2026年度前期朝ドラ『風、薫る』の主人公のモデルとなった大関和(チカ)はどんな人物?近・現代歴史作家の青山誠さんが考察する(第4回)。帝国大学医科大学附属第一医院の外科看護婦取締になった大関和だったが、彼女を気に入らない病院上層部によって解任されてしまう。病院を辞め、無職となった和に新たな職の声がかかるが、赴任先はなんと新潟だった。
文・写真=青山誠
看護婦取締を解任され新潟へ単身赴任
明治21年(1888)、帝国大学医科大学附属第一医院の外科看護婦取締になった大関和。
空気が読めず多少独善的でもある和に反感をもつ医師は多く、解任を求める声が湧き起こった。医局内が騒然となり、病院上層部は鎮静化をはかるため和を看護婦取締役から解任する。看護婦として残ることはできたが、居づらさを感じて解任直後の明治23年(1890)11月に病院を退職した。
無職となった和にマリア・トゥルーから声がかかる。彼女は和が学んだ看護師養成所のある桜井女学校の運営責任者だったアメリカ長老教会に所属する宣教師で、この頃は日本各地に続々と創立したミッション系女学校のサポートにも熱心だった。新潟県の高田(現在の上越市)にある高田女学校もそのひとつ、創設からまだ間もなく人材が不足しているという。そこで、病院を退職した和に白羽の矢が立つ。
「あなたには、高田女学校の生徒取締役になっていただきたいのです」

