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「絶望、死にたくてしょうがなかった」交通事故で頚髄損傷、四肢麻痺になった男性 調味料が一目で分かるキャップを開発、特許取得 「日常の不便を誰かの便利に」スマート家電を駆使し一人暮らし「自宅は私の城」|FNNプライムオンライン

「絶望、死にたくてしょうがなかった」交通事故で頚髄損傷、四肢麻痺になった男性 調味料が一目で分かるキャップを開発、特許取得 「日常の不便を誰かの便利に」スマート家電を駆使し一人暮らし「自宅は私の城」

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「不便さ」から生まれたアイデアグッズ。交通事故で手足が麻痺した男性が1人暮らしに挑戦し、その経験から便利なグッズを作った。製品化したいと支援を呼びかけている。

「日常の困りごと」から開発

長野市の堀内宗喜さん(46)。交通事故の後遺症で首から下が動かない。

この日、県庁を訪れ、自ら開発したあるグッズを発表した。

事故で四肢麻痺・堀内宗喜さん:
「世界のキッチンのスタンダードに。瓶系調味料にはトップキャプスがついている。それが当たり前の世界」

名前は「トップキャプス」。樹脂製の丸いキャップに、酢や酒など調味料の名前が書かれている。

堀内さんの日常の困りごとから生まれた商品だ。

自ら開発した「トップキャプス」を発表する堀内さん(7月9日、長野県庁)
自ら開発した「トップキャプス」を発表する堀内さん(7月9日、長野県庁)
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母も絶賛「これは便利」

自宅のキッチンには、上から見るだけで調味料の種類がわかるよう、ふたに「トップキャプス」が取り付けられていた。

堀内さんは、県営住宅で1人暮らしをしている。

毎日最低2回、ヘルパーに訪問してもらい、起床・就寝時の移動と着替えを、日によって入浴や食事の用意などサポートを受けている。

この日は、市内に住む母親が訪れ昼食を用意していた。

調味料のキャップについて聞くと―。

母・園枝さん:
「忙しい時に『酢とみりん間違えた!』とか。これは便利、一目でわかるから。よくこんなところに気が付いたなって」

考案したきっかけは、ヘルパーが瓶を持ち上げ、調味料の中身を確認する姿を見たこと。

堀内宗喜さん:
「瓶を持ち上げては下げて意味のない動作をしていた。(その)作業を減らすことでヘルパーさんも少しでも便利になったらいいんじゃないかと」

自宅キッチンの調味料の「トップキャプス」
自宅キッチンの調味料の「トップキャプス」

22歳で事故、絶望の日々

堀内さんは24年前、交通事故で頚髄を損傷した。動くのは頭と右手の一部だけ。

事故にあったのは都内の専門学校を卒業して間もない22歳の時。バイクに乗って配達作業中に車と衝突し、心肺停止の状態で病院に運ばれた。

集中治療室で1カ月。奇跡的に命を取り留めたが―。

堀内宗喜さん:
「ある日、起きたら、この状態よりはるかに悪い状態で絶望した。死にたくてしょうがなかったです」

電動車いすで移動
電動車いすで移動

スマート家電駆使し1人暮らし

そんな堀内さんが実家を出て、夢見ていた1人暮らしを始めたのは6年前のこと。

背中を押してくれたのはスマート家電だった。

堀内宗喜さん:
「(最初は)ベッドの背もたれを上げることだけ活用してみた。(それまでは)目が覚めても起き上がることができず天井を見るしかなかっただけの時間が、(スマート家電のおかげで)自分で背もたれを上げてDVDを見ることができた。もしかして1人暮らしができるんじゃないか(と思った)」

堀内宗喜さん:
「アレクサ(AI音声アシスタント)、リビングの照明つけて」
「アレクサ(AI音声アシスタント)、リビングカーテン開けて」

堀内さんはボタンが押せない。右手の人差し指でスマホとタッチパッドを操作し、声に反応するスマート家電を30台以上使いこなす。

「アレクサ」を使いカーテンを開ける堀内さん
「アレクサ」を使いカーテンを開ける堀内さん

自宅は「私の城」

家には自作のドリンクサーバーも。

堀内宗喜さん:
「これでウイスキーの水割りが完成」

ワインディスペンサーとスイッチを押してくれるロボットを組み合わせ、好きなお酒を好きな時に飲むことができる。

つまみの豆も、食べやすいよう吊るした器に入れるなど工夫を凝らしている。

堀内宗喜さん:
「快適。不便がまったくないから(自宅は)私の城です。私のニーズがめちゃめちゃ狭かったので自分で作るしかないんだなって。(自分は)ものづくり気質なんだと思う」

自作のドリンクサーバー
自作のドリンクサーバー

3年がかりで製作、特許取得

「トップキャプス」は3年がかりで製作。アイデアを形にするのは3Dプリンター。独学で設計も学んだ。

簡単に、そして繰り返し付けられるよう、中央にへこみを作り0.1ミリ単位で調整。2025年、商工会議所などに相談しながら、特許を取得した。裏面には粘着テープも。大きなふたや、平面のない丸いふたでも取り付けられる。

7月からクラウドファンディングで製品化の資金を募っている。返礼品は「トップキャプス」。6個から24個のセットなどを用意した。

堀内宗喜さん:
「(トップキャプスは)小さなお子さんのいる家庭もそうだし、共働き夫婦とかで家事を共有している家庭。シニア層にも非常に有効な道具じゃないか」

3Dプリンターを操作し「トップキャプス」を製作
3Dプリンターを操作し「トップキャプス」を製作

感謝のバトンを次の世代へ

重い障害を負いながらも生活を楽しむ堀内さん。

電動車いすで街に出て、店の人の助けも借りながら食材の買い出しなども行う。

堀内宗喜さん:
「1人で外出すると、障害や福祉とまったく関係ない人が対応してくれる。そういう機会を増やすことで、一般の人も障害のある人に慣れてくれるんじゃないかって思いがありまして」

かばんからチラシを出してもらい―。

堀内宗喜さん:
「今度、挑戦を始めるのでよろしくお願いします」

日常の不便を諦めず、さらにそれを「誰かの便利にできたら」と願っている。

堀内宗喜さん:
「(自分は)本当に多くの人の力を借りて世話になって、迷惑をかけて生きている。生きていることに感謝なんですけど、助けてくれた人に直接返すことはできない。“感謝のバトン”を次の人に、次の世代に渡していければいいなって。(誰かが)ちょっとでも便利になれば、それが私なりの社会貢献なんじゃないか」

県庁で「トップキャプス」の説明をする堀内さん(7月9日)
県庁で「トップキャプス」の説明をする堀内さん(7月9日)
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