「シンカンセンスゴイカタイアイス」を簡単に食べられるスプーン

冷たく硬いことで知られ、インターネット上で「シンカンセンスゴイカタイアイス」などと呼ばれてきた、東海道新幹線で車内販売されるスジャータアイスクリーム。

シンカンセンスゴイカタイアイス(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)
シンカンセンスゴイカタイアイス(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)
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プラスチックスプーンでは簡単にすくえないほど硬く、食べ始めるまでに時間を要する、このアイス専用のスプーンが登場した。

その名は「N700Sアルミアイスクリームスプーン」。
 

左:普通のプラスチックスプーン 右:N700Sアルミアイスクリームスプーン(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)
左:普通のプラスチックスプーン 右:N700Sアルミアイスクリームスプーン(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)

ジェイアール東海パッセンジャーズが2020年12月26日、東海道新幹線の車内販売限定で発売を開始した。

素材をアルミ製とすることで、手の体温がスプーン全体に素早く伝わり、アイスを溶かしながら食べることができるという。

デザインは、東海道新幹線をイメージした青色で、2020年7月にデビューした新型車両「N700S」のロゴや車両のイラストがあしらわれている。

価格は600円(税込み)で、アイス(300円~390円)と合わせると、1000円近くとなってしまう。少々お高いようにも感じるが、このスプーンの売れ行きは?また、そもそもなぜこのアイスはこんなに硬いのだろうか?

ジェイアール東海パッセンジャーズの担当者に話を聞いた。

「シンカンセンスゴイカタイアイス」が硬い理由

――このスプーンを開発した理由は?

「シンカンセンスゴイカタイアイス」として人気となっているアイスクリームを簡単にお召し上がりいただくためです。


――そもそも、なぜ、この車内販売のアイスは硬いの?

一般的なアイスクリームよりも低オーバーラン(空気含有量が少ない)であるため、硬めとなっています。また、ドライアイスを使用し、温度管理を徹底しているため、硬くなってしまうんです。

保管用のケース(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)
保管用のケース(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)
※保管用ケースの中(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)
※保管用ケースの中(提供:ジェイアール東海パッセンジャーズ)

――一般的なアイスよりも低オーバーランのアイスを採用。これはなぜ?

空気の含有量を少なくすることで、アイスクリームの密度が高くなり、より濃厚でなめらかな味わいになるとともに、品質管理の面においても優れているためです。


――やわらかく食べやすい状態を維持できるよう、新幹線の車内に冷凍庫を導入することは難しい?

アイスクリーム専用の設備(冷凍庫など)を車内に設置するのは、スペース上、困難です。
 

実際のところ、売れている?

―――アイスとスプーンを合わせると少々お高くも感じる。実際のところ、売れている?

具体的な販売数は公表いたしかねますが、大変、ご好評いただいております。


――実際にスプーンを使ってみた感想を教えて

従来のプラスチックのスプーンに比べて、アイスを食べられるまでの待ち時間がとても短縮されました。お客様にも、ぜひ試していただき、実感していただきたいです。


1都3県に緊急事態宣言が発令され、今は東京駅発着の東海道新幹線に乗車する機会は減るかもしれない。しかし宣言の解除後、東海道新幹線を利用する際には、このスプーンを使って「シンカンセンスゴイカタイアイス」をその硬さに悩まされることなく味わいながら、旅を楽しんでみるのはいかがだろうか。
 

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プライムオンライン編集部
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