「えっ、体に悪くないなら、3個でも4個でもいいんじゃないの?」と思いますよね。
ここで大事なのは、「医学的に食べて大丈夫な限界」と、「毎日のご飯として美味しくバランスよく続けられる量」は違うということです。
お腹いっぱい卵ばかり食べて、お野菜やご飯が食べられなくなったら栄養が偏ってしまいます。卵料理には油や調味料を使うことも多いので、油分や塩分も気になりますよね。
朝ごはんに目玉焼きを1個、夜ご飯にスープや炒め物で卵をもう1個。無理なく美味しく、栄養の恩恵をたっぷり受けられるベストバランスが「1日2個」だと考えています。
もちろん、「今日は朝に卵かけご飯を食べて、昼にオムライスを食べて、夜はおでんで煮卵を食べた!」という日があっても大丈夫。3個や4個食べたからといって急に体に異変が起きるようなことはありませんので、罪悪感を持たずに美味しく楽しんでください!
鶏は1日に1個しか産めない
「卵は1日2個食べていいんだ!」と分かっていただけたところで、最後にもうひとつだけ、たまご農家から知ってほしいことがあります。
人間は1日に2個も3個もペロリと食べられますが、鶏はどんなに頑張っても、1日にたった1個しか卵を産むことができません。
鶏の体の中で黄身ができて、白身が巻かれ、殻が固まって産み落とされるまでには、約24時間〜27時間かかります。どんなに優秀な鶏でも、1日に2個産むことは体の構造上できないのです。
しかも生き物ですから、毎日必ず産むわけではありません。群れ全体の体調が絶好調でも、産卵率は9割前後。つまり、スーパーで売っている10個入りの1パックをお届けするためには、最低でも11羽の鶏がまる一日がんばっていることになります。
さらに、若鶏のころは小さめの卵(MS〜Mサイズ)を産み、ベテランのお母さん鶏になると大きめの卵(L〜LLサイズ)を産みます。パックを開けたときに同じ大きさのキレイな卵がピシッと並んでいるのは、農家が餌や温度を毎日細かく調整し、選別機と人の目でキズや汚れを一つひとつチェックして揃えているからです。
スーパーで1パック200円〜300円台で買える卵。
日々の物価高のなかで、これほど栄養が完璧で、生産者が手間暇をかけてお届けしている食品は他にありません。
「1日1個にしておこうかな…」なんて我慢はもうおしまい。ぜひ、明日の朝からは安心して、1日2個の美味しい卵でエネルギーを満タンにしてくださいね!
半澤清哉(はんざわ・せいや)
1994年生まれ。山形県で養鶏、卵の加工・販売を行う株式会社半澤鶏卵の3代目として、製品の販売・PR活動に従事。幼少期から卵に囲まれて育ち、2022年に一般社団法人日本卵業協会が認定する卵のソムリエ資格「タマリエ」なかでも、最高位の「五ツ星タマリエ」を史上最年少で取得。卵に関する正しい知識を持ち、その魅力を世の中に広く発信している。

