天気予報でよく耳にする「降水量○○ミリ」という表現。しかし、その数字がどれほどの雨を意味するのか理解している人はいるだろうか。降水量の単位「ミリ」の意味から、実際の被害につながる雨の強さまでを詳しく解説する。
◆「傘をさしていても足元が濡れる」10ミリの雨
まず「降水量1ミリ」とは何かを確認しておこう。
底が平らな容器を屋外に置いたとき、雨水が深さ1ミリ溜まる量が「降水量1ミリ」だ。10ミリであれば深さ1センチ分の水が溜まることになる。数字だけ見ると少量に感じられるが、これが「1時間あたり」の値になると、話は大きく変わってくる。

気象庁は、降水量の強さをいくつかの段階に分けて表現している。
1時間に10ミリの雨は「やや強い雨」と呼ばれ、土砂降りの感覚。傘をさしていても足元が濡れてしまう強さで、これ以上の雨量になると各地で影響が出始める。
1時間に20ミリになると「強い雨」。地面は一面水たまりになり、低い場所では冠水が起こることも。たたきつけるような雨で、日常生活にも支障が出るレベルだ。
1時間に20ミリを超えると、具体的な被害が発生し始める目安とされている。
◆「道路が川のようになる」30ミリ・50ミリ
さらに雨が強まると、状況は一変する。
1時間に30ミリは「激しい雨」と表現され、道路が川のようになり、小さな土砂災害が発生するリスクも出てくる。

50ミリになると「非常に激しい雨」となり、視界が悪くなるほどの雨量だ。大雨災害のリスクが一気に高まり、規模の大きい土砂災害が発生する危険性がある。

◆「恐怖感を感じるような」猛烈な雨80ミリ
1時間に80ミリ以上になると「猛烈な雨」と呼ばれる。体で感じるほどの恐怖感を伴う大雨で、河川の氾濫など大規模な災害につながるリスクが高い。

この「80ミリ」は、畳1畳分(約1.82平方メートル)の面積に80ミリの雨が降ると想定され、水の深さは8センチになる。

数字だけ見るとさほど多くないように感じるかもしれないが、水の量に換算すると約150リットルにもなる。2リットルの大きなペットボトル75本分、一般的な浴槽にはるお湯とほぼ同じ量だ。
これだけの雨が町の広い範囲にわたって降り続ければ、甚大な災害につながることは容易に想像できる。
◆福井県内でも観測された「1時間に96ミリ」猛烈な雨
実はこうした猛烈な雨は、福井県内でも過去に記録されている。
2004年7月の福井豪雨では、足羽川の堤防が決壊し大きな被害が発生。福井市美山では1時間に96ミリという猛烈な雨量が観測された。

また、1999年8月には美浜町で1時間に95ミリの雨が降り、河川や用水路の氾濫により浸水や土砂崩れなどの被害が発生した。いずれも「猛烈な雨」の基準である80ミリを大きく超える記録だ。

危険な雨を判断する際には、1時間あたりの雨量だけでなく、降り出しからの「総雨量」にも注意が必要だ。
まず、1時間に20ミリ以上の雨が降り始めたら警戒が必要。そして、降り出しからの総雨量が100ミリを超えると、土砂災害の危険性が高まる。
台風の接近時期など大雨が予想される時期は、天気予報の「降水量」の数字をぜひ意識して欲しい。数字の意味を知っているだけで、自分や家族の身を守る行動につながる。

