一般企業などでもデジタル化が進むなかで、国の意思決定の中枢・国会では、いまなお大量の「紙」が使われ続けている。議員1人分で10キロに及ぶ資料が配られ、現場からは諦めの声も上がる異様な実態。なぜ変わらないのか――。根強く残る「紙文化」の背景と課題に迫った。

時代遅れ?数々の慣習

自民・小寺裕雄衆院議員:
議長ーー!

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衆議院の本会議場に響き渡る声。本会議中に動議を読み上げ進行を促す「議事進行係」の仕事で、「議長ーー!」は7秒で叫ぶ、とされている。「若手議員の登竜門」として、岸田元総理など重鎮議員もかつて経験してきた国会の「慣習」の1つだ。

国会には、このような「慣習」が他にも数多く存在する。

バッジを胸につけたり、登院する際は、自分の名前が書かれた場所のボタンを押さなければならない。

しかし、議員からは「時代に合わないものはどんどん変えていく」「常に会議に出ていないといけないっていう状況は、ちょっと今の時代にそぐわないんじゃないか」など、課題を指摘する声もある。

議員バッジの廃止求める声も

FNNは、国会生活がまだ浅い自民党の若手議員を対象にアンケートを実施した。

「見直すべき」「変えるべき」ものについての回答を見ていくと、大声で叫ぶ「本会議での議事進行係の発言方法」や、「本会議場での夏場における服装」「議員バッジ」「本会議での採決方法」などが挙がった。

実は、本会議場ではクールビズ期間でも上着の着用がルールとなっている。ちなみに、沖縄の正装である「かりゆし」はOKで、ポロシャツはNGだ。

そして、同じく見直すべきものとして挙がった「議員バッジ」。

当選後の初登院では、バッジをつけてもらうシーンが象徴的だが、アンケートでは「議員の特権意識を生み、市民感覚とズレていく遠因となりうるため廃止すべき」といった指摘もあった。

議員バッジは国会議員にとっては身分証であり、国会の中に入るために必要なものだ。だが過去には、偽物で議員になりすまし、侵入を繰り返した事件が発生するなど、セキュリティ上も疑問符がついている。

一方、本会議での採決については、参議院で既に導入されているボタン式投票を「衆議院においても認めるべき」といった意見が数多くあがった。