あなたの愛猫はどれくらい水分を取っているか知っていますか?猫の栄養学を専門とする獣医学博士の岩崎永治さんが、猫があまり水を飲まない理由や1日に必要な水分量の計算方法について解説します。
文=岩崎永治
飲水量をチェックしていますか?
「うちの子、水をあまり飲まないけど大丈夫かな?」
猫さんと暮らしていると、一度はそんな不安を感じたことがあるのではないでしょうか。食事はしっかり食べていても、水飲み場にはほとんど近寄らない。逆に、急に水を飲む量が増えて心配になったという飼い主も少なくありません。
実は猫さんにとって「どれだけ水を飲むか」は、健康状態を映し出す重要なサインです。飲水不足は腎臓や尿路の病気につながる可能性がある一方で、飲水量の増加が病気の早期発見につながるケースもあります。もともと猫さんは積極的に水を飲む動物ではないため、日頃から飲水習慣を知っておくことが、愛猫の健康を守る第一歩になります。
しかし、多くの飼い主は「水分は大切」と考えている一方で、愛猫が実際にどれくらい水を飲んでいるかまでは把握できていないことも分かっています。
では、猫さんにとって水はなぜ重要なのでしょうか。飲水研究に関わった知見も交えながら、猫さんにとって水がなぜ重要なのか、どれくらいの水分量が必要なのかまで詳しく解説します。
猫は人のように汗をかけない
人は暑くなると汗をかきます。汗が皮膚の表面で蒸発するときに熱を奪うことで、体温を下げる仕組みになっています。これは「気化熱」を利用した効率的な体温調節機能です。
一方、猫は人とは大きく異なります。

