少子化や若者の車離れが進み、全国で教習所が減少している。
60年以上の歴史に幕を閉じ、来週閉校する教習所もある一方、生き残りをかけ新たなターゲットに活路を見出そうとする動きも見られた。変わりつつある教習所の今を取材した。
「必要ない」若者の“車離れ”と教習所の減少
北の大地、北海道にある小樽中央自動車学校。

創立から62年。その長い歴史の中で数多くの市民をドライバーに導いてきたが、その役割も間もなく終わりを迎えようとしている。

小樽中央自動車学校のホームページより:
2026年11月10日をもちまして閉校し、北海道中央自動車学校へ業務統合する運びとなりました。
来週10日に閉校することが決まっているのだ。
かつては、18歳を迎えたばかりの高校生たちも大勢通っていたというこちらの教習所。
近隣住民からは「寂しいし不便だし、やっぱり(教習所は)あった方がいいと思いますよ。自分たちはもう18歳になった時なんかもう、すぐ(免許を)取った時代ですよね。車離れしているのかね」「担当の先生が良くて、楽しみながら(免許を)取らせてもらった。1回落とされましたけど。(生徒が)前は結構いたんだけど激減してますもんね、ここ数年。免許を取らなくてもいい人が増えた」といった声が聞かれた。

この教習所は深刻に進む「少子化」や若い世代の「車離れ」などにより、今後の経営状況が厳しくなる見通しであることが閉校の理由だとしている。

小樽中央自動車学校:
今の若い人たちはなかなか運転免許を取りに来ません。指導員の不足や少子化もあり、利益が出ず閉校することとなりました。
閉校する教習所は小樽市だけにとどまらない。

警察庁によると、2005年に1450校あった全国の教習所は年々減少し、2025年までに少なくとも173校が閉鎖したことが分かっている。
若い世代の車離れはなぜ進んでいるのか。
若者の街、渋谷でその訳を聞いてみると「別に免許なくてもいいかなみたいな人もいる。電車の利便性が結構いいんで」「必要ない。正直必要ないです。今の生活には。あったらすごい楽なんだろうなとは思います。逆にでも(移動などで)不便ということはそんなにないです」「持ってないです。マイナンバーカードとか身分証があれば別にいいかなって感じです。そんなすぐはいらないかなと思います」などと答えた。

身分証としてマイナンバーカードも使えるようになったことや、関東の交通アクセスの良さなどを理由に、かつては当たり前とされていた「18歳になったら免許を取る」という意識に変化が起きていた。

実際に24歳以下の運転免許の保有者数も、2025年までの5年間で約36万人減少。若い世代からの需要が減ってきているのだ。
新たなターゲットは外国人 ドライバー不足解消へ
そんな中、独自の改革を起こし存続への活路を見出した教習所がある。
取材班が向かったのは千葉県市原市の自動車学校「SBSドライビングスクール姉崎」だ。

SBSドライビングスクール姉崎・鈴木伸所長:
少子化などによって、免許取得者の減少。また今は、“車離れ”ということもあります。
経営が厳しい時期が続いてました。

こちらの自動車学校でも、新規で免許を取ろうとする生徒は年々減少。
10年ほど前は、毎月20人に満たなかったという。そんな苦境のさなか…。
SBSドライビングスクール姉崎・鈴木伸所長:
2019年にM&A(合併・買収)されまして、大きな転換を迎えました。

7年前、物流大手の企業がこの教習所を買収し、それを機に教習所改革がスタートした。
2020年以降、コースや建物を改修し、教習車を総入れ替え。そして2025年には…。

SBSドライビングスクール姉崎・鈴木伸所長:
(2025年)合宿施設を新設しました。国籍問わず受け入れをしていて、日本の方と外国籍の方はちょうど半々という状況になっております。
合宿教習を強化するため、近くに宿泊施設を新設。新たなターゲットは日本に住む外国人だ。
日本の免許取得を目指す合宿中のフィリピン出身の男性は「YouTubeで仮免許によく出る問題をちょっと練習して明日に向けて(勉強中です)。今度の仕事に向けて免許必要になるので、合宿免許に来ました」と話す。
教習所は外国人ドライバーを育成する上で、安全面での課題はどのように考えているのだろうか。

SBSドライビングスクール姉崎・鈴木伸所長:
日本ではどういうふうに安全に走らなければいけないのか、どういうふうなマナーが必要になってくるのか、教習もしくは講習でお伝えして、今後の安全運転に役立てていただければと考えております。

2026年7月には免許を取得した外国人受講者にドライバーの仕事を紹介するマッチングサービスの運用を開始。社会問題となっている物流業界のドライバー不足の対応に乗り出したのだ。
SBSドライビングスクール姉崎・鈴木伸所長:
人材不足が非常にどの分野でも大きな課題となってます。弊社の「マッチングシステム」を活用していただいて、そういった人材不足等の緩和に向けて動いていければなと考えております。
高齢者講習の需要増 時代とともに変化する教習所
さらに、今教習所に需要があるのは日本での免許取得を目指す外国人だけではない。
指導員:
皆さんこんにちは。本日この「高齢者講習」担当します。
よろしくお願いします。
受講しているのは、すでに運転免許を持っている高齢者。
70歳以上のドライバーが免許更新のために必要な高齢者講習を毎日実施している。

若い世代の生徒は減る一方で、高齢者からの需要は増加している。当初は講習の予約が取りづらい環境にあったため、専属の指導員を3人増員したという。
指導員:
まず外周道路をね、1周してきます。
現在では年間5000人を超える高齢者が講習を受けに来ているという。

SBSドライビングスクール姉崎・鈴木伸所長:
場合によっては、免許を返納する。返納した場合の今後はどうすればいいのか、そういった面々も、この高齢者講習の中でお伝えできればなと思っています。(教習・講習の)幅が狭かったものを広げ、事故防止を図る。免許を取ってる方への教育、これが重要視されてきている時代の流れだと思っております。
少子化や車離れなど時代とともに変化する教習所。存続に向けて客のニーズに合わせた柔軟な対応が求められそうだ。
(「イット!」11月3日放送より)

