近年は、玄関ロビーの一角に“たまホーム”と呼ばれる専用ベッドが用意され、教官室内には“たま警視専用椅子”や爪とぎスペースも設置されるという好待遇に。
同校のSNSでも“経験豊富な警察職員”として紹介されたり、交通安全を啓発する県警のチラシに登場したりと、れっきとした職員として認められている。
勤務態度は実直
「子猫の頃からたくさんの人にかわいがられてきたせいか、触られても抱っこされてもあまり嫌がりません」と、同校の卒業生で現在は教官を務める隈井光砂さんも、そのアイドルっぷりには感心しきりだ。
しかし、人なつこさだけがスピード出世の理由ではない。勤務態度もおしなべて実直なのだ。
始業は早朝6時半。
学生たちが起床し、庁舎玄関前で点呼と運動をスタートすると、たま警視も参加。生徒の間を縫うように歩く様子は、さながら教官が学生の活動を“監督”しているようだ。
7時から8時にかけては、出勤してくる職員を玄関でお出迎え。懇意の教官に“ちゅ~る”などをおねだりする。
昼が近づき、気温が上がってくるとロビーでひと休み。おなかが減ると通りすがりの生徒や職員にご飯をおねだりする。
学生の休憩時間には、厳しい訓練や授業で疲れた学生におとなしく撫でられるなど、アニマルセラピストさながらの活動をしている姿も見せる。
午後は自由に過ごすが、夕方になって国旗降納の時間がくると、夕空に粛々と降ろされる日の丸を見ながら物思いにふけることも…。
夜になり、学生が寮に戻り、教職員が帰宅したあとは、人恋しいのか宿直教官がいる教官室を訪問。その日の気分で“たま警視専用椅子”か、空いている教職員の椅子をベッド代わりにして就寝する。
これが、たま警視の大まかな一日の流れだ。もちろん、毎日時間通りに勤務するわけでなく、自由気ままに過ごす日もある。ただ、それでも「“私は警察学校の一員だ”という自覚があり、その職務を全うしようとしているようにしか見えません」と、職員の原美恵さんも勤勉な姿勢を称賛する。

