抱えた「痛み」が創造の源になる

この考え方を知ったとき、私は思った。
 
そう、「誰もがいるだけでいいと認められる世界」「凸凹のままでも人は完全であり、誰もが自分のままでいいと安心できる世界」とは、私たちの会社が目指してきた世界そのものだった。

「自分には価値がない」と感じてきたからこそ、「何ができてもできなくても、自分はいるだけで価値がある」と言える世界を創りたい。「やっぱり自分はダメだ」と感じてきたからこそ、凸凹のままの自分を誰もが愛せる世界を創りたい。その想いが形になったのが、だったのだと気づいた。

ふとした瞬間に自信を失い、「自分には価値がない」と思い込むことは、今でも多々ある。このメンタルモデルの考え方に出合うまでの私は、それが自分の嫌いな部分で、手放したいと思っていた。

でも、もし私が、逆に何でも人でできて自信に満ちた人間だったとしたら、このような世界を創りたいとは思わなかったかもしれない。私たちの会社も、この世に存在していなかっただろう。

痛み、つまり弱さは、なくすべきものではない。むしろ、受け入れたとき、それは誰かのための強さに変わっていく。自分にしか創れない、誰かにとって価値ある「何か」の源にもなり得るのだ。

『「私なんか」を「私だから」に変える本 ─ 一生ものの自信のつくり方 ─』(日経BP)

福田恵里(ふくだえり)
ミレニアル女性向けのキャリア支援を行うSHE代表取締役CEO/CCO

福田恵里
福田恵里

SHE代表取締役CEO/CCO。大阪大学在学中、サンフランシスコ・韓国に留学。学生時代に初心者の女性向けのWebデザイン講座を立ち上げ、300人以上が受講。2015年リクルートホールディングスに新卒入社し、「ゼクシィ」や「リクナビ」のアプリのUXデザインを担当。17年4月、26歳のときに、ミレニアル女性向けのキャリア支援を行うSHE株式会社を設立。主要事業である「SHElikes」は累計登録者数25万人を突破。20年に同社代表取締役CEOに就任