長崎市中心部の商店街に、このほど小さな古着店がオープンした。オーナーは、21歳の女子大生だ。
彼女は、なぜこの仕事を? その思いを取材した。

“古着マニア”のオーナーが立ち上げた無人店舗

長崎市の新大工町商店街の古着店「感情七号線」。

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オーナーは、諫早市出身の大学生・山本菜々子さん(21)。山本さんは、100着以上の古着を持つ、古着マニアでもある。

オーナー・山本菜々子さん:
シャツは全部、柄が違う。そのままシャツとして着てもいいし、中にノースリーブやキャミソールを着て、羽織みたいに着てもかわいい

オーナーの山本菜々子さん

オープンから約1カ月後に店を訪れると…山本さんの姿がなかった。実は、ここは無人店舗なのだ。

テレビ長崎・中村葉月アナウンサー:
料金を券売機に入れます。カードが出てきました。金額分のカードをボックスに入れて、購入完了です

中村葉月アナウンサー

普段は、千葉県の大学に通う山本さん。店舗内の防犯カメラの映像をスマートフォンでチェックし、開錠・施錠も遠隔で操作する。偶然見かけた「無人」営業の店をヒントにしたという。

防犯カメラの映像をスマホで確認

オーナー・山本菜々子さん:
「古着なんて」というイメージを払拭(ふっしょく)したい。きれいとか個性とか、かわいいなと思ってもらえたら、それだけでうれしい

無人営業で低価格を実現 防犯面も安心

中学生のころからの貯金を全てつぎ込み、仲間3人と店を立ち上げた。

仲間と店を立ち上げた山本さん

授業と実習に追われて多忙な大学生活の合間に、首都圏を巡って服を仕入れた。

利用客:
店員がいない無人状態でも、防犯面もしっかりしているのを見ると、買う側としても買い物がしやすいと感じた

無人営業でコストを抑え、低価格も実現している。1着1,000円から3,000円と、一般的な古着店に比べて半額を切る商品もある。

1着1,000円~3,000円と低価格も実現

オーナー・山本菜々子さん:
県外に今出られない状況や、簡単に買い物ができない状況下で、無人でゆっくり自分のペースで地元の人たちが楽しめる空間を作れたらと思うし、それが町おこしにつながったら

隣のまんじゅう店「平井餅まんじゅう」・平井栄一社長:
若い20代の人など、頻繁に人が通るようになった。画期的、斬新な発想があって、若い人たちはすごいなと。自分たちも、少し見習わないといけない部分があるんじゃないかと思う

動物たちの力に…収益の一部を寄付

一方、山本さんには、もうひとつ大切な活動がある。
山本さんが訪れたのは、動物愛護ボランティア団体の施設だ。店の収益の一部は、全国の動物保護団体などに寄付している。

収益の一部を動物保護団体などに寄付

幼いころから動物好きな山本さんは、SNSで動物たちが殺処分される現状を知り、これまでも保護団体にわずかながらアルバイト代を寄付していた。
この活動を広げ、もっと多くの動物たちの力になりたいという思いが、山本さんを突き動かした。

長崎ライフオブアニマル・木村愛子代表:
若い世代が活発的に協力してくれる、動いてくれるというのは、これから先の動物たちの現状を変えていくにも力になる

オーナー・山本菜々子さん:
店に来てくれた人や、周りのご縁などいろいろなことを合わせて、生まれてきてよかった、楽しかったと、犬たちが思えたらいいかなと思う

動物たちの力になりたいと語る山本さん

古着の魅力を伝えて、さらに動物たちも幸せに。それが山本さんの願いだ。

取材中には、「無人」という販売形態に興味を持って来店する人もいた。
今後、この店からさらに新たなカタチの店が誕生するかもしれない。

「感情七号線」    
住所:  長崎市新大工町2-22
営業時間:10時~19時(土、日、祝日は18時まで)

【取材後記】
私は現在、入社2年目ですが、1年目から夕方のニュース番組で長崎県内の若い人の活躍を応援する「未来ダイバー」というコーナーの“応援隊長”として毎月、取材を続けています。

今回、注目したのは、長崎市内の歴史ある商店街にオープンした異色の古着店。
オープン2日目に店の話を知り、連絡を取ったものの、翌日にはオーナーが長崎を発つとのことで、急きょデジカメを持って取材に行きました。
その後、何度もやり取りを重ね、再び長崎に戻るタイミングで追加取材しました。

古着の魅力を広めたい、動物たちの力になりたいという山本さんの強い信念と行動力に胸が熱くなりました。

(テレビ長崎・中村葉月アナウンサー)