動物園と水族館がクラウドファンディングに挑戦

全国の動物園水族館が続々とクラウドファンディングに挑戦。その返礼品がすごいことになっている。

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その実情をさっそく取材してみると…

横山ルリカ リポーター:
カワウソの手型をとっているんですかね。おとなしくて偉いですね。あ~持っているちゃんと色紙を持っていますよ。カワイイ~

カワウソが頑張ってつけているこの手型。実はコレも運営資金の一部を募るクラウドファンディングの返礼品。

今、コロナ禍で苦境に立たされている全国の動物園や水族館が、続々とクラウドファンディングに挑戦中なのだ。

中でも話題になっているのが動物園や水族館ならではのユニークな“返礼品”の数々。

めざましテレビではコロナに負けず奮闘する、動物園や水族館のクラウドファンディングを徹底調査した。

世界に一枚だけのペンギンの足跡付きTシャツ

まず紹介するのは大分市にある水族館「うみたまご」。

年間約3000万円かかるエサ代を支援してもらうため、1月27日まで600万円のクラウドファンディングに挑戦中。

飼育員さんたちが考えたという返礼品は…

マリーンパレス営業グループリーダー・熊代徹さん:
ペンギンの足跡Tシャツです

水で洗い流せる安全なペンキを使ってつけたペンギンの足跡付きTシャツの支援額は2万円。

毎回歩く場所が違うため、世界に一枚だけの返礼品。

マリーンパレス営業グループリーダー・熊代徹さん:
もらった人が笑ってくれるような面白いものがいいだろうということで、あまり他の水族館では出してこないようなものをあえて挑戦しました

水族館ならでは返礼品がたくさん

他にもカワウソが手型をつけた色紙は支援額1万5000円。

普段なら捨ててしまう「ペンギンの羽」が支援額7000円、世界最大級の淡水魚「ピラルクの鱗」は支援額1万5000円だ。

イルカの骨髄炎個体のCT画像データは支援額10万円など、水族館には当たり前にあってもお客さんにとってはなかなが手に入らない珍しいものを返礼品にしたという。

中には飼育員さんが体を張ったこんな返礼品も…その制作風景をのぞいてみると…セイウチが飼育員さんをはたき飛ばす様子が映っていた。

横山ルリカ リポーター:
飼育員さんがヘルメットを被って、セイウチの近くにしゃがみましたよ。セイウチがおもいきり手型をつけましたね。まさに飼育員さんと動物たちの共同作業といった感じです

体重864kgと「うみたまご」で一番大きいセイウチのみーちゃんが“悩みや災難を吹き飛ばして欲しい”という思いを込めて飼育員さんを吹き飛ばして手型を付けたTシャツは支援額2万円。

横山ルリカ リポーター:
飛ばされるトレーナーさん大丈夫ですか?

マリーンパレス営業グループリーダー・熊代徹さん:
あの~まあ元気にしていますので(笑)問題ないと思います

横山ルリカ リポーター:
元気なら良かったです

ヤマアラシの体毛が返礼品

続いては、横浜市にある屋内型動物園「インナー・シティ・ズー ノア」。

珍しい動物約200種類と触れ合えることで人気だが、来園者は例年の10分の1に激減してしまったという。

エサ代や施設管理のため、2月27日まで目標金額1000万円を目指してクラウドファンディングに挑戦中だ。

その返礼品はヤマアラシから!?

インナー・シティ・ズー ノア・高橋賢司さん:
返礼品の一つがコレです

横山ルリカ リポーター:
めちゃくちゃ大きい。ヤマアラシですか?

インナー・シティ・ズー ノア・高橋賢司さん:
ヤマアラシの毛ってこうなっているんですよ

横山ルリカ リポーター:
短いのと長いのがありますね

インナー・シティ・ズー ノア・高橋賢司さん:
実は新陳代謝で抜け落ちてまた新しいのが生えるっていうのを繰り返しているんですね。厄除けとかそういうイメージで玄関にでも飾っていただいたらいいかなと

