に入れていた韓国政府ですが、当初の計画は、暗礁に乗り上げつつあります。

ロシア
旧ソ連のベラルーシとポーランドの国境付近で、ベラルーシ側に集まった移民とポーランド治安部隊が衝突しました。国境に駆け寄り、石を投げつける移民たち。ポーランドは放水で対抗します。一瞬で人が吹き飛ぶほどの放水量です。中東などからのおよそ5000人の移民たちは、仕事を求めて、ヨーロッパに渡ろうとしていたのです。
一方、ポーランドは国境に有刺鉄線を張り、1万5000人以上の治安部隊を派遣して入国を徹底的に阻止しています。ルカシェンコ大統領の不正選挙や弾圧などを理由に、ベラルーシに制裁を課している、EU=ヨーロッパ連合。EU側は、ベラルーシが混乱をねらって移民を送り込もうとしていると非難しています。

(映像提供:Polish Interior Ministry)
中国・北京
こちらは北京空港ですが、11月17日から北京市当局が北京への出入りを厳しく制限しはじめました。空港もがらんとしています。国内の感染拡大を受けた新たな規制により、過去2週間以内に感染者が1人でも確認された地域に滞在した人は、北京に入ることが原則認められません。感染者が出ている地域からの飛行機は欠航となっていて、それ以外の地域から北京に入る人も48時間以内の陰性証明が必要です。
北京から地方に行く場合、訪問先で感染者が出ると足止めを食い、北京に戻れなくなる恐れもあります。2022年2月のオリンピックまで、観光旅行はもちろん、出張もほぼできないピリピリムードが続きそうです。

英国
COP26は閉幕しましたが、現場で印象に残ったのは声をあげる多くの若者たちの声です。会場前で連日行われた抗議行動。グラスゴー市内でもグレタ・トゥンベリさんらによる大規模デモが2回開催され、親に連れられた小さな子供たちの姿も多くみられました。
9歳女児:「デモ行進にやってきました。なぜなら気候変動を止めたいからです」
またこの日のデモには日本の若者たちも参加しました。
日本の若者:「本当に市民の運動が強くなってきていることを強く強く感じました。人々が自分たちの声を上げて変化を求めていくことが日本でも起こっていく必要がある」
気候変動に関する関心が、若者の間でも確実に高まっていることを強く感じさせました。
COPに参加したオバマ元大統領は「若者には怒る権利がある」と彼らに理解を示しています。各国は次世代に美しい地球を残す大きな課題を背負っています。

米国・ニューヨーク
マンハッタンのこちらの住宅街で毎月開催される異色のコンサートがあります。仕掛け人は日本の外交官です。ここは音楽に造詣が深いことで知られる山野内勘二総領事の公邸。パンデミックで演奏の機会を失った日本人アーティストを支援しようと、場所を提供しています。この日は91歳のジャズピアニスト、秋吉敏子さんと夫のルー・タバキンさんらが演奏し、フェイスブックに生配信されました。
山野内勘二NY総領事:「日本の文化を紹介していくということで非常に有意義だと思っている」
秋吉敏子さん:「やっぱり演奏できる機会があればあるほどうれしい」
自らもギターをユーチューブで披露するほど音楽好きの総領事、公邸から日本人アーティスの魅力発信を続けます。

91歳のジャズピアニスト、秋吉敏子さんと夫のルー・タバキンさんらが演奏
タイ
タイ版の「GoToキャンペーン」で不正が横行し、130人以上が一斉に摘発されました。警察施設のロビーに集められた大勢の男女。首都バンコクで2つのホテルのオーナーや協力者など136人が、国から総額3億4000万円以上をだまし取ったとして検察当局に移送されました。宿泊料金の40%を国が支給する、いわばタイ版の「GoToキャンペーン」制度を悪用したのです。
中には10部屋しかないのに、半年間で9万泊分の嘘の申請をしたホテルや、南部プーケットでは宿泊料金を通常の4倍近くで申告するなど大胆な犯行も。新型コロナで苦境が続く観光大国タイ。復活に向けて不正行為の撲滅が急がれます。

アラブ首長国連邦
ここドバイで育っているのがサリコルニア、その形からシーアスパラガスとも呼ばれています。砂漠でも青々と育つシーアスパラガス。塩分を好むため、海岸や地下水に塩分が含まれる砂漠のような過酷な気象条件にも適しています。ミネラルやビタミンなどの栄養素を多く含むことから、食用として広く親しまれているんです。
ICBA(国際塩水農業センター) ディオシニア・リラさん:「塩水を使って、これまでとは違う作物の栽培に力を入れる必要があるのです」
ドバイにあるNPOでは食用の魚を塩分が含まれた地下水で養殖し、その塩水をシーアスパラガスの栽培に再利用する試みも。魚のふんが肥料となり、生産量が3倍に増えたといいます。バイオ燃料としても期待されるシーアスパラガス、砂漠の救世主となりうるか、注目です。

中国・上海
公園の木の幹や枝にできた空洞に、かわいい動物の絵を描くユニークな取り組みが話題となっています。怒った表情の猫、枝に登って遊ぶパンダ、枝を叩くキツツキなど、本物そっくりの様々な動物たちが木のうろ(洞)を彩ります。上海市では9月から、樹木のうろを埋めて修復し、そこに動物の絵を描く取り組みを始めました。今では170本以上の“樹木アート”が住民の目を楽しませています。
住民:「絵が描かれて(以前より木が)キレイになりました。動物の絵を見て嬉しくなりました。」
地球にやさしい絵の具を使用し、景観保護と環境保護を兼ね備えたサステナブルな取り組み、市民にも好評です。

米国・ロサンゼルス
ディズニーランドにクリスマスのイベントが戻ってきました。ドナルドダックも冬の衣装で登場しています。ディズニーランドは、前年は新型コロナウィルスの影響で休園していましたが、2021年は待望のクリスマスのイベントが復活です。初日の11月12日は最高気温30度を超える中、高さ18メートルのツリーが登場し、園内は一足早くクリスマスムードに包まれました。
ラスベガスから来た客:「去年(2020年)はクリスマスイベントがなかったので、今年は絶対に来るしかないと思っていました!」
親子連れの客:「娘はパンデミックの最中に生まれました。その娘と一緒にディズニーランドに来られて本当に良かったです」
ディズニーランドの担当者は、日本からのファンも早く来られるようになって欲しいと期待を寄せています。

フランス
長距離列車で旅をする際のご飯。フランスではバゲットがメジャーですが…今回、日本の駅弁が進出しました。パリ・リヨン駅に半年間限定でオープンしているのは、秋田県の駅弁の老舗「花善」です。きりたんぽや稲庭うどんなど、秋田名物がふんだんに使われています。日本では駅弁は20度ほどの状態で販売されますが、フランスでは、EUの規制で3度以下に保つ必要があります。このため、本来の米の食感などを維持するのに苦労したといいます。
購入者:「サンドイッチ以外ものも食べたいし、こっちの方がおいしそう」
駅弁文化はパリで花開くのか。チャレンジが続きます。

【取材:FNN海外特派員取材班】