2021年7月に金沢市で、北陸初のパートナーシップ制度が導入された。
それを皮切りに、LGBTQに対する偏見が強いとされてきた北陸に地殻変動が起きている。

北陸初の「プライドパレード」 開催

金沢市中心部で行われたパレード。LGBTQや性的マイノリティーへの理解を深めてもらおうと、当事者や支援者が町を練り歩いた。

金沢市中心部で行われたパレード
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ニューヨークやパリ、東京など、世界各国で開催されてきたこの「プライドパレード」。北陸ではこれが初めてとなる。

 

イベントを企画した松中権さん:
自分が生まれ育った街で、自分自身もゲイの当事者として苦しい思いをしたので、本当にうれしいの一言に尽きます

パレードを企画した松中権さんは金沢市出身で、自身も当事者として性的マイノリティーの人に対する偏見をなくそうと、さまざまな活動を続けてきた。

性的マイノリティーの当事者として活動を続けてきた松中さん

そんな松中さんのふるさと北陸は、全国的にもLGBTQに対する偏見が強いとされている。ある調査では、近所の人が同性愛者であった場合に嫌悪感を抱く人の割合は、北陸では6割を超え、全国で最も高くなっていた。

北陸は全国的にもLGBTQに対する偏見が強いとされている

イベントを企画した松中権さん:
本当に嫌悪感なのか、たまたま身近に(当事者が)いらっしゃらないと思って感じていることなのか、もしくは情報がなくて知らないだけなのか。その数字っていうのは、全然変えられるものなんじゃないか

 

LGBTQの当事者は、AB型や左利きの人とほぼ同じ割合でいると言われている。
しかし、東京など大都市に比べ、北陸ではカミングアウトしづらいのが現状。
そこで松中さんたちは、当事者の存在をもっと市民に知ってもらう必要があると、北陸で初のプライドパレード開催を決断したのだ。

北陸初の「プライドパレード」開催へ

イベントを企画した松中権さん:
北陸だからこそ、すごくアライの存在は大事だなと。(北陸にも)当事者の方はいらっしゃるんですよね。でも、多くの方はカミングアウトしていないので、隣にいないことになるじゃないですか。隣にいたら、「ホモ」とか「気持ち悪い」とかって、目の前で言わないと思うんですね。
でもいないから、そういうのがなくならない。「やめてよ」って言う人もなかなかいない

アライの存在の重要性を語る松中さん

LGBTQへの理解を進める「アライ」

LGBTQへの理解を進めるために重要なのが、「アライ」と呼ばれる支援者。
この日はパレードを前に、アライの輪を広げようとイベントが開かれた。招かれたのは、YouTuberとして活動する金沢市の同性カップル。

ーー(アライは)どんなサポートができる?

たやさん:
本当にささいなことではあるんですけど、例えば身近にLGBTQのことを否定する方がいらっしゃったら、「自分はそうは思わないよ」とか「令和だからね」とか「時代ですもんね」とか、そういうふうに少しずつ行動していただけたら、そういう国に変わっていくきっかけになるかな

イベントを企画した松中権さん:
「やめたら?」とか、一言ぱっと言える人が周りにいるだけで変わってくる。(北陸のように)人の関係がすごく密なところは、アライがすごく生かされる。アライの力が発揮されるかな

そして、当事者やアライ約300人が金沢市中心部を巡った。目についたのは、笑顔で手を振りかえす金沢の街の人たち。

当事者やアライ、およそ300人が金沢市中心部を歩いた

パートナーと参加した人:
手を振りかえしてくれてうれしかったです

「北陸の空気を変えていきたい」

風土を変えるのは簡単なことではない。それでも、当事者が声をあげ、支援者が寄り添って、この街は少しずつ変わり始めている。

イベントを企画した松中権さん:
実際にパレードをしたときに、「周りからどう見られるんだろう」とか「どんな反応があるんだろう」とか、例えば「何か投げつけられたりすることがあるんじゃないか」とか、いろんなこと考えたんですけど、そんなことは全くなくて、皆さん本当に温かく受け止めてくださった。
一緒に盛り上がろうという感じがあったので、想像以上に北陸っていうこの街が今変わり始めている。
「北陸の空気を変えていきたい」っていう思いが連帯したような瞬間だった

(石川テレビ)