「三角連絡法」もすすめられない?
――災害時の連絡手段として、被災地ではない地域の知人を介して連絡を取り合う「三角連絡法」がよいという話も聞きますがいかがでしょうか。
(例:首都直下地震があった場合、東京に住む被災者Aさん・Bさん同士が安否確認をする際に、それぞれ被災地ではない地域の知人Cさんに安否の連絡をし、Cさんを介して連絡を取り合う)
笹倉所長:
確かに、そうした数珠つなぎの連絡手段はあります。ただ、電話のつながりにくい輻輳が起こっている状況下では、三角連絡法であろうと同様につながりにくいことには変わりありません。
実際に東日本大震災の時には、被災地において発信、着信ともに規制がかかっていました。また、東北では通信ビルが物理的に被災したこともあって、さらに発信しづらい状況でした。
ですから、一般的な通話は少し控えていただいて、別の連絡手段を活用してもらうことがおすすめです。報道機関などを通じて通信規制の状況について発表していますので、そうした情報を見ながら、最適な手段を選択していただきたいなと思います。
「171」が他の通信手段と違う理由
――それでは、災害時に特に有効な連絡手段はなんでしょう?
笹倉所長:
皆さんそれぞれに使い慣れたメッセージアプリやSNSなどを使っていただくのもいいと思うのですが、できるだけ確実に安否確認をしたいという場合は「災害用伝言ダイヤル171」や「災害用伝言板Web171」がもっとも有効な通信サービスだと考えています。
我々、通信業者は指定公共機関として有事においても、確実に安定してデータが蓄積される仕組みを提供しております。171やWeb171は他のモバイル事業者の災害伝言板とも連携されており、相互に登録、検索できるので、災害時に情報を残し続けていく場として最も安定していると考えます。運用期間中は声や文字のメッセージがずっと残り続けるという点も安心材料といえるでしょう。
――有事に備えて、平常時から意識しておくべきことはありますか?
笹倉所長:
どの通信サービスを使うとしても災害時に非常に大切となるのは「情報を分散させないこと」です。現代は、多様な連絡手段があることが非常に強みですので、平常時から家族のルールとして共有していただけるとよいのではと思います。
大切な人、ご家族と「この通信サービス」に情報を貯めていこうといった約束を作っておくことが災害時に混乱が起きないポイントだと思います。
取材・文=高木さおり

