有精卵を約38度で温め続けると、大体21日前後には殻を割って元気なヒヨコがピヨピヨと生まれてきます。
外から水もご飯も一滴も足していません。それなのに、目が見え、羽が生え、骨ができ、心臓がトクトクと動く命が誕生するのです。
これは何を意味するかというと、「生き物がゼロから生命を作るために必要なすべての栄養素が、あの小さな殻の中に全部揃っている」ということなんです。足りないのは、ビタミンCと食物繊維くらいしかありません。
特にすごいのが「タンパク質」の質です。
お肉や大豆などタンパク質を含む食品はいろいろありますが、栄養の世界には「アミノ酸スコア」というタンパク質の通信簿のような指標があります。体で作ることができない必須アミノ酸がどれくらいバランスよく入っているかを100点満点で採点するのですが、卵は文句なしの「満点(100点)」です。
タンパク質のバランスを「桶(オケ)」に例えるとわかりやすいです。
桶の板が1枚でも短いと、そこから水がジャバジャバ漏れてしまいますよね。他の食品は板がデコボコしていることが多いのですが、卵はすべての板がキレイに揃っているため、食べた分がムダなく筋肉や肌、内臓の材料になってくれます。
「うちの子、偏食でお肉やお魚をあんまり食べてくれない…」というお母さんやお父さんも、お子さんが卵焼きやスクランブルエッグさえ食べてくれれば、それだけで百点満点のタンパク質がチャージできます。
さらに、白身(卵白)には「天然のバリア機能」があります。
ヒヨコになる大切な赤ちゃんを守るため、白身には「リゾチーム」という菌をやっつける強力な酵素がたっぷり溶け込んでいます。実は、市販の風邪薬や目薬にも使われている成分です。
外からバイ菌が入ってきても、白身が自力で溶かして撃退してしまう。卵は、生きるためのパワーと防御力を兼ね備えた、まさに自然界の「奇跡のカプセル」なのです。
「1日2個が目安」だけど3個食べても全然OK!
「じゃあ、毎日何個食べてもいいの? 1日5個食べても大丈夫?」と聞かれることがあります。
私が普段おすすめしているのは、ずばり「1日2個」です。

