人々の“暮らしの導線”でもあるコンビニでの熱中症対策が注目されている。コンビニ大手のファミリーマートは福井県や大塚製薬と連携し、クーリングシェルターとしてだけでなく、店内で対策動画を流したり熱中症対策アンバサダーの資格を持つスタッフがイベントなどで啓発をしたりと取り組みを進めている。
“日常”を利用した啓発に適しているコンビニ
日傘をさす人やハンディファンを手にしたの姿が目立つ福井駅周辺。大型画面には熱中症への警戒を促すメッセージが映し出されていた。近くには多くの人が立ち寄るコンビニがある。
全国の主要コンビニの年間来店客数は、約20年前の延べ約121億人から、2025年には約156億人に増加した。それだけ多くの人が立ち寄る場所だからこそ、熱中症対策の情報発信の拠点として活用する意義は大きい。
県内で最も店舗数が多いコンビニ大手のファミリーマートは、県や大塚製薬と連携し、熱中症対策を呼びかける15秒の動画を店内で放映している。「熱中症対策のポイント、熱中症警戒アラートをチェック」「みんなで気をつけよう、熱中症対策」といったメッセージが、買い物客の目と耳に届く。
大塚製薬・福井出張所の笹谷海斗さんは「店舗を通じて熱中症に対する知識や予防法を知ってもらう取り組みをしている。幅広い世代が日常的に利用するため有効な取り組み」と考えているという。
店内の動画を実際に見た利用客からは「自分に関係があることなんで、興味があって最後まで見ちゃう」と前向きな声が聞かれる。
県内150店舗の8割以上がクーリングシェルターに指定
情報発信にとどまらず、コンビニは物理的な避難場所としての役割も果たしている。県内150のファミリーマートの店舗のうち、8割以上が危険な暑さから一時的に身を守るための場所「クーリングシェルター」に指定されている。
利用客の1人は「すごく外が暑いと、一旦中に入りたくなる」と話すように、エアコンが効いた店内は、外出中に体温が上昇した際の緊急的な逃げ場にもなる。
さらに、店舗で働くスタッフの中には、大塚製薬が主催する講座を受け「熱中症対策アンバサダー」に認定された人もいる。
熱中症に関する正しい知識を生かし、夏のイベント等で熱中症対策を講じたり、地域や職場で声かけを行ったりと対策に取り組んでいる。

コンビニという身近な場所が、地域コミュニティへの啓発拠点としても機能し始めている。

