マグロ解体ショーをYouTubeで発信「最高の刺身を即日配達」 コロナ禍で奮闘する水産卸業者【長野発】
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マグロ解体ショーをYouTubeで発信「最高の刺身を即日配達」 コロナ禍で奮闘する水産卸業者【長野発】

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コロナ禍で奮闘する水産卸業者が、長野・下諏訪町にいる。
売り上げが落ち込む中、静岡から仕入れた新鮮な魚を多くの人に届けようと、宅配や動画投稿サイトを活用している。

水産卸業者がマグロ解体ショーを配信

下諏訪町の丸松水産で、豪快なマグロの解体ショーが始まった。ただし、客はおらず、置いてあるのはカメラだ。

脂がのったマグロの頭
この記事の画像(17枚)

解説するのは、経営者の松浦志保さん(42)で、いわば「ユーチューバー」だ。
2021年3月、動画投稿サイト「YouTube」に独自のチャンネル「まっちゃんねる」を開設し、旬の魚のさばき方やおいしさを紹介する動画を投稿している。コロナ禍を乗り切るための取り組みの1つだ。

YouTubeより

丸松水産・松浦志保さん:
コロナの状況になって、ものすごく世の中の動きが大きく変わったし、新しい常識に当てはまるようなビジネスモデルを考えて、「こんな魚があるんだよ」と紹介しつつ、即日こういったものをお届けできますって発信も含めてしている

YouTubeより

「内陸部だからこそ海の幸が好まれる」

空が白み始めた午前4時半。松浦さんは、静岡県の静岡市中央卸売市場にやってきた。

週5日、下諏訪から車で約2時間かけて市場に通い、魚を仕入れている。

丸松水産・松浦志保さん:
朝取れたものや全国から集まった高鮮度のもの、いい魚を買いつけて持ってきて、いいものをお届けするのが一番の強み

静岡市出身の松浦さんは魚が好きで、高校卒業後にこの市場の仲卸業者などで経験を積み、いつか自分で鮮魚卸を始めようと思っていた。

再び2時間かけて下諏訪へ戻る。

丸松水産を立ち上げたのは、36歳になった2015年のこと。信州で開業したのには訳があった。

下諏訪町の丸松水産

丸松水産・松浦志保さん:
魚に関しては、松本や諏訪エリアがいいものが入りにくい場所というのがデータで分かった

「内陸部だからこそ、海の幸が好まれる」といった傾向を捉えての開業だった。

飲食店やホテルに卸す一方、3年ほど前から土日に小売りもしている。
一番人気は、「丸松刺身スペシャル(1人前 税込1,080円)」で、その日に仕入れた10種類の刺し身の盛り合わせだ。

お得意さんもできた。

諏訪市の男性:
おいしいです。長野県にいて、これだけのお刺し身がいただけるのはありがたい

下諏訪町の男性:
とてもぷりぷりしてて、おいしい。カットが厚いので、魚本来の味をずっとかみしめて食べられます

「動画配信」と「宅配」でコロナ禍を乗りきる

経営は軌道に乗っていたが、2020年 新型コロナウイルスの感染拡大というピンチが訪れた。
飲食店や宿泊業者などの卸先が休業するなど、注文が大幅に減少し、売り上げは半減した。
徐々に回復してきたものの、この夏も「第5波」の影響が心配の種となっている。

丸松水産・松浦志保さん:
今の状況で言っても、コロナ前と比べても、まだまだ数字が戻ってないから、影響としてはかなり受けている

そこで松浦さんは、一般向けに力を入れる取り組みを始めた。
その1つが、3月に始めた「宅配」だ。仕入れた魚をその日の内に客のもとへ届ける。

丸松水産・松浦志保さん:
なかなか遠方で来られない方にも、即日で最高のお刺し身をお届けするサービスを展開して、新たな顧客の拡大を図っている

もう1つは、魚のおいしさやさばき方を伝える動画制作だ。
この日、魚のさばき担当の荻原さんと一緒に撮影したのは、重さ約50kg、天然ミナミマグロの解体ショーだ。

台本などはなく、静岡の市場で培った知識を生かし、部位などを説明していく。

丸松水産・松浦志保さん:
皮目から脂があるところ、こちらが中トロという部分になる

おいしさをアピールする「食リポ」も松浦さんが行う。この日は、中トロの刺し身だ。

中トロの刺し身の食リポを行う松浦さん

丸松水産・松浦志保さん:
これ、当たりです、うまい!

撮影を終えたら、編集作業に取りかかる。

丸松水産・松浦志保さん:
なるべくダラダラならないように、伝えるべきところをギュッと、簡潔にお届けできるように気を付けている

これまでに、キンキをさばいて煮付けにする内容や、松葉ガニのおいしい食べ方などを動画で紹介している。

動画も駆使しながらコロナ禍を乗り切ろうとしている鮮魚卸業者。松浦さんを支えているのは、おいしい魚を届けたいという情熱だ。

丸松水産・松浦志保さん:
全国の浜から来る、より良い魚を高鮮度で長野県内にお届けしたい。マグロは特に力を入れている部分だから、「マグロといったら丸松水産でしょ」と言ってもらえるような、代名詞になれるくらい、長野県内で有名になれればいいなと

(長野放送)

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