「親切なお巡りさん」…住民から評判

人口が少ない地域の駐在所の勤務を重ねて30年という警察官が、愛媛・久万高原町にいる。
住民から残留が求められるほどの“名お巡り”さんだ。

地元住民:
老人会の時とか敬老会の時とか、よくお見えになってましたから。面白い方ですね

地元住民:
子どもが学校へ行くのに、毎朝来て見送りをしてくれている。川瀬(村)駐在所になるんかな

住民からも評判のお巡りさんとは?
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地元住民:
そうじゃ、大塚さんじゃ

久万高原町の住民から「親切なお巡りさん」と評判の警察官がいる。

木元悠吾記者:
大塚さんが勤務する川瀬駐在所にやってきたのですが…建物がありません

川瀬駐在所がない…?

この状況はいったい…久万高原警察署を訪れてみると…

木元悠吾記者:
こんにちは。川瀬駐在所の大塚さんって、どちらにいらっしゃるんですか?

大塚聡巡査部長:
川瀬駐在所の大塚です

川瀬駐在所に6年間勤務する大塚聡巡査部長(54)は現在、警察署を拠点にしている。

大塚聡巡査部長

大塚聡巡査部長:
駐在所が建て替えなもので、今駐在所がないんです

子どもにも人気…毎日登校を見守る

大塚さんの人気は、住民が警察署に留任を求めに来るほどだ。

留任を嘆願した男性:
大塚さん、構わなんだら、このままここに所長として居ってほしいということで(久万高原署長に)お願いにあがったんですが、退職までここにおってほしいなと思います

大塚さんがこれほどまで地域住民から信頼される理由は、徹底した「住民ファースト」だ。

大塚聡巡査部長:
これから小学生の朝の登校の見守り活動に出ます

大塚さんの活動は、通常の勤務時間より1時間半早い、午前7時からスタート。
相棒は、慣れ親しんだミニパトカーだ。

実は大塚さんの川瀬駐在所は、畑野「川」地区と、直「瀬」地区を管轄。
2つの小学校があり、ほぼ毎日、通学路に立っている。
大塚さんを見つけると、小さな子どもも走り寄ってくる。

(Q.お巡りさんはどんな人?)
小学生:
優しいです

そして20分間見守ったあとは、約8km離れた直瀬小学校へ移動する。

大塚聡巡査部長:
(この女の子は)ラブパトリーナが大好きらしいですよ

直瀬小学校・宮岡浩一校長:
なかなか(学校に)入らずに、普段

大塚聡巡査部長:
ここで5分くらいグズグズするんですけど

直瀬小学校・宮岡浩一校長:
地域になじまれてて、子どもの名前も全員覚えて…いつも朝来て、1人1人に声がけをして、すごく温かい感じです

直瀬小学校・宮岡浩一校長

人懐っこい性格と卓越した観察眼

見守り活動を終えると、休む間もなく、駐在所本来の仕事「地域への巡回」へ。
担当するエリアは、630軒もある。

地域への巡回に向かう大塚聡巡査部長

車1台通るのがやっとの山道。30分かけて到着したのは、標高800メートルの集落だ。

大塚聡巡査部長:
ラッシー。コリー(犬)やないけどラッシー(「名犬ラッシー」はコリー犬)

こんな冗談を言えるのも、幾度となく足を運び、地域の情報が頭に入っていればこそ。

大塚聡巡査部長:
かまわん? きょうまた、いつものように回らしてもらいよんやけど。きょうはな、振り込め詐欺の(チラシ)とマスク

住民:
お巡りさんに声かけてもらったら、心強くてうれしいです

大塚聡巡査部長:
本当かな(笑)

大塚聡巡査部長:
地域警察の基本なので、1軒1軒お願いして(犯罪の)被害に遭わないように

大塚さんが地域から愛されるのは、人懐っこい性格と、卓越した観察眼が大きな理由のようだ。

久万高原警察署 地域警備課・重松温課長:
駐在さんの姿を見せることで、安心感を与える。地域住民の顔が全てを物語っていると思います

モットーは「地元の住民になりきる」

実は大塚さん、警察官人生のほとんどを8カ所の駐在所で勤務している。

大塚聡巡査部長:
2021年で(駐在所勤務)通算30年です。田舎出身なので、地元の警察官と言ったら駐在さんしか姿を見たことがなくて、駐在さんに憧れて警察官になった

駐在所にこだわった人生。何が魅力なのか。

大塚聡巡査部長:
住民と喜びとか、悲しみとか、苦しみとかを一緒に分かち合える、生活を一緒にしながら分かち合えるのが、一番いいことだと思います

モットーは、地元の住民になりきることだという。

この大塚さんの活動に欠かせないのが、家族の大きな支えだ。

妻・大塚あかねさん:
(新駐在所は)相談室も広くなるんやね。いっぱい相談せんといかんね

大塚聡巡査部長:
ほやなぁ。どんとこいやな

妻・大塚あかねさん:
子どもが小さい時は、お引っ越しの準備とか学校の手続きが大変でしたね

大塚さんの妻・あかねさん

父の背中を見て育った息子も、警察官の道を選んでいる。

松山東警察署 生活安全課・大塚悠馬巡査:
父のように地域の人に寄り添う、優しくて強い警察官になりたいと思いました。今の私の長所でもある親しみやすさというのは、父の転勤についていったことで養われたものだと思っています

松山東警察署に勤務する大塚さんの息子・大塚悠馬巡査

大塚聡巡査部長54歳。きょうも地域の安全のため、ミニパトで地域を駆け巡っている。

(テレビ愛媛)