東京都檜原村で登山中の男性がクマに襲われ、斜面を滑落してけがをする事故が発生した。各地でクマの目撃情報や被害が相次ぐ中、その高い身体能力や行動範囲の広さが改めて注目されている。専門家は、夏に向けてクマの活動が活発化すると指摘しており、人身被害への警戒を呼びかけている。
「子グマに襲われた」登山中に10メートル滑落
東京・檜原村で登山をしていた50代の男性がクマに襲われ、約10メートル下に滑落する事故が起きた。

現場は、檜原村の登山道。
7日午前10時過ぎ、「檜原都民の森」の職員から「登山者が約10メートル滑落した」と通報があった。

警視庁によると、滑落したのは56歳の男性で、顔と足にけがをしましたが命に別条はないということだ。

男性は滑落した際の状況を「子グマに襲われて滑落した。クマを避けようとして蹴ろうとした際、バランスを崩した」と説明している。
警視庁などは当時の状況を詳しく調べるとともに、猟友会や消防とともにクマの捜索を行っている。

一方、7日午前5時50分ごろには秋田市にある幼稚園の敷地にクマが出没。園の防犯カメラ映像には、駐車場を悠々と歩くクマの姿が映っていた。
園の周辺ではクマの目撃情報が相次いでいて、県や警察が警戒を呼びかけている。

一方、東京都で最も高い雲取山の山梨県側の登山道入り口付近でも、7月3日にクマが目撃された。

撮影者は「最初犬かなと、迷い犬というか。ちょうど道をふさがれて、路肩に止めてよく見てみたらクマだった。身近に本当にいるんだと感じた」と話す。

また、群馬県の人気温泉地「万座温泉」周辺でも、6月23日、体長1m50cmほどのクマが目撃されている。
“まるで体操選手”クマの驚異的な身体能力
梅雨の時期に各地で目撃されているクマ。

長野県南部にある養蜂場では、ハチミツを食べに来たクマの映像が捉えられた。

被害に遭った養蜂家は「今年はもう被害は6回、7回。防犯カメラに映る姿が10回以上、かなり多いと思う」と語る。

被害に遭った養蜂家の男性は、クマ対策として巣箱を小屋の2階に置いていたという。
ところがクマは鉄パイプをよじ登り、キョロキョロと天井の様子を確認。
やがて天井にしがみついて移動すると、前脚2本でぶら下がった状態へ。

すると今度は、まるで体操選手のように体の反動を利用しながら少しずつ移動。

クマはそのまま巣箱がある2階に向かったとみられ、2階では巣箱のハチミツが食べられていた。

被害に遭った養蜂家:
まさかクマがあんな身軽にのぼるとは思わなかった。簡単に軽くポンとのぼっちゃうとは思わなかった。腹が立つ、なんとかクマがのぼれないように考えなきゃいけない。

こうしたクマの身体能力について、岩手大学の山内貴義准教授は「(クマは)腕の力、脚の力、かむ力も非常に強い。100kgぐらいのクマでも爪だけでスススッとのぼってしまう。食べることに対する執着が非常に強い動物。あれぐらいの運動であれば全然、苦にしないでのぼってしまう」と指摘する。

この先、梅雨が明け夏本番を迎えると、クマは餌を求めて人里に下りてくるため要注意だという。

岩手大学・山内貴義准教授:
8月になると山のエサ資源が少なくなり、クマの動きもエサを探すため活発化してくる。人身被害が発生しやすいことを念頭に置いて、クマに注意する必要があると思う。
(「イット!」7月7日放送より)

