夏が出番の「甚平」。長野市の女性が、手作りの子ども用「甚平」を販売している。
新型コロナウイルスの影響で夏祭りなどが中止となり、売り上げに影響が出ているが、涼しくて過ごしやすいと、根強い支持を受けている。

快適に過ごせる「甚平」

元気に遊ぶ子どもたちが着ているのは、甚平だ。

子ども:
風が甚平の隙間を通って涼しい。なんか少し気持ち良い

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普段着使いもできる甚平は、いずれも長野市の塩沢亜衣さん(38)が手作りしたものだ。

和らべ堂・塩沢亜衣さん
和らべ堂・塩沢亜衣さん

塩沢さんは、子ども用の甚平をインターネットを中心に販売している。こだわっているのは生地で、手ぬぐい用の綿100%の布を使っている。

快適に過ごせる手ぬぐい生地
快適に過ごせる手ぬぐい生地

和らべ堂・塩沢亜衣さん:
(生地が)ちょっと粗いのが分かりますかね。これが水分を吸収しやすくて、蒸発しやすい作りになっていて、汗をかいても張りつかないというか、快適に過ごせる生地になっている

和らべ堂・塩沢亜衣さん:
試行錯誤で、何十枚もだめにした。独学というか、甚平しか作ったことがないような状態なので、他のものはからっきし…

趣味で作った甚平が評判に ネット販売へ

塩沢さんが甚平を作り始めたのは長男が生まれてからで、それまで裁縫の経験はほとんどなかったという。

和らべ堂・塩沢亜衣さん:
息子が赤ちゃんの時に、ママ友の仲間で集まって裁縫をする機会があったんですけど、その時に、赤ちゃんの甚平なら手ぬぐい3枚くらいでできるというのを知った

和らべ堂・塩沢亜衣さん:
私が息子に着せている甚平を見て、(周りから)「これどこの?」となって、「これ、実は自分で作ったんだよ」と

趣味で作った甚平の出来栄えが、友人の間で評判となり、思い切って5年ほど前にネット店舗「和らべ堂」を立ち上げ、販売を始めた。
生地を手ぬぐいにしたのは、子育ての経験から。肌に優しく、洗濯もしやすいという。

和らべ堂・塩沢亜衣さん:
あまり手ぬぐい生地に着目してやっている人がいなかった。それが、うまいことぴったりはまった

塩沢さんの長男:
着てみると、かっこいい感じがした。すごく気に入っている

塩沢さんの友人:
夏は涼しく過ごせて、洗濯する時も乾きがよくて、着せててもすごく使いやすい

塩沢さんの友人の子ども:
昔の感じの柄だから、いつも着ている服の柄とは少し違って、それがまたいいなと

暑い夏を涼しく…根強い支持

甚平が似合うがシーンと言えば、夏祭りや盆踊りだ。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、2020年は軒並み中止となり、塩沢さんの売り上げも、いつもの6割ほどに落ち込んだ。

和らべ堂・塩沢亜衣さん:
2020年はどうしても花火大会だったり、お子さんの保育園の行事が中止になってしまった。そういう関係で売り上げが減った

そこで塩沢さんは、甚平の代わりにマスクを製作した。人気アニメの効果で和柄が人気となり、ピンチをしのいだ。

人気の和柄のマスク
人気の和柄のマスク

ことしこそはと意気込んでいたものの、「第5波」で長野びんずるなどのイベントが中止となった。
売り上げは、以前のようには回復していないが、暑い夏を涼しく過ごすアイテムとして、根強い支持を得ている。

和らべ堂・塩沢亜衣さん:
水遊びの時に着てもらっても、すぐに乾きますし、イベントごとじゃなくても、普段使いから楽しんでもらえたらうれしい

塩沢さんの作る甚平は、身長70cmから130cmまでで、1着3,200円からとなっている。
販売はネットが中心だが、長野市の和菓子店「風月堂」などでも購入することができる。

(長野放送)

長野放送
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