春のセンバツ甲子園に沖縄県勢としては20年ぶりに21世紀枠で出場する具志川商業高校ナイン。
球児たちを初の大舞台に導くのは喜舎場正太監督(33)。

具志川商業・喜舎場正太監督:
歴史を変える為には(20年前の)宜野座高校のベスト4の記録を変える挑戦をしようと

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具志川商業ナインの指揮を執る喜舎場監督は、15年前、ピッチャーとして甲子園を目指した野球部のOB。

具志川商業・喜舎場正太監督:
甲子園でOBのみなさんに具志川商業の校歌を全国の舞台で歌えるような取り組みをしたいと思っています

“甲子園で校歌を歌う”という目標にむけ、熱心に指導する喜舎場監督のもう一つの顔、それは、帽子ではなくヘルメット姿。
喜舎場監督は県内の高校では珍しい外部監督で、日中は建設会社で働き、現場の進捗状況を確認したり、職人を管理したりしている。

具志川商業・喜舎場正太監督:
現場を1人ひとり見るのは現実的に厳しいのはあるんですけど、主たる職長とか現場監督とか、そういう方にいろんな状況把握とか連絡することをポイントとして置いています

現場の職人たちも喜舎場さんに全幅の信頼を寄せている。

左官職人・平良誠さん:
和やかで話も相談できる。自分たちからも監督さんという感じでいいイメージですね

喜舎場監督は、2017年からコーチとして野球部に携わるようになったが、当時のチームは部員数が9人に満たず、ほかの部活から選手を借りて大会に出場することもあった。

具志川商業・喜舎場正太監督:
(就任前は)「人数もいないみたいよ」とか「指導者もいないみたいよ」と聞いて寂しいなという気持ちになった。立て直しを図るために、まずは人材確保というか、そういったのに最初エネルギーを注ぎました

部員数を増やすために地域の中学生に声をかけ続けた結果、今の2年生が入部した。

粟國陸斗主将:
具商(具志川商業)から甲子園目指そうということも言ってくれていたので。だったら皆で集まって具商を強くしようとここに来たという感じです

深刻な部員不足を乗り越え、わずか5年で九州ベスト8に入る実力をつけたことが評価され、21世紀枠で出場権を獲得した具商ナイン。

民間企業の指揮系統を部活にも

背景には監督が導入したあるシステムがあった。
喜舎場監督は民間企業のノウハウを野球部にも取り入れ、組織図を作り、指示系統を明確にした。
キャプテンの下に内野・外野・投手陣の代表を副キャプテンとして3人任命。
さらに補佐役を2人つけ、これらの責任者を「役員」と呼ぶ。

具志川商業・喜舎場正太監督:
役員を中心に止めてもいいから(プレーを)確認することをやらないと、通してしまうと後から後悔するよ。後悔しないような取り組みをして、しっかり確認して何をすべきか

監督は建設現場における職人の管理を応用し、役員たちにも責任と結果を求める。

役員・狩俣伊吹選手:
視野広くしていくということを役員として心がけています。野球だけじゃなくて社会に出た時に“気づく力”というのが必要だと思うし

選手たちは練習中にもその都度気づいた事を確認したり、練習後も役員が時には強い口調できょうの反省点を共有する。

粟國陸斗主将:
ああいったポテン(のミス)で、あの1点で泣くから。今できることを最善を尽くしてやらないと、甲子園に行って何のために行ったのかわからなくなってくる

部員たちもこうした“気づく力”が大舞台に臆することなく勝負所を見極める力になると信じている。

粟國陸斗主将:
相手の隙というのを瞬時に掴むためにはちょっとしたことでも見落としたらダメだし、逆に誰かに見られていると思って行動しようということを言っているので。甲子園という舞台で具商らしい野球をします

OB監督が組織の在り方を落とし込んだことで、選手1人ひとりの視野が広がり、戦術理解も深まった具志川商業ナイン。
初の甲子園の舞台で“具商旋風”を巻き起こすことを誓う。

粟國陸斗主将:
相手が出来ていないところに自分たちの野球をぶつければ絶対に負けないと思うのでガムシャラに戦っていきます

具志川商業・喜舎場正太監督:
今まで歴史を作ってくれた人も色んな想いで観てくれると思うので。全力プレーで大暴れしてアピールしていきたいと思います

(沖縄テレビ)