愛媛・松山市の三津浜地区で、「地域の子どもたちのために」頑張っているスポットがある。
名前が「Mitsu想」。
看板にあるのは「三津浜カレー」に「三津浜たまごサンド」、「三津浜フレンチトースト」と、三津浜への愛を感じるメニュー。

いったい、どんな場所なのか?

地元・三津浜に恩返し…地元愛を感じるメニュー

「Mitsu想」河﨑元さん:
去年からずっとコロナ禍で、子どもたちもいろんな制限を受けて、地域の方々も外出しにくい状況が続いて…本当に孤立してしまう子どもも大人も高齢者も、そういう人たちが増えてきているっていう中で、そんなときにも安心して集まれる場所があったら

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コロナ禍で行き場を失った人たちのよりどころに。
もともと介護の仕事をしていた河﨑さんが、地元・三津浜に恩返しをしたいと一念発起して2021年にオープンしたのが「Mitsu想(おもい)」。

手作りの木のテーブルが並ぶ温かさを感じる空間で、除菌用の設備をはじめ、感染対策も取られている。

「Mitsu想」・河﨑元さん:
きょうはちょうど木曜日で、毎週、子ども食堂をやらせていただいていて。三津のこどもたちがどんどん少なくなっていて。子育てに有効な場所があれば、三津の町に移ってきて子育てしてみようかなって人が増えたらいいなと

奥のキッチンでは、子ども食堂の準備中だった。

名護谷希慧キャスター:
みなさんはどういった方々なんですか?

「Mitsu想」・河﨑元さん:
うちのお袋とそのお友達と、毎週こうやって手伝ってくれて。うちの娘が手伝ってくれて…今、夏休みなので手伝いに入ってくれて

河﨑さんの母・豊田みちるさん:
今はチキンカツとミートボールを両方で作っていて。子どもさんたちが楽しみにしてくれとるから。ちっちゃい子から、いろいろ来てくれるからお顔を見るのが楽しみでね、また

共働きやひとり親の家庭、コロナ禍でアルバイトができない学生たちのためにと、週に一度、大学生までの子どもたちには無料でお弁当を提供。大人も300円と格安。

河﨑さんの娘・遥さん:
いつもおばあちゃんのごはんを食べよって、自分的にはいつも食べよる料理が一番好きやけん。それがお弁当になって食べられるって思うと、すごいいいなと思う

河﨑さんの母・豊田みちるさん:
どっかで食べる?って言っても、帰ってばあちゃんのが食べたいって言ってくれるので、ばあちゃんもうれしいなと思うんですけど、ふふふ

孫の遥さんも太鼓判!
懐かしい家庭の味で評判のお弁当。

この日はチキンカツにミートボール、大根と豚肉のうま煮と食べ盛りの子どもたちにもうれしいボリューム。

地域の人たちも応援している。

「Mitsu想」・河﨑元さん:
エアコンも頂きもので、電子レンジも冷蔵庫もガスレンジももらったもの、ご支援で頂いて。たくさんの人の思いが詰まっているので、お店の名前も「Mitsu想」って名前に

“子ども食堂”以外の日は地元の味を届ける飲食店

そんな「Mitsu想」は、木曜以外は飲食店として営業している。

「Mitsu想」・河﨑元さん:
お待たせしました。三津浜カレーです

名護谷希慧キャスター:
ルーたっぷり!お肉の量がすごいですね

地元の名物・三津浜焼きにちなんで、使うお肉は牛筋と牛バラ。
スパイスをきかせ、半日煮込んで作るという自慢の味。

名護谷希慧キャスター:
うわっ、ほろほろですね。お肉が。びっくり、あんなおっきいのに柔らかくて。辛さ控えめで、最後にピリッとくるカレーのおいしさもあるんですけど、それよりもお肉のうまみ、タマネギの甘さのほうが引き立ちます

昆布だしと卵、1対1で作る卵焼きをはさんだサンドイッチは、口の中で溶けるようなふわふわの食感が大人気。

名護谷希慧キャスター:
すっごい分厚いですね、卵

「Mitsu想」・河﨑元さん:
だいたい卵3個分くらい使ってます

名護谷希慧キャスター:
おいしい!ふわふわですね、中の卵のだしがジュワッと出てきます

飲食店の売り上げの一部は、こども食堂の材料費に充てられている。

「Mitsu想」・河﨑元さん:
地域の人にうちのカレーとか卵サンド食べてもらったら、その人たちが食べたことによって地域の子どもたちの支援になっていくっていう、いいサイクルを作れたらな

夕方、お弁当を受け取りに親子連れがやってきた。

「Mitsu想」・河﨑元さん:
お弁当いくついりますか?

親子連れ:
2個ください。先生に教えてもらって(来ました)

ともすれば、人とのふれあいが失われがちなコロナ禍の今、人を想う…三津の「心」が地域をあたたかく照らしている。

(テレビ愛媛)

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