だまし文句は親心をくすぐる甘い言葉

「父さん、テレビは大丈夫?何か必要なものがあれば買うから何でも言ってね」
全国のお父さん達は、“こんなできた息子がいたらなぁ・・“と思うかもしれないが、これは詐欺グループが電話口で囁く悪魔のセリフ。甘い言葉を巧みに使って息子を演じ、心を許させた後、トラブルに巻き込まれたことにして金をだまし取る。

町会長の堀家さんは、即座に、詐欺電話を見抜いた。
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8月上旬、東京・足立区の堀家重夫さん(80代)は、電話口でこのセリフを聞いた。「危うく親心をくすぐられ、何でもしてあげたいという気持ちになりそうだった」とのことだが、即座に、オレオレ詐欺グループからの電話と見抜き、知人の国井幹雄さん(70代)と相談。警視庁竹の塚警察署に連絡し、見事、受け子の検挙に協力した。

ゲーム感覚で「だまされたフリ作戦」を遂行

登場人物を替えて、何度もかかってくる詐欺電話に、堀家さんは、警視庁が用意した台本のセリフを読んで応戦。『だまされたフリ』作戦の間、“詐欺グループが怖い”というよりも「詐欺グループを打ち負かす、ゲームをしているような感覚だった」という。

電話口では、息子を騙る男の声は聞き取りづらかった。男が「携帯の調子が悪い」などと言い訳したため、堀家さんは、わざわざ近所で働く息子のところまで出向き、念のため”ウソ”を確認したのこと。

堀家さん不在の際は、妻・幸子さんが「だまされたフリ」

妻も協力「今、お父さんはお金をかき集めに行っている」

ちょうど、堀家さんが息子を訪ねて不在の間、詐欺グループから電話がかかてきた。
応対したのは妻・幸子さん。
電話口では「オレオレ。オレだよ。分からないの?息子の●●(名前)だよ」と男の声。
そして、堀家さん不在の理由を問われ、機転を利かせた幸子さんは・・・
「お金をかき集めに行っている」。幸子さんの演技も検挙に一役買った。

オレオレ詐欺を撃退した堀家さん夫婦らには竹の塚署から感謝状が贈られた

今回、 “オレオレ”詐欺グループが、息子を装って金を求めた口実は『確定申告をしていないことが国税局にバレて、急いで金を工面しないといけない』というものだった。しかし、他にも「医療費の還付金」「新型コロナウイルス対策の給付金」名目など手口は多岐に渡る。

「親心をくすぐる」だまし文句。甘い言葉には罠がある。少しでも不審に思った場合は、今回のように、周りの人にすぐに相談することを心がけて欲しい。

フジテレビ社会部・警視庁担当 石田真美