返礼品はヤマアラシの体毛が進化した針。威嚇に使う長くて柔らかい針と攻撃に使う短くて長靴も貫通するほど鋭い針の2本セットに招待券も付いて支援額3000円。

返礼品にすることで、ヤマアラシの生態を知って欲しいという思いもあるそうだ。

他にも、脱皮を繰り返して成長する蛇の抜け殻は招待券付きで支援額3000円。開運のお守りとして「返礼品」になっている。

飼育員作詞作曲のオリジナルソング

続いては愛知・犬山市にある「日本モンキーセンター」。

霊長類の飼育数は世界最多の約60種850頭。

運営費などを得るため、HPで継続的に支援を募っている。

過去の返礼品の一つが…

日本モンキーセンター飼育主任・奥村文彦さん:
僕が作った歌が入っているCDです

横山ルリカ リポーター:
ご自身で作った歌なんですか

日本モンキーセンター飼育主任・奥村文彦さん:
そうです。あとDVDもあります

飼育員さん作詞・作曲、歌っているのも飼育員さんというすべて手作りのCDと、その歌に合わせたミュージックビデオが入ったDVDのセットで支援額5000円だったのだとか(※現在は終了)。

飼育員だからこそ気付く、サルたちの細かい特徴などを歌にしたという。

横山ルリカ リポーター:
お気に入りの歌は?

日本モンキーセンター飼育主任・奥村文彦さん:
ニシゴリラの「タロウさん」の曲が一番のお気に入りです。タロウさんは年齢が47歳になりまして、国内のオスのニシゴリラの中では最高齢になるんですけれども元気に過ごしてほしいなという思いを込めて作った曲です

DVDに収録されている、タロウさんの歌とミュージックビデオがこちら…

タロウさんのミュージックビデオ:
♪カシの葉っぱの食べ方がイカす 美しいその所作タロウさん つぶらな瞳♪

日本モンキーセンター飼育主任・奥村文彦さん:
音楽っていう変わった情報発信をさせてもらっているんですけどこういった曲を聞いていただいて、モンキーセンターで暮らす動物たちのことを少しでも知っていただくキッカケになればなと思っています

そんなタロウさんに元気に過ごしてもらうためのクラウドファンディングが1月26日からスタート。3月31日までで目標額は100万円。

返礼品はタロウさんグッズ。今回のために作った“タロウさん”の新曲なども準備しているそうだ。

ゾウが書いた絵が返礼品

続いてはゾウの飼育数、日本最多を誇る千葉県の「市原ぞうの国」。

緊急事態宣言を受けて2月7日まで臨時休園となっているが、そんなこちらの返礼品は…

横山ルリカ リポーター:
何やらゾウさんが画用紙に絵をかいていますよ。上手ですね

1月14日まで行われていた「ゾウさんたちの水遊び場を作る」ためのクラウドファンディング。目標額は1000万円だった。

その返礼品の一つが、お絵かきが得意な“ゆめ花”が描いた絵で支援額3万円(現在は終了)。

その制作風景を見せてもらうと…

さすがお絵かきが得意という“ゆめ花”ちゃん。ゾウが描いたとは思えないほどのクオリティーの高さだ。

市原ぞうの国広報・佐々木麻衣さん:
去年、緊急事態宣言で休園という形になったときに、本当に多くの方にご支援をいただいて感謝という形で、12頭いるゾウさんの中でも一番の人気あるゾウさんなので、ゆめ花の絵を返礼品にということに…

結果、目標金額を大きく上回る1500万円以上が集まり、現在、ゾウさんの水遊び場の工事は順調に進んでいるそうだ。

実際に支援した人に、話を聞いてみると…

医療従事者・サカイさん:
私は医療従事者ですので日々やはり精神的にもかなり疲れる毎日なんですけれども、やはりそういうときにゆめ花ちゃんたちの描いた絵を見ることで、とても心は安らぎますので。ゾウさんたちも医療従事者のためにエールをといって青いリボンをお耳につけてインスタグラムにあげてくれたときがありまして、とてもそれはうれしかったですね。なので支援というよりは、“一緒に頑張りましょう”という、私からのエール。そういうつもりでいつもクラウドファンディングに参加させていただいております

横山ルリカ リポーター:
市原ぞうの国では現在行われているクラウドファンディングは去年6月に荒川で保護された野生の鹿ケープ君。飼育はぞうの国でされていますが、安心して暮らせる家を作るクラウドファンディングしています。返礼品はケープの森のエコバッグが支援額5000円。ケープオリジナルぬいぐるみ&招待券1枚が支援額6000円だそうです。

(「めざましテレビ」1月27日放送分より)