7日現在、日本の南の海上では、大型で非常に強い台風9号が沖縄に接近しており、10日から11日にかけて沖縄付近に進む見込みです。

この台風の影響は、台風を「横から見る」イメージを持つと理解しやすくなります。

沖縄を襲う時速250km…“新幹線並み”の破壊的な暴風

この非常に強い台風の中では何が起こっているのでしょうか。

メカニズム的な視点で考えてみます。

台風中心付近では暖かく湿った空気が勢いよく吸い上げられ、積乱雲が空高く発達し、巨大な雲のタワーがそびえ立っているような状態です。

空高く積乱雲を発達させるためには、地上付近で勢いよく空気を集め、上空に送り続けなければなりません。

その結果として生じるのが、最大瞬間風速70m/sに達する破壊的な暴風です。

時速に直すと約250 km/hとなり、新幹線並みのスピードになります。

台風9号は新幹線並みの暴風に警戒を
台風9号は新幹線並みの暴風に警戒を
この記事の画像(3枚)

今回の台風では特に"風"への警戒が必要です。

この台風は非常に強い勢力を保ったまま、沖縄付近へ接近する予想です。

また、接近前に猛烈な台風へと勢力を上げる可能性もあります。

電柱の倒壊や建物への被害のおそれもあるため、窓の補強や飛散物の固定など、早めの対策を取ってください。

大気の天井でつながる「台風」と「高気圧」

一方、この台風をさらに広い視点で見ると、本州の天気にも影響を与えそうです。

発達した台風の上空では、大量の暖かい空気が四方へ流れ出しています。

その一部は太平洋高気圧の上空へ流れ込み、まるで台風が巨大なポンプのように高気圧を強化しているのです。

その結果、太平洋高気圧が勢力を強めて梅雨前線を北へ押し上げ、本州では危険な暑さとなる可能性があります。

沖縄を襲う猛烈な暴風と、本州の猛暑。

一見無関係に見えるこれらの現象は、実は上空の大気の流れによって結び付いているのです。

沖縄への甚大な影響はもちろんですが、台風9号の存在が本州の天候にも大きく影響し、本格的な梅雨明けを後押しする可能性があります。

遠く離れた地域にお住まいの方も、最新の気象情報をこまめに確認するようにしてください。

【執筆:岡部茉莉(フジテレビ気象センター・気象予報士)】

フジテレビ気象センター
フジテレビ気象センター

最新の気象・防災情報や、「なぜそういったことが起こるのか?」現象の背景を徹底解説。フジテレビ気象センターに所属する気象予報士9人の他、日本気象協会、ウェザーマップとも連携し、天気を味方につけて毎日が楽しくなる情報や、つい誰かに話したくなるような情報などお届けします。