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蔵内元議長 “県議会のドン”と呼ばれた男の軌跡 辞職後に続く“沈黙” 記者クラブは会見要請 政治家としての転機は自民党内部抗争【福岡発】|FNNプライムオンライン
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蔵内元議長 “県議会のドン”と呼ばれた男の軌跡 辞職後に続く“沈黙” 記者クラブは会見要請 政治家としての転機は自民党内部抗争【福岡発】

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「福岡県議会議長、福岡県議会議員を辞職いたします」8月25日、県議会議員を約40年務めた蔵内勇夫・元議長(72)が議員辞職を表明した。「後日、福岡でゆっくり報告を行いたい」と述べた蔵内氏だったが、10日後の9月4日になっても会見は行われなかった。福岡青果の“ドン”と呼ばれた男は、どのようにして上り詰めたのか。その軌跡を振り返りる。

県知事選に絡む内部闘争が1つの転機

蔵内氏は、県議会議長に2回、就任したほか自民党福岡県連会長や県議団会長を長く務め、福岡政界だけでなく財界や県政などにも幅広く影響力のある人物とされてきた。

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日本大学農獣医学部出身で獣医師という異色の経歴の持ち主。2度目の挑戦となった1987年の県議選で現職を破って初当選し、政界入りを果たす。2001年には自身、1回目となる議長に就任している。

政治家・蔵内勇夫として1つの転機となったのが2011年の県知事選に絡む内部闘争だった。県連推薦の内定を得ていた蔵内氏だったが、そこに思わぬ対抗馬が現れた。

「麻生太郎先生のご推薦により、県連に推薦願いをして参りました」

 福岡政界の大物・麻生太郎氏(85)らが、蔵内氏ではなく官僚出身の故・小川洋氏(当時61)を推しあげたため、県連内部が分裂状態となり、これを回避するために蔵内氏が出馬を断念するという結末に至った。

「釈然としない部分もあるか?政治はそういうもんだ」 その悔しさからか、そんな一言も吐き捨てていた。

福岡政界の大物で総理経験者の麻生氏が当時、蔵内氏をどう感じていたのか。2015年の県連大会には、麻生氏が、隣に座る蔵内氏を「どけ」と言わんばかりに軽くあしらい、目も合わせずに退席する様子が映っていた。

2015年から4年間、県連会長を務めるなどした蔵内氏。県連内での地位を着実に固めていく。

自民党“福岡三国志”の一角に

かつて福岡政界は、麻生氏のほかに山崎拓氏、古賀誠氏の自民党国会議員3人が、せめぎ合い“福岡三国志”と言われていた。その後、山崎氏と古賀氏が政界を去り、三国志の一角に入ってきたのが県議の蔵内氏だったのだ。

3年前に発刊された蔵内氏の写真集には『実力者の政治家』と題する麻生氏の寄稿文も掲載されていて、その存在感を評している。

塗り替わっていく福岡政界の勢力図。その象徴とも言えるのが2016年に行われた衆議院福岡6区補選だった。

保守分裂となったこの選挙には、蔵内氏の長男・謙氏(当時35)が立候補。選挙戦が始まると麻生氏が応援に駆け付けただけでなく、麻生氏とは“犬猿の仲”と言われていた古賀氏と顔を揃えての遊説となり、周囲を驚かせた。

「古賀誠と街頭遊説やるっていうのは、過去35年間で初めて。驚いて雨も降ってくるほど。古賀誠先生と麻生太郎、揃って、一緒になって蔵内謙を支える」

長男の選挙とはいえ麻生氏、古賀氏の2人を引き合わせるほどの影響力を持っていた蔵内氏。

福岡政界の実力者として上り詰めたことは、誰の目にも明らかだった。

福岡政界の実力者 世界獣医師会の頂点に

蔵内氏のライフワークでもあるのがワンヘルス。その理念は、人と動物の健康と環境を一体的に捉えるというもの。

日本獣医師会の会長だった蔵内氏は2022年、アジアの会長となり、そして2026年4月には、ついに世界中医師会の会長に上り詰めた。

「蔵内勇夫会長、この度の世界獣医師会会長のご就任、誠におめでとうございます」と福岡県の服部誠太郎・知事(71)も祝意を表すほどだった。。

栄達を極めた福岡政界の実力者でありながら世界獣医師会の頂点に立った蔵内氏。まさに巨大な権力を手中に収めた瞬間だった。

しかし…。

「議員辞職?なんでしなきゃいけないんだろうか」

「私も結局カツアゲされたようなものだと思っている」

2026年7月、TNCテレビ西日本のカメラの前で吉松源昭・県議(58)が告発した議長ポストを巡る“金銭授受”疑惑。吉松氏は、蔵内氏の名前も挙げていた。

「あくまでも想像ですが、最高権力者、実力者は蔵内先生なんです。それ以外の人が受け取ることは考えられない。一部を受け取るのは分からないが、一番の実力者のところにいくのではないかと思う」

その後、蔵内氏を長年支えてきた腹心とも言える幹部2人が要職から離れるなか、当の本人は強気の姿勢を崩していなかった。

「議員辞職は否定する?僕なんでしなきゃいけないんだろうか」(8月10日)。

「動議!」そして8月17日には、蔵内氏の辞職勧告決議案に関する緊急動議が臨時議会で可決され採決は中止になった。

議員生命を脅かすヤマ場は、越えたかに見えたが、県民の反応は厳しいものだった。

そして、8月25日、福岡ではなく出張先の東京で「議員辞職」を表明。取材に応じたのは僅か40秒。辞職の理由については「福岡でゆっくり報告する」と述べた。

9月4日、その日から10日が経つ。蔵内氏は表舞台に姿を見せることはなく、いまだ会見の予定もない。

福岡県政記者クラブに加盟する15社は、連名で蔵内氏に近日中の記者会見を要請した。

渦中の蔵内氏は2カ月前、取材に対し「議員として責任を持って、やっぱしね、自分がやったことは背負っていかなきゃいかんと思うよ」と話していたが…。

(テレビ西日本)

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