ウツボの不思議な行動を捉えた動画がTwitterに投稿され、話題となっている。
あっ!いい穴みぃ〜つけたっと……
— すさみ町立エビとカニの水族館 (@ebikaniaquarium) November 20, 2021
あれっ!あれれ??
ま ち が え た 〜
恥ずかし〜(笑)#こんなことってある#ウツボinウツボ#ウツボの気持ち#ウツボの思う壺#みんな見てたね pic.twitter.com/pgc9k8YKX6
あっ!いい穴みぃ〜つけたっと……あれっ!あれれ??ま ち が え た 〜恥ずかし〜(笑)
コメントとともにTwitterに投稿された25秒の動画では、口を大きく開けたウツボの中に別のウツボが入ろうとしている。どんどん口の中に入っているのにも関わらず、ウツボは噛むことなく、顔の向きを少し変える程度で抵抗せずに受け入れているようにも見える。
そして口の中に入っていった方のウツボは、途中で「何か違う」と気付いたのか体を引いて顔を出した。その表情は少し気まずそう。もう一方のウツボは大きく開けた口を閉じて、何事もなかったかのような様子だ。


2匹のウツボの動画をTwitterに投稿したのは、和歌山県にある「すさみ町立エビとカニの水族館」(@ebikaniaquarium)の公式アカウント。
2匹のウツボの様子にTwitterでは「もぐり込まれた方はなんで大人しくしてるんだ」「間違いにも程がありすぎる」などの声があり、約2万4000件のリツイートと約7万6000件のいいねがつき、動画の再生回数は110万回を超え、話題となっている。(11月29日現在)
たしかに、ウツボは海で穴などに隠れている印象もあるが、本当に間違えてしまったのだろうか? また、こうした行動はよくあることなのか、すさみ町立エビとカニの水族館の担当者にお話を伺った。
食べられると思った
ーーなぜ、ウツボが別のウツボの口の中に入った?
この行動の意味は分かりません。穴と間違えたということではないと思っています。海の中では狭い岩の隙間や穴に隠れて顔だけ出して生活しており、水槽内でも狭いところや穴を好みます。
ーー見たときどう思った?
大きい方のウツボ(ニセゴイシウツボ)に食べられると思って水槽裏にまわって助けようとしても間に合わないので、とりあえずどうなるか動画を撮ろうと思いました。まさか口の中に入って出てくるとは思わず、おそらく珍しい映像だと思ったので嬉しかったです。

ーーお互いをどう認識していると思う?
お互いに特に感情はなく、なんとなく入ってしまった。なんとなく入られてしまったということだと思います。
ーーこういうことはよくあるの?
過去観察がされたことのない行動で、初めて見ました。

2匹とも獰猛で魚を丸呑みすることも
ーー2匹のウツボについて教えて
種名:ニセゴイシウツボ(大きいほう)。特徴は琉球列島以南の暖かい海に主に生息する南方種で、成長すると2メートルほどになる大型のウツボ。近年、紀伊半島南部沿岸でも大型個体が確認されています。
種名:ウツボ(小さいほう)。特徴は房総半島以南の沿岸の岩場に生息する日本では最もなじみのあるウツボ。千葉県、和歌山県、高知県などでは食用種として利用されています。
ーー2匹はどんな性格なの?
2種類とも獰猛な種類のウツボで、噛みつかれると大怪我をします。空腹時などは口に入るサイズの魚を丸呑みすることもあります。
大きい方のウツボは動画を撮影した前日に理由は分かりませんが、同種のウツボを水槽に入れたところ大喧嘩をしていました。

ーー普段はどんな様子?
アジ、キビナゴなど小魚を食べており、餌をきちんと与えていれば大人しくあまり喧嘩もしないです。
ーーウツボの魅力は?
サンゴ礁や岩場に生息することに特化した無駄のない長い体と獰猛だが、愛嬌のあるつぶらな瞳が可愛いです。
ーー反響についてどう思う?
館内でも人気のあるウツボたちをたくさんの人に見ていただき、動画を楽しんでもらったことは水族館冥利に尽きます。

担当者によると、ウツボはなんとなく口の中に入ったのではないかということだった。また、空腹時は魚を丸呑みすることもあるとのことで、今回食べられてしまわなかったことはよかったことだろう。