10月31日に投票が行われた衆議院選挙は、コロナ下で初めてとなる国政選挙として大きな注目を集めた。
今回の選挙戦で、各陣営のコロナ対策はどのようなものだったのか。陣営の裏側を取材した。

喜びの声で湧いた選挙戦最終日の選挙事務所。
しかし、よく見ると「密」なのでは?

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涙の比例復活を果たした石川3区の近藤和也さんが、選挙戦初日に手にしていたのは「抗原検査キット」だった。

候補者本人が陰性を確認したうえでの遊説出発だった。

今回の選挙で各陣営が常に頭を悩ませていたのが、「感染対策」だ。
本当はたくさんの人に集まってほしい。
しかし、演説会場に並べられたイスは、間引かれていた。

陣営幹部に理由を聞くと…

石川1区 荒井陣営・石坂修一県議:
少なくとも選挙活動の中でコロナ(感染者)発生は、どうしても避けたい

石川1区 荒井陣営・石坂修一県議

しかし、人が集まってしまうのが選挙活動の難しさだ。

金沢に降り立った吉村洋文大阪府知事。全国的な知名度をほこる弁士の登場に、1,000人以上が大集結した。
コロナ下の選挙だが、ここにはコロナが存在しないかのようだった。

陣営幹部は…

石川1区 小林陣営・澤飯英樹選対本部長:
まさか、これだけ人が集まるとは想像しなかった。「密」という点では、大変申し訳ない

石川1区 小林陣営・澤飯英樹選対本部長

岸田首相が能登に来た時には、2,000人が集まった。

能登入りした岸田首相

また、投票日目前に士気を高めたい総決起大会では、「(ガンバローは)思いっきり拳を突き上げながらも、声は出さないで」と呼びかけられ、これまでの選挙戦ではありえない声掛けとなった。

コロナ前の雰囲気漂う選挙戦の最終日

ハロウィーン目前の10月30日。選挙戦最終日の金沢市片町では、各候補者が、最後の訴えに声を枯らしていた。

仮装した若者を横目に、最後の1秒まで訴えを続ける候補者たち。
その傍らには支持者が集まり、さながらコロナ前の雰囲気が漂っていた。

その光景を見つめていた政治学が専門の拓殖大学・丹羽文生教授は、次のような感想を漏らしていた。

拓殖大学(政治学)・丹羽文生教授:
ものすごい盛り上がりで、とてもコロナ下の選挙とは思えない

拓殖大学(政治学)・丹羽文生教授

拓殖大学(政治学)・丹羽文生教授:
3密回避無視、ソーシャルディスタンス無視、果たしてこれでいいのか。
最初は、与野党問わず落ち着いた選挙運動だったが、だんだん中盤に入って盛り上がってしまい、結局、コロナ下の選挙ということを忘れてしまっている印象。1~2週間後がすごく怖い

有権者の思いは…若い世代からも様々な声

そしてもう一つ気になったのは、今回の選挙に対する有権者の思いだ。
選挙戦最終日の金沢市片町で聞いた。

最初に伺ったのは、金沢・新天地商店街の老舗バーの店主だ。

ーー1年半のコロナ禍はどうだった?

バーの店主:
出口のないトンネルだった。いつ終わるのかという…

ーー今回の選挙で出口は見つかるか?

バーの店主:
もちろん、当選した方々が本当に(公約を)果たしてくれるのかどうか

今後への期待を語る老舗バーの店主

続いて、金沢・木倉町商店街のスペイン料理店の店主に聞いた。

ーー今回の選挙への期待は?

スペイン料理店の店主:
めっちゃ期待しています

ーーなぜ?

スペイン料理店の店主:
ヨーロッパに住んでいた経験があるので、ヨーロッパの方は、選挙に関しては子どものころから興味がある。理由は、日本みたいに平和な生活じゃない方が多いので、そういう方が(選挙に)興味がある。
日本もそれに近い状況が、このコロナ禍であったので、そういう意味では、みんな非常に興味がわいたんじゃないかと

「すごく期待している」と語るスペイン料理店の店主

スペイン料理店の店主:
お客様の話でも、飲食店って政治の話はNGなんですけれども、結構いろんな(候補者の)後押しの話とか、いろいろありましたね。楽しみです

一方、仮装を楽しんでいた若者からは、次のような声が聞かれた。

若者:
(選挙に)興味がないですね

ーー投票には?

若者たち:
行ってないですね。若い子に向けての何かのメッセージがほしいなと思います

若者たち:
もうちょっと何か、わかりやすく言ってほしいです

さらに、若い世代からはこんな声も聞かれた。

若者たち:
同性婚OKの党とOKじゃない党で、投票どうする?って話をちょっとしていました。選挙に行かないから、政治のことを全く考えていないとか、社会のことを全く考えていないわけではないんだけどなと思っています

(石川テレビ)