韓国でストーカー加害者にGPS付き足輪の装着を義務づけ、被害者に接近をリアルタイムで通知する仕組みが導入された。
再犯防止の効果が期待される一方、加害者の人権とのバランスが課題となっていて、日本でも議論が進んでいる。
ストーカー加害者の位置情報をリアルタイム通知開始
安宅晃樹キャスター:
気になる疑問やニュースのなぜを解き明かす「どうなの?」
日本でストーカー規制法が施行されてから25年以上たっているんですが、検挙件数を見ていきますと年々増加していて、2025年は1546件で、過去最多となっているんです。
山﨑夕貴キャスター:
2026年に入っても女性が元交際相手に殺害されるという凄惨(せいさん)な事件がありましたよね。
安宅キャスター:
そんな中ですけれども海外に目を向けてみますと、韓国ではこのストーカーへの厳罰化が進んでいまして、24日からストーカー歴のある人の位置情報がリアルタイムで被害者に通知されるようになったんです。

そこできょう「どうなの?」はこちら。
「ストーカーにGPS 韓国は『足輪』で効果」について見ていきます。
現在、韓国で導入されている再犯防止のための措置がこちらです。

そもそも韓国では、2008年から重大な犯罪ですとか、あとは性犯罪を犯した人に対して再犯防止のために、このGPS付きの「足輪」を装着するよう、裁判所などが強制することができたわけなんですが、この対象に2024年からストーカーの加害者にも適用されるように拡大されたんです。
では、GPS付きの足輪とはいったいどういったものなのか、「イット!」が現地を取材しました。

「足輪」を体験したFNNソウル支局・濱田洋平記者:
着けていると違和感がありまして、ベルト部分がかなり分厚くて、とても外せるようなものではありません。

安宅キャスター:
足輪の大きさなどは公表されていませんが、重さは180グラム以下とされています。
判決で一定期間、この足輪の着用が命じられた人は、その期間を満たせば外すことができます。
また捜査段階でも、再犯のおそれが高いとみなされれば、最大9カ月の着用が義務づけられます。
着用者は24時間監視され、これによって性犯罪者の犯罪率が20分の1になったといいます。
三宅正治キャスター:
24時間装着するんですね。結構目立つなという気もしますけど、その数字を聞くとかなり効果が出ているんじゃないかという気もしますし、今どのくらいの人が実際に着用を命じられているんですか?

安宅キャスター:
韓国国内で足輪の装着を命じられた人は、もともと重大な犯罪者や性犯罪者などもいて、全体では現在5200人なんですけれども、そのうちストーカーの加害者は347人になるというんです。
24時間監視の管制センターを取材
榎並大二郎キャスター:
でもこの24時間の監視っていうのは、どういう体制を敷いているんですか?
安宅キャスター:
監視の部分は、国内に2カ所ある管制センターで行われています。
ストーカーによるこの被害をいかに防ぐのか、24時間監視の現場を取材しました。

韓国・大田(テジョン)市の「位置追跡大田管制センター」では、8人1組の4チームが交代しながら、365日、24時間体制で監視を行っています。
ストーカーが被害者の2km圏内に接近すると感知し、被害者と加害者の双方に警告を通知します。
また同時に、警察にも連絡が行き、この加害者側が警告に従わない場合、直ちに現場へ出動、被害者の安全を確保、また避難させるシステムとなっているんです。
ということで、これまでは被害者に対して、このストーカーが近づいてきた、加害者側が近づいてきますと、2km圏内に入ると、この管制センターから「近づいていますよ」といった通知のみが来る。それとあわせて警察にも連絡を入れるというようなシステムだったんですが、24日からこの機能が強化されるんです。

どういったものになるかといいますと、被害者が専用のアプリというものを通じて、加害者との距離が2km圏内に入ったときに限りではあるんですが、その加害者側の位置情報、そして移動速度などをスマートフォンでリアルタイムで確認できるように機能アップするというんです。
加害者側の人権問題は?
山﨑キャスター:
ここまで機能や精度が進んでいることに驚きましたけど、ちなみに足輪をつけている人を監視するということ自体は問題ないんですか?

安宅キャスター:
この加害者側の人権問題というところについて、韓国ではどのように考えられているのか?
ストーカー加害者への対応を強めていることについて、FNNソウル支局の濱田洋平記者によりますと、韓国国内では「一部、人権侵害との声も残ってはいるものの、犯罪者の人権よりも被害者を守るべきとの意見が強い」ということなんです。

ただ一方で、ネット上では、こんな声もあるというんですね。例えば「バイトで足輪をつけた人と働くことになって、怖くて変えてほしいと言ったんです」といったような実体験があったりですとか、あと「映画館で足輪をつけた人を見て驚いて逃げた」、このような声がネットでは聞かれているというんです。
三宅キャスター:
そもそも日本と韓国の考え方が一緒かどうかというのはまだ分からないと思いますけども、ただ今のコメントを聞いていると、足輪をつけたことによって社会復帰が難しくなっちゃうんじゃないかなという、そういう気もありますよね。
安宅キャスター:
そうですよね。本当に烙印(らくいん)を押されるような、そのような見え方もあるかと思いますが、ここまで、この韓国でのストーカー加害者のGPS装着見てきましたけれども、実は日本でもこの議論が起きているんです。

5月のことにはなりますけれども、自民党の調査会は、この被害者を守っていくためには従来の措置のみでは不十分として、加害者に対してGPSの機器装着を求めるなどの「提言」を高市総理に手渡したんです。
これを受けまして、木原官房長官はこの提言について、「憲法で保障されている国民の権利などもふまえる必要がある」として、検討にあたって、ある種課題を指摘したということなんです。

ということで、きょうの「どうなの?」は「ストーカーにGPS 韓国は『足輪』で効果」について見てきましたが、韓国では24日からGPSの足輪によってストーカーの接近がリアルタイムでスマートフォンに通知されるなど、さらなる対応が進んでいます。またGPSを装着することについては、韓国国内においては着用者の人権問題というよりも、やはり被害者を守るべきといったような声が多いということが分かりました。
榎並キャスター:
あとはこの足輪を外したあと、どうなるのかというところも見ていく必要があると思うので、やっぱりこの加害者側の「治療」という側面のアプローチも必要になってくるんじゃないかなとは思うわけですが、日本でもストーカーによる事件は多く起きているわけです。二度と悲惨な事件を起こさせないためにも、今回の韓国のような先行事例を注意深く見ていく必要があります。
(「イット!」6月24日放送より)

