7月に秋田県で開かれる全国高校総合文化祭(あきた総文2026)。その自然科学部門の県代表に選ばれた秋田市の高校生に注目します。
秋田市の秋田高校で放課後に活動している「生物部」。16人の部員が6つの班に分かれ、日々実験や研究を行っています。
その中に、熱心に実験を行う2人の部員がいました。班のテーマは「アポトーシスを利用した抗がん剤の有効活用」です。
アポトーシスとは、細胞が自滅する仕組みのこと。抗がん剤の中には、この仕組みを利用してがん細胞を自滅に導くものもあります。
秋田高校生物部・工藤志乃佳さん:
「秋田のがんに対する課題の解決に貢献したいと思ったのがきっかけ」
秋田県は、28年連続で「がん死亡率」が全国ワーストです。
「この研究をもとに抗がん剤の効果を高め、がん死亡率の低下につなげたい」。そんな思いから実験が始まりました。
研究を続けた結果、細胞が自滅しているかどうかを見分ける方法を確立しました。
その成果が評価され、2026年の全国高校総合文化祭・自然科学部門の代表に選ばれました。
工藤志乃佳さん:
「伝統ある総合文化祭が、ことし秋田で開催される。そこで秋田県の代表として出場できることを光栄に思う」
プロジェクターを使い、本番さながらの発表練習を行っている2人の部員。こちらの班のテーマは「有機フッ素化合物・PFAS(ピーファス)のゲノムへの影響」です。
PFASとは、フッ素を含む化合物の総称で、人体への影響が懸念されている物質です。環境中に流れ出ても分解されにくく、近年は、秋田市の産業廃棄物処理施設近くの用水路でも国の暫定目標値を上回るPFASが検出されました。
PFASが人体にどのような影響を及ぼすのかは、まだ十分には解明されていません。この班は実験を通して、ゲノムや遺伝子への影響を研究しています。
1年以上にわたり実験を続け、2026年3月、ジュニア農芸化学会に出展。全国から集まった128組の中から、最高賞の金賞を受賞しました。
秋田高校生物部・目黒ことみさん:
「秋田県内の地下水で、基準値を超えるPFASが検出されたという報道を見て、身近な環境問題として強く関心を持った。秋田だけではなく、もっと人口が多い都市部では大きい影響があるのではないかと思い、実際に自分たちの手で実験し、PFASのゲノムへの影響を明らかにしたいと思い、実験を始めた」
この班も全国高校総合文化祭の自然科学部門代表に選ばれ、現在は研究成果をまとめた論文や、発表用のスライドを作成しています。
秋田高校生物部・佐藤菜々子部長:
「生物部で活動してきて、先輩方が総文祭で活躍する姿を見てきたので、同じ場所で発表できることを光栄に思う」
目黒ことみさん:
「学生生活最後の総文祭の出場権を得られたのはすごくうれしかった。1年生の結果が出なかった時期もすごく報われるし、充実感がある。高校の実験室でできる範囲で工夫して、PFASの遺伝毒性を測ることができる実験を行い研究してきたので、工夫した実験の結果を見てほしい」
研究を重ね、秋田が抱える課題を解決したい。若き挑戦はこれからも続きます。