オンラインゲームで対戦する「eスポーツ」。体が不自由ながらも、「eスポーツ」のプロを目指す7歳の男の子が熊本市にいる。
プロになりたいと思ったきっかけ、そしてその思いにせまる。

徐々に筋力が衰える難病「脊髄性筋萎縮症」

しんちゃん・西岡伸一郎くん:
よしゃー勝った。寝たきりってばれたら、「なんで寝たきり相手なのに」っていわれるのよね

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母・紘子さん:
すごいねって言われるよ

人気のオンラインゲームに没頭するのは、しんちゃんこと西岡伸一郎くん(7)。難病で寝たきりの生活。
それでも2021年6月に、合志市の企業とeスポーツ専属プレーヤーの契約を結んだ。

元気に産声を上げたしんちゃん。生後4カ月ごろには寝返りをするようになったが、徐々に動きが鈍くなっていった。

母・紘子さん:
保育園の先生ともちょっとおかしいですよねって話をしていて、もうちょっと様子をみましょうということで、7カ月の時に1日寝たきりの状態になってしまって

その後に行った検査で、体の筋力が次第に衰えていく進行性の病気「脊髄性筋萎縮症」と診断された。ちょうど1歳の誕生日だった。

そんな中で、リハビリの一環で使い始めたのがタブレットだった。

母・紘子さん:
1日寝た状態でいるので、普通のおもちゃでも遊べないし、タブレット登場とともに楽しそうでした

最初は触る程度だったが、2歳7カ月ごろに新薬のおかげで操作機器のボタンが押せるまでに手の筋力が戻り、ゲームの世界に引き込まれていった。

ゲームの中では、走ったり飛び回ったり、障害を感じさせない動きでステージを進んでいく。
そんなしんちゃんの夢は…

しんちゃん・西岡伸一郎くん:
プロゲーマーになることです

両親もしんちゃんの夢を全面的に支援している。とはいっても、2021年に小学生になったばかり。合志市の県立黒石原支援学校に入学。新型コロナの影響でオンラインではあるが、勉強もしっかり頑張っている。

またユーチューバーとしても活躍したいというしんちゃんは、2021年2月にYouTubeの専用チャンネル「寝たきりYouTuberしんチャンネル」を開設。
少しでもしんちゃんのことや病気のことを理解してもらうため。母・紘子さんが撮影・編集をして、週1回のペースで動画をアップしている。

企業と専属契約 活躍の場広げるしんちゃん

夢を後押ししてくれる心強い存在もいる。理学療法士で、合志市でeスポーツの会社を立ち上げた池田竜太さん。ゲームに対して熱い思いを持つしんちゃんをスカウト、2021年6月に専属プレーヤーの契約を結んだ。

ハッピーブレイン・池田竜太代表:
楽しみすらなかったような、社会的な交流もなかった人たちが本当に多いなと思っていたので、eスポーツって外とつながる。いろんな活躍できる場が拡がっていくと思う。本当に今からなんだと思う

しんちゃんは、池田さんの会社が開く大会にも参加し、着実に腕を磨いている。
専属契約を結んでから、さまざまな声もかかるようになった。
2021年9月にはラジオ番組に初出演。メディアにもよく取り上げられ、つながりも広がっている。

しんちゃんは、家族と外で過ごす時間も大好き。2021年10月には動植物園を訪れた。そんな中、ファンとも遭遇し、ちょっと照れくさそうにする一面も。

動物園に来園していたファン:
すみません、しんちゃんですか?わ、本物や、いつもYouTube見てます。いつも楽しいしんちゃん、こんなところで会えてうれしいです。また動画だして

母・紘子さん:
とにかく楽しんでやってますというのが伝わっていけば、障害に対してのちょっと重たいイメージが軽くなるのかなというのは感じます

家族で支えるしんちゃんの夢。それにより新しい世界も広がっている。
世界で活躍する夢の舞台を目指し、しんちゃんの挑戦は続く。

(テレビ熊本)