コロナで苦境続く花火師が模索する“新しい花火の可能性” 「プライベート花火」がSNSで大反響!地域の活性化も【新潟発】
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コロナで苦境続く花火師が模索する“新しい花火の可能性” 「プライベート花火」がSNSで大反響!地域の活性化も【新潟発】

NST新潟総合テレビ
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梅雨が明ければ待っている夏本番。

本来なら大輪の花が夜空を彩るが、2021年も新型コロナウイルスの影響で多くの花火大会が中止となっている。苦境の続く花火業界の現状、そして新たに始めた取り組みを取材した。

売上げは9割減…相次ぐ花火大会の中止

長岡市 磯田達伸市長:
今年の長岡まつり大花火大会は中止とします

新潟市 中原八一市長:
来年こそは、2年中止になった分も加え、盛大な新潟まつりを開催し、市民の皆さまと盛り上げたい

新型コロナウイルスの影響を受け、新潟県内では40ある花火大会のうち、27の大会が中止となったほか、12の大会が延期を決めている。

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その影響は、単に夏の風物詩を楽しむことができないということにとどまらない。

日本3大花火の一つ、長岡まつり大花火大会では、感染拡大前の2019年、経済効果が約84.3億円にのぼっていて、こうした経済的損失も大きなものとなっている。

越後煙火協会:
大変、花火業界は苦しい。率直な意見を書かせていただきました

県内7つの花火業者からなる越後煙火協会は6月、売上げが9割減少しているとして、花角知事に支援を求める要望書を提出していた。

小千谷煙火興業 瀬沼輝明社長:
これは2020年の1月(完成の花火)。(打ち上げは)来年待ちの状態みたいな…

倉庫の中で花火玉を見つめる、県知事に要望書を提出した、小千谷煙火興業の瀬沼輝明社長。

例年、春から秋にかけて約100の会場で開かれる花火大会に参加していた小千谷煙火工業だが、2020年は中止が相次いだため、倉庫の中には3~4万発の花火玉が保管されたままの状態となっている。

小千谷煙火興業 瀬沼輝明社長:
業界的に厳しいので、もしかしたら残れる業者さんと、残れない業者さんが出てくるかもしれない

現在は、雇用調整助成金に頼らざるを得ない苦しい状況となっているが、瀬沼さんもただ手をこまねいているわけではない。

記念日に花火を…新しい取り組みで地域の活性化を狙う

花火大会では定番になってきている“音楽花火”の規模を縮小し、顧客に販売する取り組みを始めた。

小千谷煙火興業 瀬沼輝明社長:
今までは金額の桁が違うもので作ってきたものを、どう小さい玉で表現できるか

届いていたのは、2021年のお盆に上げる予定だという上越市の町内会からの依頼。通常の花火大会に比べ予算はかなり限られるが、瀬沼さんはこうした依頼を大切にしたいと話す。

小千谷煙火興業 瀬沼輝明社長:
そうやって声をかけていただいたというのはありがたいことなので、一生懸命。いつも以上に考える時間だけはあるので

こうした新たな挑戦は、ほかにも…。

片貝煙火工業 本田和憲専務:
どちらかというと花火大会で見るものというよりも、プライベート花火は自分のためだけに上げる。誰かに見せるでもなく、自分のために上げる

片貝煙火工業が、片貝花火サポーターズ倶楽部と企画したのは、3号玉から尺玉までの花火を顧客の予算に応じて打ち上げる「プライベート花火」。

6月には、人気ロックバンド・GLAYのファンがこのプライベート花火を活用。約60人が資金を出し合い、メンバーの誕生日をお祝いした。

その様子がSNSにアップされると…。

GLAY TERUさん:
まさか、こんな形で50歳の誕生日を祝ってもらえるとは(Twitterより)

本人からの感謝のコメントが届くなど、大きな反響を呼んでいる。

片貝花火サポーターズ倶楽部 安達靖代表:
基本はプライベートなので、皆さんの記念日とか、そういうときに打ち上げていただきたい

2020年は2019年に比べ、8割ほど売上げが落ち込んだという片貝煙火工業。

本田和憲専務はこのプライベート花火をきっかけに、売り上げの確保だけでなく、全国にこの取り組みが知れ渡ることで、県外客による地域の活性化も狙っていた。

片貝煙火工業 本田和憲専務:
片貝の新たなファン獲得ではないけど、こういったことをきっかけに片貝を好きになってもらって、私たちが花火を通じて、そういう方々と町の人とのパイプ役になれればいい

続く花火師たちの挑戦「頑張り抜くしかない」

こうした花火師たちの努力を県も後押し。7月5日、県産花火を打ち上げるイベントに補助を行う新たなプロジェクトを始めている。

また、長岡まつり大花火大会の代わりに、会場を分散して花火を打ち上げる予定の長岡花火財団も「新たな可能性を示したい」としている。

長岡花火財団 高見真二理事長:
“分散して多くの人に見てもらえる方法があるよ”というメッセージが、いろいろな地域に伝われば、ほかの大会でも「じゃあ、そうやってみようか」という地域が出てくると、我々もうれしいし、花火師にとってもいいことだと思う

新型コロナウイルスの収束が見通せない状況でも、夜空に咲く大輪の花が多くの人の笑顔を照らす日が来ることを信じて、花火師たちの挑戦は続く。

小千谷煙火興業 瀬沼輝明社長:
これまで以上に恩返しのつもりで、いい花火を作って観客の歓声を浴びたい

片貝煙火工業 本田和憲専務:
新しい花火の可能性というのも、模索しながらやっていかなければ。とにかく来年まで頑張って、頑張り抜くしかない

(NST新潟総合テレビ)

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